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モバイルバッテリー

モバイルバッテリーの充電時間|約90分と約6時間を入力Wで割ると2製品が77%で並ぶ

mono-buzz 編集部

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この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

モバイルバッテリー4製品の公表された満充電時間を、Whと公表の入力Wで割り直した。手持ちの充電器で公表どおりになるのか買う前に知りたい人に向けて、2製品が平均入力の77.0%で並ぶことと、条件が書かれていない製品では速いか遅いかを判定できないことを示した。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

4製品の公表満充電時間からWhを割って出した平均入力Wを、公表の入力Wに対する到達率として並べた図。CIOの51.6W÷67Wとオウルテックの23.1W÷30Wがどちらも77.0%に着き、エレコムは6.2W÷15Wで41.1%(Micro-Bの10Wなら61.7%)、Ankerは充電時間もWhも記載がなく計算そのものができない
目次

充電器に挿して寝たのに、朝になっても満タンになっていない。商品ページには「約90分」と書いてあった。あるいは逆に、買う前の段階で「約6時間」という数字を見て、それが遅いのか普通なのかが決められない。

公表されている満充電時間は、何かの充電器を前提にした数字です。 その前提が書いてある製品と、書いていない製品があります。書かれていなければ、手元の充電器で同じ時間になるかを買う前に確かめられません。

この記事で見るのは1つだけです。公表の満充電時間と、公表の入力Wと、公表の Wh は、互いに辻褄が合っているのか。 2026年9月時点のメーカー公表値と、その公表値どうしの割り算だけで進めます。

条件の書き方が4段に割れている

まず、4製品が何を書いているかを並べます。

製品公表の満充電時間公表の入力条件がどこに書いてあるか
Anker A1388記載なし最大20W(USB-C のみ)数字も条件も無い
CIO SMARTCOBY TRIO 67W SS約90分最大67W仕様表は「使用環境により異なる」まで。67W以上という条件は製品特徴の側
エレコム DE-C66-10000WH約6時間USB Type-C 15W / USB Micro-B 10W仕様表は「製品本体のみを充電した場合の目安」まで。ポートの指定は特長欄
オウルテック OEC-LPB10024-BK約1時間40分最大PD30W欄の中に「PD30W充電時」と入っている

同じ「充電時間」の欄なのに、条件がどこにあるかで4段に分かれます。 オウルテックだけが欄の中で条件を言い切り、CIO は仕様表と製品特徴を両方読まないと67Wにたどり着かない。エレコムは入力が2系統あるのに、注記はどちらのポートかを書いていません。Anker はそもそも数字がない。

Wh ÷ 時間を、公表の入力Wで割る

条件の書き方が揃っていないなら、公表されている数字どうしを突き合わせるしかありません。Wh を満充電時間で割れば、その時間で入れるために平均何W入っている計算になるかが出ます。 それを公表の入力Wで割ると、最大入力に対してどのくらいの割合かが出る。

製品Wh ÷ 満充電時間 = 平均入力公表の入力平均が入力に占める割合
CIO SMARTCOBY TRIO 67W SS77.4Wh ÷ 1.5時間 = 51.6W67W77.0%
オウルテック OEC-LPB10024-BK38.5Wh ÷ 1.67時間 = 23.1W30W77.0%
エレコム DE-C66-10000WH37.0Wh ÷ 6.0時間 = 6.2W15W41.1%(Micro-B の10Wなら61.7%)
Anker A1388Wh も満充電時間も記載なし20W計算できない

メーカーも容量も出力も違う2製品が、そろって77.0%に着きます。 77.4Wh と 38.5Wh、67W と 30W。どこも揃っていないのに、割ると同じ数字になる。片方は「約90分」、片方は「約1時間40分」と、書き方すら違います。

充電の終盤で電流を絞る設計は一般的なので、平均が最大入力を下回ること自体は不思議ではありません。ただし、下回り方まで揃う理由はここからは分かりません。 言えるのは、2製品では同じところに着いたというところまでです。

4製品を並べた比較記事では、この割り算をエレコム1製品ぶんだけ出して、平均6.2Wと入力15Wに2倍以上の開きがある、と書いて止めました。4製品を横に並べると、開いているのがエレコムだけだったことが見えます。

