HOW TO CHOOSE
シュレッダーシュレッダーの「一度に何枚」|64g/m²のA4が前提。折った紙の換算を書いた社は7つに2つ
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
シュレッダー7製品の細断枚数が前提にしている紙を、メーカー公表資料から並べ直した。手元の紙が仕様表の紙と違うと気づいた人に向けて、坪量64g/m²は全社一致なのに書き方が9通りに割れること、A3を折って入れるときの換算を書いた社が2つしかないことを示した。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
確定申告の控えはA3で刷られている。二つ折りのダイレクトメール。年賀状。厚みのある封筒。捨てたい紙をまとめてみると、コピー用紙だけということはまずありません。
一方、仕様表の「一度に何枚」の欄には3枚とか10枚とか書いてあります。この枚数は、A4のコピー用紙を平らなまま重ねたときの数字です。 しかも紙の重さまで決まっている。
7製品の公表資料を書き出すと、坪量の値は例外なく 64g/m² でした。 7社の数字がここまで揃った項目は、このカテゴリでほかにありません。割れているのは値ではなく、その64をどう書くか、どこに書くか、そして前提から外れた紙をどう扱うかのほうです。
対象は7製品の2026年9月時点のメーカー公表値です。実機は持っていないので、書けるのは公表資料どうしの突き合わせで分かることと、購入者の書き込みに現れた指摘だけです。
値は揃っているのに、書き方が9通りある
| 製品 | 坪量がどこに書いてあるか | 表記 |
|---|---|---|
| アイリスオーヤマ P5GCX2 | 仕様表 | A4コピー用紙(上質紙64g/m2) |
| オーム電機 SHR-MX302 | 仕様表 | A4コピー用紙(64g/m2) |
| アイリスオーヤマ P4GM-45 | 仕様表 | A4コピー用紙(64g/m²) |
| アイリスオーヤマ P4GM-45 | 取扱説明書 | A4 コピー用紙(上質紙 64g/㎡) |
| サンワダイレクト 400-PSD063W | 仕様表 | A4コピー用紙64g/平方メートルが目安です |
| アイリスオーヤマ AFSB60C | 仕様表 | A4コピー用紙(上質紙64g/m²) |
| アコ・ブランズ GBC A3312M | 仕様表になし。カタログ脚注と取扱説明書 | 64g/㎡・A4コピー用紙 |
| フェローズ LX85 | 仕様表になし。取扱説明書だけ | コピー用紙 64g/m2 |
| フェローズ LX85(総代理店コクヨ) | 商品仕様 | A4コピー用紙(坪量そのものが無い) |
単位の綴りだけで4通りあります。 m2 / m² / ㎡ / 平方メートル。オーム SHR-MX302 のスラッシュは全角で、同じ商品ページの測定条件の行では半角に戻ります。「上質紙」を添えるのは3つ、「目安です」は1つ。
そして坪量そのものが落ちている資料が1つあります。 フェローズ LX85 の総代理店であるコクヨの商品仕様は、最大細断枚数の行を「(A4コピー用紙)12枚」と書いて g/m² を持ちません。同じ製品の同じ12枚が、総代理店のページでは何の紙の話なのか分からない。 フェローズ側でも坪量があるのは取扱説明書だけです。
7製品を比較した記事の基準1は、連続で動かせる時間の欄の名前が9通りあることでした。同じ形が、値の揃っている項目でも起きています。 ただし向きが逆です。あちらは同じ製品の中で名前だけが割れ、値は資料をまたいでも動かなかった。こちらは値が7社で揃っていて、割れるのは単位の綴りと書いてある場所です。数がどちらも9なのは偶然で、数えているものは別です。
A3を折って入れると、枚数はいくつになるのか
投入幅は7製品とも220mmか230mmです。A3の紙はそのままでは入りません。折ることになります。
折ったときの換算を書いていたのは2社でした。
- アコ・ブランズ GBC A3312M(取扱説明書)— 投入口に入らない紙を2つ折りにするときは1枚までとし、その1枚は2枚換算になる
