HOW TO CHOOSE

シャワーヘッド

シャワーヘッドの水流モードを数え直す|3製品で12モード、数字が付くのは何モードか

mono-buzz 編集部

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この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

水流の切替えを持つシャワーヘッド3製品のモードを足すと12になる。モードの多い機種ほど確かめられることも多いはずと考えている人に向けて、吐水量が付くのは12のうち7モード、業界団体の認証欄に名前が出るのは3モードであることを、メーカー公表値だけで数え直した。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

水流の切替えを持つ3製品の12モードを1行ずつ並べ、吐水量・節水率・気泡数・FBIAの品目/モード欄に数字が付いているかを4列の丸で埋めた図。埋まっているのは吐水量7/12、節水率8/12、気泡数7/12、FBIAの欄は3/12で、ミラブルzeroは3モードとも3項目が埋まり、パナソニックはシルクスパモードだけ吐水量と節水率が空き、リファU+は4モードとも吐水量が空で節水率が付くのはミストだけ。タカギとSANEIは水流モードを持たないので分母に入らない
目次

商品ページに並ぶモードの数は、そのまま機能の数に見えます。5つのモード、4段階の切り替え、3つの水流。多いほうが、自分に合う1つを見つけられそうに読めます。

ところが、同じページに大きく出ている「約60%」や「約2,000万個」は、そのモード全部に付いている数字ではありません。どれか1つのモードで測った値だったり、いくつかを合わせた値だったりします。

5製品の節水率を分母から並べ直した比較記事では、この食い違いを製品ごとに3か所へ分けて書きました。モードごとの値を全部出す社、いちばん節水するモードの「最大」を出す社、全モードを合わせた「トータル」を出す社。気泡数を測ったモードも社ごとに違う。ただしそこでは、モードを単位にして数え直していません。

ここでやるのはその1つです。自分がいちばん長く使うモードに、公表された数字は付いているのか。 2026年9月時点のメーカー公表値だけを使います。実機は持っていないので、書けるのは公表された数字どうしの突き合わせと、購入者のレビューに共通して現れた指摘だけです。

数える相手は、切替えを持つ3製品の12モード

先に分母を決めます。5製品のうち、水流モードの切替えを持つのは3点でした。

製品水流モードの数公表されているモード名
サイエンス ミラブルzero3リングストレート/スプラッシュストレート/トルネードミスト
パナソニック EH-SH505プレシャンプー/ヘアケア/ボディケア/ミスト/シルクスパ
MTG リファ U+4ミスト/ポイントジェット/ピュアストレート/ストレート
タカギ シャワピタ切替えなし記載なし(手元のON/OFFが2つ。止水と、バブル発生のairスイッチ)
SANEI レイニーベーシック切替えなし記載なし

3 + 5 + 4 で12。 この先の分母はこの12で、タカギと SANEI はここに入りません。2点とも分母が0になる、という扱いです。

弱いところを先に書いておくと、「モード」の粒度は社ごとに違います。 スライドレバーで水流を切り替えるものと、ボタンで機能をON/OFFするものを同じ1つとして数えてよいのかは、公表資料からは決められません。12は、水流の切替えを名乗る3点だけの合計です。

12マスのうち、埋まっているのはいくつか

そのうえで、各社が公表している数字をモード単位で数えます。

公表の項目12モードのうち数字が付くモード内訳
吐水量(L/min)7ミラブルzero 3/パナソニック 4/リファ U+ 0
節水率(%)8ミラブルzero 3/パナソニック 4/リファ U+ 1
気泡数(個)7ミラブルzero 3/パナソニック 2/リファ U+ 2
FBIA の品目/モード欄3ミラブルzero 1/パナソニック 2/リファ U+ 0

いちばん埋まっている節水率でも、12モード中8です。吐水量と気泡数は7で、半分をわずかに超えるだけ。そして業界団体の認証の欄まで名前が届いているのは、12モードのうち3モードしかありません。