エレコムだけが半分近い。しかも41%か61%かも決められない

エレコムの41.1%は他の2製品のほぼ半分ですが、この数字を単独で出すのは不当です。入力が USB Type-C 15W と USB Micro-B 10W の2系統あるので、10W のほうを分母に取れば61.7%になります。

どちらの数字なのかは、仕様表からは決められません。仕様表の注記は「※製品本体のみを充電した場合の目安です」まで。「USB Type-C ポートから」という条件は、製品の特長欄にしか書かれていない。 特長欄まで読めば Type-C 側だと分かるので、その場合は41.1%になります。仕様表だけを読んだ人は、41%なのか61%なのかを選べません。

逆向きにも合いません。上の2製品から借りた77.0%をエレコムに当てはめると、Type-C の15Wで約3時間10分、Micro-B の10Wでも約4時間50分です。どちらも公表の約6時間には届きません。 他の2製品と同じ読み方をすると、説明が付かない数字が残ります。

対照が1つあります。前モデル DE-C38-10000WH の仕様表は、同じ 37.0Wh・入力は USB Type-C の1系統(5V × 3A)で「約5時間」でした。 入力が2系統に増えた DE-C66 で「約6時間」。同じ容量で1時間伸びていますが、その理由は公表されている情報からは決められません。

ここで言えるのは、遅いということではありません。条件が書かれていないので、速いか遅いかを買う前に判定できない、ということです。

1Wh を入れるのにかかる分数で並べ直す

満充電時間を Wh で割ると、1Wh を入れるのに何分かかる計算かが出ます。容量あたりに直すと、順番が変わります。

  • CIO SMARTCOBY TRIO 67W SS — 90分 ÷ 77.4Wh = 1.16分/Wh
  • オウルテック OEC-LPB10024-BK — 100分 ÷ 38.5Wh = 2.60分/Wh
  • エレコム DE-C66-10000WH — 360分 ÷ 37.0Wh = 9.73分/Wh
  • Anker A1388 — Wh も満充電時間も記載がないので計算できない

容量が2倍あるCIOのほうが、1Whあたりでは8分の1以下の時間で入ります。「容量が大きいから本体の充電に時間がかかる」という読み方は、この4製品では成り立っていません。効いているのは容量ではなく、受け入れられる入力Wのほうです。

手持ちの充電器だと何時間になるのか(推計)

手元の充電器が公表の入力Wに届かないなら、時間は伸びます。上の77.0%を係数として借りて逆算すると、こうなります。

手持ちの充電器CIO(77.4Wh)オウルテック(38.5Wh)
67W約1時間30分(公表値)—
30W約3時間20分約1時間40分(公表値)
20W約5時間約2時間30分
12W約8時間20分約4時間10分

この表は公表値ではありません。 2製品から借りた係数を当てた推計で、小さい充電器ではPDの高い電圧に切り替わらないこともあるため、下の行ほど外れやすくなります。それでも、67W対応の製品に20Wの充電器を挿すと公表の約90分では終わらないという向きは読み取れます。CIO が製品特徴に書いている67W以上の充電器は、付属しません。

エレコムは事情が違います。入力の上限が15Wなので、大きい充電器を挿しても頭打ちになります。 30Wの充電器を用意しても、約6時間より速くなる根拠は公表値の側にありません。

Anker はこの表に入れられません。時間だけでなく Wh も基準電圧も公表されていないので、分子から作ることになります。仮に3.7Vを置けば37.0Wh前後ですが、それは同じ1台にある2つのWhの見分け方で見たとおり、置く電圧で動く数字です。推計に推計を重ねるので、ここでは出しません。

購入者レビューは、この2製品で横断している

本体の充電が遅いという指摘は、Anker とエレコムの2製品にまたがって挙がっています。 エレコムでは6時間かかるという内容と、最初は不良品を疑うほど時間がかかったという内容。Anker では本体の充電が進まない、長時間つないでもほとんど増えなかったという内容です。

Anker 側の報告には条件が付いているものがあります。 付属ケーブルを使った場合、PDに対応していない充電器を使った場合、という書かれ方です。公表された目安が無い製品では、その報告が条件によるものなのか仕様なのかを、読者が切り分けられません。

