HOW TO CHOOSE

衣類乾燥除湿機

除湿機の運転音|代表値と最も静かなモードで、7製品の順位が入れ替わる

mono-buzz 編集部

この記事をシェア

この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

衣類乾燥除湿機7製品の運転音を、メーカー公表のモード別dBで並べ直した。夜も回したい人に向けて、1台の中の振れ幅が12dBと4dBに分かれること、代表値と最静モードで順位が入れ替わること、2製品はdBが公表されていないことを示した。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

7製品の運転音を、各社が最初に出す代表値と最も静かなモードの2点で結んだ横棒の図。CV-T71 は40から36dBで振れ幅4dB、CV-TH150 と F-YEX120B は49から37dBで12dB、F-YZX60B は48から38dBで10dB。代表値では2番目に静かな F-YZX60B が、最静モードでは4番目に落ちる。IJDC-K80 は除湿弱の32dBだけ、IJH-L160 と CD-P63A3 は dB が記載なしで棒そのものが引けない
目次

夜のうちに部屋干しの洗濯物を乾かしておきたい。ただ、寝室の隣で回して眠れるのかが分からない。除湿機を選ぶとき、ここで止まる人は多いと思います。

仕様表の運転音の行には49dBと書いてある。別の製品には40dBとある。40dBのほうが静かだと読むのはごく自然です。ただ、その49dBと40dBは、同じ運転モードで測った音ではありません。 どちらも各社が最初に出している値で、その製品はもっと静かなモードの値を別に公表しています。

7製品の除湿方式と基準室温を並べ直した比較記事では、各社が先に出す代表値ではなく最も静かなモードの値で比べる、というところまで書きました。その2つの並べ方で順位がどう変わるのか、1台の中で何dB下がるのかは、そこでは出していません。

この記事はそこだけを掘ります。使うのは2026年9月時点のメーカー公表値です。

モード別に dB を公表しているのは、7製品中4製品

運転モードごとの dB を並べているのは、シャープ2点とパナソニック2点だけです。衣類乾燥と除湿の各モードに絞り、60Hz の値をとりました。

製品いちばん大きい値いちばん小さい値1台の中の振れ幅
シャープ CV-TH15049dB(衣類乾燥 速乾・標準/除湿 標準)37dB(音控えめ)12dB
パナソニック F-YEX120B49dB(衣類乾燥 速乾・標準/除湿 強)37dB(除湿 弱)12dB
パナソニック F-YZX60B48dB(衣類乾燥 仕上げ速乾・標準)38dB(音ひかえめ/除湿 自動)10dB
シャープ CV-T7140dB(衣類乾燥 強)36dB(衣類乾燥・除湿 弱)4dB
アイリスオーヤマ IJDC-K80記載なし32dB(除湿 弱・60Hz)出せない
アイリスオーヤマ IJH-L160記載なし記載なし出せない
コロナ CD-P63A3記載なし記載なし出せない

アイリスオーヤマ IJH-L160 は、取扱説明書にも特設ページにも dB が1つもありません。「低騒音」という名前の運転モードを持っているのに、その音の数字が無い。 コロナ CD-P63A3 は公式の製品ページ自体が存在せず、web の仕様表にしか置かれない項目が丸ごと落ちています。この2点は、どう並べ直しても入りません。

モード名の数と、数字が付いたモードの数が別だという形は、他のカテゴリでも出ます。シャワーヘッド3製品の12モードを数え直した記事では、吐水量が付くのは12モードのうち7で、公表された数字を1つも持たないモードが2つありました。名前が並んでいることと、そのモードの数字が公表されていることは別々に数える必要があります。

振れ幅を出すと、順位が入れ替わる

数字がそろっている4製品を、2つの並べ方で書き出します。

順位各社が最初に出す値最も静かなモード
1シャープ CV-T71 40dBシャープ CV-T71 36dB
2パナソニック F-YZX60B 48dBシャープ CV-TH150 37dB
3シャープ CV-TH150 49dBパナソニック F-YEX120B 37dB
4パナソニック F-YEX120B 49dBパナソニック F-YZX60B 38dB

代表値では2番目に静かだった F-YZX60B が、最も静かなモードでは4番目に落ちます。 代表値で下の2つだった CV-TH150 と F-YEX120B が、入れ替わりに2位と3位へ上がる。振れ幅の12dBと10dBの差で追い越すからです。