- サンワダイレクト 400-PSD063W(取扱説明書)— 規定枚数を超えないように。2つ折り1枚は2枚
フェローズ LX85 は、投入口より広い紙を折りたたむと厚みが増すぶん枚数が減る、と取扱説明書に書いています。減るとは書きますが、いくつ減るのかは書いていません。 残る4製品(アイリス P5GCX2・オーム SHR-MX302・アイリス P4GM-45・アイリス AFSB60C)には、折った紙についての記載そのものがありません。
この「2枚換算」を、各社の定格細断枚数に当ててみます。
| 製品 | 定格細断枚数 | 2枚換算で入る折った紙 |
|---|---|---|
| フェローズ LX85 | 10枚 | 5枚 |
| アイリスオーヤマ AFSB60C | 6枚 | 3枚 |
| アイリスオーヤマ P5GCX2 | 5枚 | 2枚(1枚あまる) |
| アコ・ブランズ GBC A3312M | 5枚 | 2枚(1枚あまる) |
| アイリスオーヤマ P4GM-45 | 3枚 | 1枚(1枚あまる) |
| サンワダイレクト 400-PSD063W | 3枚 | 1枚(1枚あまる) |
| オーム電機 SHR-MX302 | 記載なし(最大3枚のみ) | 起点が作れない |
1枚から5枚まで割れます。 あまりの1枚には、平らなコピー用紙を足せる計算になります。
オーム SHR-MX302 だけは計算が立ちません。最大細断枚数の欄しか持たず、定格細断枚数の欄がない。割る前の数字が公表されていないので、起点が作れません。
同じ「2枚換算」でも、入れられる組み合わせが2社で違う
GBC A3312M の一文は、換算のルールと枚数の上限を同時に書いています。 2つ折りにするのは1枚まで。そのうえで、その1枚は2枚換算。ところがこの製品の定格細断枚数は5枚です。2枚換算で割れば2枚のはずが、明記されているのは1枚まで。同じ1文の中で、割り算の答えと書かれている上限が別のことを言っています。
サンワ 400-PSD063W のほうは、上限を書いていません。あるのは「2つ折り1枚=2枚」と「規定枚数を超えないように」だけ。定格は3枚なので、折った紙1枚(2枚ぶん)に平らな紙1枚を足して3枚、という読み方ができます。
同じ換算率でも、入れられる紙の組み合わせが2社で変わる。 残る5製品では、上の表そのものが読者側の外挿です。
投入幅の10mmは、入る紙を1つも増やしていない
投入幅は、GBC A3312M だけが230mmで、残る6製品は220mmです。10mm広い。ところが、この10mmで入るようになる紙がありません。A4の短辺は210mmなので、220mmでも230mmでも入ります。 A3の短辺は297mmなので、220mmでも230mmでも入りません。 扱える判型が1つも増えていない。
A3312M の欄の書き方も、そう読める形です。「最大投入幅:A4サイズ対応 ( 230 mm )」。230の前に「A4サイズ対応」と書いてあるので、A4より大きい紙が入るという意味ではありません。
そして折った紙の話は、換算を書いた2社にしかない。投入口に入らない紙を手に持っている読者に、公表資料が何か答えているのは7製品のうち2製品です。
同じ投入幅の欄に、紙とは別のメディア用の幅を書いた製品が2つあります。124mmと123mm。紙の側が220mmと230mmで10mm割れるのに、こちらは1mmしか違いません。 しかも紙でいちばん広く取っている GBC A3312M が、メディアでは狭いほうに回ります。CD・カードについて公表しているのは7製品で3つに、その1mmをどう読むかを書きました。
厚い紙、薄い紙、湿気
| 製品 | 折った紙 | 紙質・湿度 |
|---|---|---|
| アイリスオーヤマ P5GCX2 | 記載なし | 記載なし |
| オーム電機 SHR-MX302 | 記載なし | 紙の質・湿気で細断の状態が変わる(取扱説明書) |
| アイリスオーヤマ P4GM-45 | 記載なし | 環境によって枚数が減る幅を数字で書く(取扱説明書) |
| アコ・ブランズ GBC A3312M | 1枚まで/2枚換算(取扱説明書) | 紙質や湿度等により異なる(取扱説明書) |