逆に CIO では、本体も約90分で満充電になったという趣旨の声が高評価側に出ています。条件が書いてある製品では、公表どおりだったという報告のほうが出やすいとみられます。いずれも購入者の報告であって、この記事で測ったものではありません。

では、何を見ればいいのか

満充電時間の数字そのものより、その周りに何が書いてあるかを見ることになります。

1. 時間の欄に、充電器の条件が入っているか

「PD30W充電時」のように欄の中に条件があれば、必要なものがその場で分かります。条件が製品特徴の側にしかない製品では、仕様表だけ見て買うと前提を読み落とします。

2. 入力が何系統あるか

入力ポートが2つあると、公表の時間がどちらのものかで意味が変わります。4製品で2系統あるのはエレコムだけで、そこだけ割合が2通りに割れました。この2系統は出力側にも効きます。Micro-B は入力専用なので、そちらから充電すれば出力ポートが1つも塞がらないと読めます。代わりに入力の上限が 15W から 10W へ、66.7% に下がります。

3. Wh ÷ 時間 を自分で出して、入力Wと比べる

両方が公表されていれば、この記事の割り算はそのままできます。平均が入力Wの8割前後に収まっていれば、その時間は最大入力での数字だと読めます。 半分を切っていたら、別の条件の数字である可能性を疑う材料になります。

4. 付属ケーブルの対応電流が書いてあるか

オウルテックは付属品の欄に「最大3A充電対応」と書いています。CIO の付属品欄は「取扱説明書、CtoCケーブル」だけです。入力の上限は20V×3.35Aで3Aを超えますが、付属ケーブルがその条件を満たすのかは公表値からは確かめられません。

買う前と、挿す前にやること

  1. 手持ちの充電器のW数を先に確認する — 公表の時間は、その製品の入力Wを満たす充電器が前提です。20Wの充電器しか無いなら、67W対応の製品を選んでも公表の時間にはなりません
  2. 時間の条件がどこに書いてあるかを見る — 仕様表・製品特徴・注記のどこにあるかで読み落としやすさが変わります。今回は4段に分かれました
  3. 入力が2系統ある製品では、どちらのポートの数字かを探す — 見つからなければ、その時間は2通りに読めるものとして扱う
  4. 公表の時間が無い製品を、時間で比べない — 入力Wだけで速さを判断すると、その W で入り続ける前提を勝手に置くことになります
  5. どの製品がどこまで書いているかを先に見る — 容量の書き方から出力の条件まで、公表の深さは製品ごとに違います。4製品の公表値を段で並べた比較記事に、mAh の1行だけの製品から定格出力容量まで書く製品までを並べてあります

まとめ

公表の満充電時間を Wh と入力Wで挟むと、CIO とオウルテックがそろって77.0%に着きました。 容量も出力もメーカーも違うのに、割った結果だけが揃う。

エレコムだけが41.1%で、入力が2系統あるために41%なのか61%なのかも決められません。 Anker は Wh も時間も無いので、この列に1行も入れませんでした。

時間が短いか長いかより、その時間がどの充電器の話なのか。 4製品を並べて効いたのはそこでした。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

モバイルバッテリーの比較を見る →

読み終えたあとに

  • 本体に入れる側の時間は見当が付いても、そこから1台に決める段では、その製品が何回ぶん取り出せるのか、2台つないだときに何Wまで落ちるのかが残ることがあります。

    5Vで取り出せる量で選ぶ比較記事

    同じ4製品を容量欄の書き方で並べ直すと、5Vで何mAh取り出せるかにたどり着けるのは2製品だけでした。

    取り出せる量とポートの条件を、同じ4製品で並べています。

  • 手元の1台が、この記事の充電時間の列に1行も入らない製品だった場合、まずWhをどこから出すかが先に来ます。

    機内持ち込み前のWhの出し方

    掛ける電圧は4製品の公表値だけでも3.70V・3.85V・3.87Vに散っていて、10000mAhなら36.0〜38.5Whの幅になります。

    Whが書かれていない1台で、どこまで幅つきに絞れるかを並べています。

どちらも、手持ちの充電器と商品ページだけで確かめられる範囲の話です。この時点で1台に絞らなくても構いません。

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運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。