CV-T71 は両方で1位ですが、中身が違います。代表値では2位に8dBの差をつけているのに、最も静かなモードでは1dBの差しかない。下げしろが4dBしか無いためです。

空気清浄機の国内3社では、逆の形になっていました。最大から最も静かな段までの幅は31〜36dBとそろい、割れているのは途中の段です(最大から真ん中の段まで −22dB・−17dB・−6dB。真ん中の段を同じ社の風量で読み直した記事)。下げしろが同じでも、段の置き場所で「ふだんの音」は変わります。

つまり、もともと静かな機械と、静かなモードを持つ機械は別のものということです。日中もつけっぱなしにするのか、夜のあいだだけ静かに回したいのかで、見るべき列が変わります。

「最も静かなモード」は、運転の種類を決めないと決まらない

上の2つの表は衣類乾燥と除湿に絞ってあります。絞らないと、最も静かなモードが決まらないからです。

製品衣類乾燥の最小除湿の最小
シャープ CV-TH15037dB(音控えめ)37dB(音控えめ)
シャープ CV-T7136dB(弱)36dB(弱)
パナソニック F-YZX60B39/38dB(音ひかえめ)39/38dB(自動)
パナソニック F-YEX120B41/42dB(音ひかえめ)37dB(弱)
アイリスオーヤマ IJDC-K80記載なし32dB(弱・60Hz)

パナソニック2点の2値は 50Hz/60Hz です。ここでF-YEX120B だけ、2つの列が5dB離れます。 この製品の37dBは除湿「弱」の値で、洗濯物を乾かしながら出せる最小は音ひかえめの41/42dB。部屋干しの目的で読むなら、さきほどの順位表の3位は42dBの製品になり、4位の F-YZX60B(38dB)とここでも入れ替わります。

アイリスオーヤマ IJDC-K80 の32dBも同じです。条件は除湿「弱」・60Hz で、衣類乾燥中の dB は公表されていません。 最も静かな値だけを集めた表に置けば数字の上では最小ですが、他の4点の衣類乾燥の値と同じ列には並べられない。

ヘアドライヤーの消費電力でも同じことが起きています。テスコムの2機種はどちらも TURBO の1300W から2つ目の値を書いていますが、2つ目の段が TD570A は中段(DRY・1275W)、TID2400B は弱段(SET・620W)。1.9%減と52.3%減という見え方の差は、機種の差ではなく、段を1つ落とすか2つ落とすかの差でした。

そしてシャープの2点は、衣類消臭という第3の運転にさらに小さい値を持っています。CV-TH150 は音控えめ34dB、CV-T71 は弱27dB。運転の種類を問わずに「最も静かなモード」を取ると、振れ幅は CV-TH150 が53→34dBで19dB、CV-T71 が40→27dBで13dBになり、12dBと4dBという並びも消えます。 ただしこれは洗濯物を乾かす運転でも除湿を主目的にした運転でもなく、消費電力も45Wと18/21Wで桁が違う。この記事の表からは外してあります。

周波数では、音の向きだけがそろわない

dB が50Hzと60Hzで変わるのは、4製品の中でパナソニックの2点だけです。しかも向きが逆になります。F-YEX120B の音ひかえめは41→42dBで60Hzのほうが大きく、F-YZX60B の音ひかえめは39→38dBで60Hzのほうが小さい。シャープの2点はどのモードも同じ値です。

定格除湿能力のほうは、周波数を分けている6製品すべてで60Hzのほうが大きい値でした。能力は一方向にそろっているのに、音はそろっていない。

静かなモードにすると、乾き終わるまでが延びる

モードごとの dB と乾燥時間を両方公表しているのは、パナソニックの2点だけです。

  • F-YEX120B — 速乾49dB・90分に対して、音ひかえめ42dB・120分。7dB下げると30分延びる
  • F-YZX60B — 仕上げ速乾48dB・108分に対して、音ひかえめ38dB・190分。10dB下げると82分延びる

同じ10dB前後の話でも、延びかたは30分と82分で違います。しかも F-YZX60B は「標準」も48dBで、こちらは178分。同じ48dBに108分と178分の2つがあるので、dBの行から時間を推し量ることはできません。