| サンワダイレクト 400-PSD063W | 2ツ折/1枚=2枚(取扱説明書) | 紙質や湿度等により異なる(取扱説明書) |
| フェローズ LX85 | 厚みが増すぶん減る。換算は書かない(取扱説明書) | 記載なし |
| アイリスオーヤマ AFSB60C | 記載なし | 記載なし |
減る幅を数字で書いた社は1つだけです。 その中身は比較記事のアイリス P4GM-45 の節に書きました。ほかの3社は「異なる」「変わる」で止まり、2製品は紙質にも湿度にも触れていません。
逆向きの注意はフェローズ LX85 だけでした。薄すぎる紙は、A4のコピー用紙などに挟んで入れる。 枚数を減らすのではなく足して通せという指示です。紙質や湿度に触れた社は4つ、薄すぎる側に触れた社は1つ。紙が前提から外れる方向は2つあるのに、公表は片側に寄っています。
購入者の書き込みは、高い評価の側からも出てくる
アイリス P5GCX2 では、投入幅の制約があるので大きな紙は折ってからでないと入らない、という指摘。サンワ 400-PSD063W では、厚みのある紙で詰まりかけたという報告が出ています。
アイリス P4GM-45 は逆向きです。高く評価している側に、ハガキ大の厚紙を2枚まとめて入れても問題なかったという書き込みがあります。 定格3枚の製品で、公表資料が厚さについて何も約束していない紙が2枚。同じ製品の低い評価の側には、特殊な紙質では詰まるかもしれないという指摘もあります。
どれも数が少なく、製品をまたいで繰り返し現れる指摘としては扱えません。 言えるのは、手元の紙が仕様表の紙ではないという同じ形の困りごとが、満足している人の側からも出てくる、というところまでです。
GBC A3312M とオーム SHR-MX302 は書き込みが少ないので、この節には入れていません。
では、何を見ればいいのか
1. 定格細断枚数の欄があるか
折った紙の枚数を出す起点になります。最大細断枚数しか書いていない製品では、割る数字そのものがありません。
2. 取扱説明書に「2つ折り」の記述があるか
商品ページには1社も書いていません。あるのは取扱説明書で、しかも2社だけです。
3. 紙質・湿度の注記があるか
「異なる」とだけ書く社、減る幅を数字で書く社、何も書かない社に分かれます。何も書いていないことは、変わらないという意味ではありません。同じ注意は音の欄でも要ります。運転音の欄が7製品でどこまで埋まっているかを見ると4製品には行そのものが無く、そのうち2製品には、メーカーがその型番について公表していない数値が評判として付いていました。
4. 投入幅は、折るかどうかを決める数字として読む
220mmと230mmの差では扱える判型が変わりません。
次にやること
- 捨てたい紙を、投入口に入るものと入らないものに分ける。 短辺が220mmを超える紙は折ることになります
- 入らない紙が多いなら、定格細断枚数の大きい製品を見る。 2枚換算だと、書いてある枚数の半分しか入りません
- 取扱説明書のPDFを開いて「折」で探す。 換算があるのは7製品で2つ。無い製品では、減る量を自分で見積もることになります
- 枚数が1つしか書かれていない製品では、その1つが何かを先に確かめる。 最大細断枚数が10回のうち1回は失敗してよい条件で測った数字であることは、定義を書いた2社の文言から読めます
- 厚紙とハガキは1枚から試し、レシートは単独で入れない。 厚さについて枚数を約束している社は7製品に1つもなく、薄い紙をそのまま入れてよいと書いている社もありません。噛んだあとの公表はもっと薄く、紙を噛んだときに触れているのは7製品で3つ、刃を逆に回す仕組みの名前を公表しているのは1製品だけでした(止まる理由は4通りある)
仕様表の「一度に何枚」は、紙の側の前提とセットになっています。その前提は7社とも 64g/m² のA4で、そこは揃っていました。 揃っていないのは、前提から外れた紙の扱いのほうです。折ったら何枚になるかを書いているのは2社で、うち1社は自分の書いた換算と合わない上限を同じ文に置いている。
買う前に手元の数字を確かめておく、という順序そのものはデスク天板の厚みの測り方と同じです。ただしシュレッダーでは、確かめる相手が机ではなく、これから捨てる紙の束のほうです。