HOW TO CHOOSE

モニターアーム

モニターアームのチルト角|上下105度と上70度/下5度を同じ列に置けるか

mono-buzz 編集部

この記事をシェア

この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

モニターアーム5製品のチルト角を、メーカー公表値のまま上向きと下向きに分解した。画面を見下ろす角度にしたい人へ、合計では2.5倍差なのに下向きだけ取り出すと18倍開くこと、1製品は内訳が公表されていないことを読み解いた。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

5製品のチルト角をメーカー公表値のまま上向きと下向きに分解し、0度を中心に左右へ振り分けた横棒グラフ。下向きはAmazonベーシック90度・100-LAC002W 45度・DPA-SL07BK 20度・エルゴトロンLX 5度と18倍開くのに対し、上向きは85度・70度・50度・45度で約1.9倍しか開かない。100-LA018は上下105度という合計しか公表されておらず、内訳が分からないことを灰色の帯で示している
目次

モニターをアームに載せ替えて、高さは合った。ところが画面がわずかに上を向いていて、天井の照明が映り込む。少しだけ下に向けたい。

商品ページに戻ると、書いてあるのは「上下に105度」。105度も動くなら余裕がある、と思って関節をゆるめても、下向きにはほとんど傾きません。

画面を見下ろす角度にできるかどうかは、「上下◯度」という合計からは分かりません。 その105度のうち何度が下向きなのかが、書かれていないからです。

ここでは、モニターアーム5製品を対応天板厚と耐荷重で比べた記事が一度も開かなかった列を1つだけ取り出します。2026年9月時点のメーカー公表値です。

チルトの書き方は、5製品で4通りに割れている

まず、各社が何をどう書いているか。

製品チルトの公表表記書き方
サンワダイレクト 100-LA018画面の向きを上下に105度合計を1値で
サンワダイレクト 100-LAC002W画面の向きを上下に±45度±で
エルゴトロン LX(45-241-224)チルト 上70°/下5°上下を別々に
エレコム DPA-SL07BKチルト:上50度/下20度上下を別々に
Amazonベーシック(DS-MADSBE)チルト(下-90°〜上+85°)符号付きの範囲で

軸の呼び名も揃っていません。「チルト」と書くのが3製品、サンワダイレクトの2製品は「画面の向きを上下に」。同じ動きです。

そして上下を分解できるのは4製品で、100-LA018 だけができません。 105度という合計しか無いからです。±が付いていれば半分ずつと読めますが、105度を等分すると±52.5度という半端な値になる。上と下が同じではない範囲を合計した数字とみられます。 どちらにどれだけ寄っているかは、公表資料からは決められません。

書き方がこれだけ割れる一方で、同じ5製品の対応VESAの行は値まで一致します(違うのは単位の付け方と、75と100のどちらを先に書くかだけ)。揃っている行と割れている行が、同じ仕様表の中に並んでいることになります。ただしその行が揃っていても、5製品の同梱ネジを径と長さで並べ直した記事のとおり、規格を公表している3製品で径はM4のみ・M4とM6・M4とM5に割れました。

上向きと下向きに分けると、順位が入れ替わる

公表値を上向きと下向きに振り分けます。

製品上向き下向き合計
Amazonベーシック(DS-MADSBE)85度90度175度
サンワダイレクト 100-LA018記載なし記載なし105度
サンワダイレクト 100-LAC002W45度45度90度
エルゴトロン LX(45-241-224)70度5度75度
エレコム DPA-SL07BK50度20度70度

合計だけを見ると175度から70度まで、最大と最小の差は2.5倍です。そこまで大きく割れているようには見えません。

ところが下向きだけを取り出すと、5度から90度まで18倍開きます。 上向きは45度から85度までの約1.9倍しかない。割れているのは下向きの側で、合計に畳むとその差が上向きの数字に薄められます。