延びた時間は電力量になって戻ってきます。運転モード別に乾燥1回の電力量を並べた記事では、モード別の値を公表している3製品とも、いちばん静かなモードが最大でした。

購入者レビューは、公表の dB の順に並んでいない

運転音への指摘は、7製品すべての低評価に現れます。カテゴリ全体の性質と言っていい。ただ、その出かたが公表値の順位と対応していません。

最も静かな値が小さい側の2製品にも、静音側のモードを名指しした指摘があります。CV-T71(36dB)には弱モードでも音が気になるという報告があり、F-YEX120B(37dB)にも弱運転にしても大きいという報告がある。 4製品では、どちらも小さいほうの2つです。

モードで評価が割れる製品もあります。IJDC-K80 には、弱モードなら比較的静かという評価と、強モードの音が大きいという評価が並ぶ。これは公表値と食い違いません。 除湿「弱」の32dBしか公表していないので、強モードの音は数字が無い。

dB を1つも公表していない2製品では、読者が確かめる手段がありません。IJH-L160 には低騒音モードが使えるという評価と、最も強いモードでは夜に使いにくいという評価が並びます。CD-P63A3 では購入者が具体的な dB を挙げた投稿もありますが、同じ数字が「就寝時でも気にならない」側と「大きめ」側の両方で引かれている。 その数字は公式資料に見当たらないので、ここでも記載なしとして扱いました。

では、何を見ればいいのか

1. その dB がどの運転モードの値か。 先頭の数字は、たいてい最も速いモードです。シャープは1行の中にモードごとの値を並べ、パナソニックは取扱説明書にモード別の表を持っています。

2. 静かなモードの値があり、それが衣類乾燥中の音かどうか。 4製品にはあり、IJDC-K80 は除湿「弱」だけ、残る2製品はありません。夜に部屋干しをするなら、除湿「弱」の数字は自分の使い方の値になりません。同じ「条件付きの dB」でも、シュレッダー7製品の運転音では条件の添えられた値が2か所だけで、どちらも紙を入れていない「空転時」——細断しているときの音を公表した社は1つもありません。

3. 測定位置。 本体前方1mか、前後左右1mの平均か。書いてある場所(仕様表か取扱説明書か)も違います。

4. 静かなモードでの乾燥時間。 朝までに乾く量かどうかは、そちらで決まります。

買う前にやること

  1. 夜に回すのが衣類乾燥なのか除湿なのかを決める — 同じ製品でも、最も静かな値が5dB変わることがあります(F-YEX120B)
  2. その運転の中で、自分が使うモードの行を読む — 表の先頭の数字ではなく、そのモードの行が自分の値です
  3. 同じモードの乾燥時間も並べて見る — 静かにするほど延びるので、朝までに乾く量かどうかはここで決まります
  4. 測定位置を確かめてから、dB を横に並べる — 7製品の公表値を測定条件ごと並べ直した比較記事に、どの社が何をどこに書いているかをまとめてあります
  5. 音を最優先にするなら、数字が無い2製品は候補から外す — IJH-L160 と CD-P63A3 は、どのモードの dB も公表していません

運転音の行は1つの数字に見えて、実際には製品ごとに違う運転の音です。先に自分が回すモードを決めてから、その行だけを横に並べる。 順位はそれで変わります。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

衣類乾燥除湿機の比較を見る →

読み終えたあとに

  • 自分が夜に回すモードの行を読む、というところまでは決まっても、音以外の列——除湿方式や、その除湿能力を測った室温、タンク容量——をどう読むかで止まり、7製品のどれにするかまでは決めきれないことがあります。

    除湿方式と基準室温を並べ直した比較記事

    運転音は7製品を分ける軸の1つで、測定位置が3つに割れていることや、能力がどの室温で測られた値かという軸は、同じ7製品を公表値で並べ直した記事のほうにあります。

    同じ「L/日」の列に27℃基準と20℃基準が混じっていることを、7製品ぶん並べています。

  • 静かなモードにすると乾燥時間が延びることは分かっても、その120分や190分が自分の洗濯物の量や部屋の広さでも当てはまる分数なのかは、dBの表からは出てきません。

    衣類乾燥時間の試験条件を数え直した記事

    公表されている分数には洗濯物2kg・6畳・室温20℃・60Hzという前提が付いていて、その前提が表の中に書かれていない製品のほうが多いです。

    2kgが洗濯物18点であることと、試験の6畳がその機械の適用面積の何分の1かを並べています。

夜に回すのが衣類乾燥なのか除湿なのか、どのモードで回すのかは、買う前でも買ったあとでも決め直せます。この時点で1台に絞らなくても構いません。

この記事をシェア

運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。