最後の行には、数え方の断りが要ります。ファインバブル産業会の一覧で、品目/モード欄にモード名が書かれているのは、ミラブルzeroのミストと、パナソニックのボディケア(ウルトラファインバブル)・シルクスパ(マイクロバブル)の3つです。リファ U+ は、認証製品名には U+ が入っているのに、品目/モード欄と登録効果欄に書かれているのは前世代 ReFa FINE BUBBLE U のほうでした。ここで数えているのは「U+ の4モードの名前がその欄に出てくるか」であって、認証の有無ではありません。「認証が無い」とは書けません。

3つとも付くモードは、12のうち4しかない

項目ごとではなく、モードごとに見ます。吐水量・節水率・気泡数の3つが同じモードにそろっているのは、次の4つだけでした。

  • ミラブルzero … リングストレート/スプラッシュストレート/トルネードミスト(3モードとも)
  • パナソニック EH-SH50 … ボディケアモード(流量9L/分・節水率約10%・ウルトラファインバブル平均約2,000万個)

12モード中4。そのうち3つは同じ製品です。 気泡数を測ったモードと、流量を書いたモードが一致しないためにこうなります。パナソニックのミストは吐水量4L/分と節水率約60%を持ちますが、気泡数はボディケアとシルクスパでしか測られていない。リファ U+ のミストは節水率と気泡数を持ちますが、吐水量がありません。

逆に、公表された数字を1つも持たないモードも2つあります。 リファ U+ のポイントジェットとピュアストレートです。吐水量も節水率も気泡数も、この2つのモード名では公表されていません。

製品ごとのカバー率にすると、全モードが埋まるのは1点だけ

製品吐水量節水率気泡数
サイエンス ミラブルzero3/33/33/3
パナソニック EH-SH504/54/52/5
MTG リファ U+0/41/42/4

モードの数がいちばん少ない製品が、いちばん埋まっています。 ミラブルzeroは3モードしか持たない代わりに、3モードすべてに吐水量・節水率・気泡数が付く。

リファ U+ は、4モードのうち吐水量が付くモードが1つもありません。 %が付くのもミストだけで、注記は「※1 ミストモード使用時」「※2 ミストモードで止水機能使用時」。止水を併用した※2も同じミストなので、モードとしては1つです。見出しの「最大約49%」「最大約65%」は、4モードのうち1モードの値になります。

パナソニックの4/5は、5つのモードのうちシルクスパだけが吐水量も節水率も持たないためです。ただしシルクスパは気泡数(マイクロバブル 平均約10,222個)とFBIAの欄を持っているので、数字を1つも持たないモードはこの製品にはありません。 種類がそろわないだけです。

なお、パナソニックはモードごとの使用時間の割合まで公表している唯一の社で、その割合を追うとミストモードが洗顔1分ぶんとして数えられていることが読めます。そちらは節水率を検針票の㎥に直した記事で扱いました。

モードを持たない製品にも、状態は2つある

タカギ シャワピタには水流モードの切替えがありません。代わりに、手元のON/OFFが2つあります。**止水と、バブル発生(airスイッチ)**です。

ここで1つ、モードの数え方と同じ形の穴が出ます。公表の節水率 約40% が、バブルON とバブルOFF のどちらの状態の値なのかが書かれていません。 注記は「当社比 比較品:当社製品JS115(2018年販売品)」の1行だけで、水温も水圧も測定方法も添えられていない。状態を切り替えられる製品に、状態の書いていない数字が1つある、という形です。

同じページの気泡の側は逆でした。使用水(イオン交換水)、水温(40±1℃)、吐水流量12.6L/min、その通水前後に測った差であること、計測器名、規格番号(FBIA 3-1-1:2019)、第三者機関で測った日付まで書いてあります。条件を書く社が、%のほうだけ条件を書いていない。