順位も入れ替わります。

  • エルゴトロン LX は、上向きでは4製品中2番目に大きく(70度)、下向きでは最も小さい(5度)。 同じ1台が、向きを変えると端から端へ移ります
  • 100-LAC002W の45度は、上向きでは4製品中いちばん小さく、下向きでは2番目に大きい。 ±45度という1つの数字が、向きによって逆の位置に立ちます
  • 合計が最小の DPA-SL07BK(70度)でも、下向きは20度ある。 合計がそれより大きいエルゴトロン LX(75度)の下向き5度と比べると4倍です

上下の比を取ると、偏りがそのまま出ます。LX は 70÷5 で14倍、DPA-SL07BK は 50÷20 で2.5倍、100-LAC002W は45度どうしで1倍。Amazonベーシックだけが 85÷90 で1を下回り、上より下に大きく振れます。

そのAmazonベーシックの175度は、半回転(180度)に5度足りないだけの範囲です。ほかの4製品は70〜105度。同じ「チルト」という語でも、指している動きが同じとは限らないとみられます。

販売ページの「最大傾斜角度」は、製品ごとに別の計算をされている

角度の列は、販売ページの構造化された属性欄にもあります。そこが揃っていません。

  • エルゴトロン LX — 最大傾斜角度 75度。 上70度と下5度を足した合計です
  • エレコム DPA-SL07BK — 最大傾斜角度 20度。 上50度は入っておらず、下20度だけが拾われています

同じ欄名で、片方は上下の合計、片方は下向きだけ。この列をそのまま比べると、LX は DPA-SL07BK の3.75倍傾くという読みになります。ところが実際に見下ろせる側の公表値は、LX が5度で DPA-SL07BK が20度。下向きでは LX が4分の1です。 同じ2製品の順序が、欄の読み方ひとつで逆になる。

購入者の指摘は、下向きのメーカー表記が小さい順と同じ向きに並ぶ

下に向けられないという話は、3製品にまたがって出ています。

  • エルゴトロン LX — 下向きの調整が限られている、初期の状態では上を向きすぎている
  • エレコム DPA-SL07BK — 下方向に思ったほど下がらない。上向きは軽いのに下向きは重い、という操作感の指摘も
  • サンワダイレクト 100-LA018 — 見上げる姿勢で使うと、上下に動く幅が45度ほどに感じられるという指摘。単発の報告で使い方による可能性もありますが、内訳を公表していない製品で出ているのは見ておいていいと思います

メーカー表記の下向きが小さい3製品(5度・20度・内訳なし)に集まり、45度以上の2製品からは、下に向けられないという形の指摘が出ていません。 並び順は揃っています。ただし指摘の半分は DPA-SL07BK に寄っているので、メーカー表記の小ささが原因だと決めるには足りません。 しかもその DPA-SL07BK の「下方向に思ったほど下がらない」は、画面の角度ではなくアームの高さの話とも読めます。高さの側も、仕様欄にある約555mmは本体の外形寸法で、上下に動く幅は書かれていません。上下に見える数字を何の量かで仕分けた記事では、この指摘を角度と高さのどちらにも数えていません。

「下を向く」には2種類あります。 下に向けられるか(角度の話)と、勝手に下を向いてしまうか(保持の話)。後者は4製品で出ていて、5製品の耐荷重を本体重量で割った比較記事で扱いました。同じ「下向き」でも、見る列が違います。

左右の角度も、同じ形で割れている

左右の首振りは、ラベルが3通りです。「左右」(サンワダイレクトの2製品)、「パン」(LX・DPA-SL07BK)、「スイベル」(Amazonベーシック)。値は、100-LA018 が左右180度、LX がパン180度、DPA-SL07BK が左90度/右90度、Amazonベーシックが左右±90度、100-LAC002W が左右±45度。合計に直すと4製品が180度で揃い、100-LAC002W だけがその半分の90度になります。

ただし、これは**「±が付いていない数字は合計だ」と読み方を1つ選んだ結果**でしかありません。100-LA018 の「左右180度」は片側180度とも読めます。同じサンワダイレクトの 100-LAC002W が±を付けているので、社内でも表記が揃っていない。語が違うだけなのか測り方が違うのかは、公表資料からは決められません。

では、何を見ればいいのか

角度の数字を横に並べて比べられないなら、代わりに見る材料が要ります。

1. 上下が別々に書いてあるか

「上◯度/下◯度」の形なら、そのまま自分の用途に当てられます。5製品では3製品が別々に書いていました。合計1値なら、内訳は公表されていないと考えたほうが安全です。

2. ±が付いているか

±45度は片側45度で合計90度。±の無い105度や180度は合計とみられますが、そう書いてある資料はありません。±の有無で、同じ数字が2倍違う意味になります。

3. 「最大傾斜角度」の欄で製品どうしを比べない

合計を入れている製品と、下向きだけを入れている製品が混ざります。この欄は同じ製品の中でしか使えません。

4. 角度の前に、机に付くかを確かめる

チルト角は候補を絞る最後の条件です。その手前に、対応天板厚と天板裏の空きという条件があります。 既存の配線口を使うグロメット固定なら、条件がもう1つ増えます。穴の径を公表しているのは5製品で3製品で、3製品の穴径の帯を重ね合わせた記事では、共通で成立するのが直径8.5〜20mmだけでした。内訳を公表しているのが3製品という、角度側と同じ数え方になります。

買う前と、付けたあとにやること

順番にやってください。

  1. 見下ろすのか、見上げるのかを決める — 画面の中心が目線より上に来るか下に来るかで変わります
  2. 商品ページのチルト表記が「上◯度/下◯度」の形かを確かめる — 合計1値なら、その内訳は公表されていません
  3. 「最大傾斜角度」の数字を、製品間で比べない — 合計と下向きだけが同じ欄に混ざっています
  4. 角度より先に、自分の机に付くかを確かめる — 天板厚と、天板裏の空き。5製品の対応天板厚を並べ直した記事にまとめてあります
  5. モニターを付けてから、チルトの固さを見る — 上向きは軽いのに下向きは重い、という指摘が出ています。空荷での操作感とは別物です
  6. 目線の高さの側は、机の高さで決まる — 昇降デスクの高さを天板の上面と下面に揃え直した記事と同じで、高さの公表値にも「どの面の高さか」が書かれていないことがあります。角度に0度の基準が無いのと同じ形の欠落です

まとめ

チルト角は、合計で書かれているかぎり比較に使えません。2.5倍差の中に、下向きの18倍差が隠れています。

見るのは合計ではなく、上向きと下向きのどちらが何度あるか。書かれていない製品では、書かれていないという事実のほうを持っておく。今回の5製品では、1製品がそこに当たりました。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

モニターアームの比較を見る →

読み終えたあとに

  • 角度の列では5製品を横に並べられないと分かったあと、では何の列で候補を絞るのか——そもそも自分の机に付くのか、載せたモニターを保持できるのか——のところで止まることがあります。

    対応天板厚で並べた5製品の比較記事

    角度は向きを変えるだけで順位が入れ替わりましたが、対応天板厚と耐荷重なら、同じ5製品を横に並べられます。

    クランプ時とグロメット時で変わる対応天板厚を、5製品ぶん並べ直しています。

  • 見下ろす角度になるかは画面と目線の関係で決まるので、昇降デスクを使っている場合は、机の高さの公表値がどの面までの数字なのかが次に引っかかることがあります。

    昇降デスクの高さを同じ面に揃え直した記事

    角度に0度の基準が無いのと同じで、机の高さにも、その値がどの面までのものかが書かれていないことがあります。

    昇降範囲の下限から天板厚を引いて、同じ面に揃え直した結果をまとめています。

角度も目線の高さも、机や製品を1台に決める前に、いまの姿勢を測るところから確かめられます。ここで決めきらなくても構いません。

この記事をシェア

運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。