SANEI レイニーベーシックも切替えを持ちませんが、自社の表示制度「シャワインフォ」の注記には「情報はノーマル水流を対象」という断りが付きます。切替えのある機種向けの断りが、切替えのない製品のページにも並んでいるという形です。

同じモードの名前が、同じサイトの中で2通りある

モードを数えていて、いちばん手が止まったのはここでした。

ミラブルzeroの仕様ページの吐出量欄には「マイクロトルネードミスト 4.0L/min(元圧0.15〜0.3MPa)」とあります。ところがトップページの節水率、同じページのFAQ、シリーズ比較表では、同じモードが「トルネードミスト 約60%」と書かれています。肌の水分量の試験条件のほうは、また「マイクロトルネードミスト 4.0L/min」。

比較記事で見たとおり、この製品は吐水量が仕様ページ、節水率がトップページと、数字の置き場所が分かれています。そこに名前の揺れが重なると、同じモードの話だと気づけません。 4.0L/min と 約60% が同じモードのものだと分かって初めて、片方がもう片方の答え合わせになります。

さらにトップページのモード名には愛称(肌つるモード/髪つやモード/歯つるんモード)も付きます。1つのモードを指す文字が、同じサイトの中で何通りか並びます。

購入者は、モード名のほうで話している

レビュー側で目についたのは、指摘がモード名で出てくることでした。

ミストという名前を名指しした指摘は、モードを持つ3製品すべてから出ています。冬に水温が下がって寒い・設定温度を上げることになったという形が2製品、水が広がって当たりが弱く感じるという形が2製品。比較記事では製品ごとの不満としてまとめましたが、モードの側から見ると、1つのモード名に集まっています。

そしてそのミストは、吐水量の公表が製品ごとに違います。ミラブルzeroは4.0L/min、パナソニックは4L/分、リファ U+ は記載なし。同じ「ミストが弱い」という話を読んでも、突き合わせる数字を持っている製品と、持っていない製品があります。

切替えそのものへの指摘は、タカギから複数出ていました。バブルのON/OFFを切り替えても違いが分からない、通常とバブルの使い分けに迷う、という形です。水流モードを持たない製品で、状態の使い分けのほうが迷われている。 上で見た「%がどちらの状態の値か書かれていない」と、同じところを指しています。

逆にリファ U+ の高評価側には、4つの切り替えを使い分けられて便利だという声も出ています。モードの数が使い勝手として効いていることと、そのモードに数字が付いていることは、別の話ということです。

では、何を見ればいいのか

モードの数で選べないなら、代わりに見る欄が要ります。

1. 自分がいちばん長く使うモードに、吐水量が付いているか

12モードで7です。仕様表の行として持つのはミラブルzeroの1点、節水率の試験方法の中に書いているのがパナソニックの1点で、リファ U+ は4モードとも空いています。%が大きいモードほど出る水は少ないので、当たりの強さを左右するのはこの欄です。

2. 見出しの%が、どのモードの値か

「最大」なら1モード、「トータル」なら合計、モード別に並んでいれば全部です。同じ列に並ぶと同じ意味に見えますが、数え方が違います。

3. 気泡数が、どのモードで測られたか

12モードで7です。しかも、流量を書いたモードと気泡を測ったモードが一致するのは12モード中4しかありません。気泡の数字だけを見て選ぶと、自分が長く使うモードとは別のモードの値を見ていることがあります。

4. モード名が、資料の中で1つに揃っているか

同じモードに2通りの名前が付く例が1点ありました。吐水量と節水率が別のページに載っている製品では、名前の揺れがそのまま突き合わせの失敗になります。

5. 切替えが無い製品なら、状態がいくつあるか

ON/OFF も状態です。状態を2つ持つ製品で、公表の%がどちらの状態の値かは書かれていませんでした。

買う前にやること

  1. 自分がシャワーを長く出している場面を3つ書き出す — 髪を流す、体を洗う、顔にあてる。ここが決まらないと、どのモードの数字を見ればいいのかも決まりません
  2. 候補のモード名を、仕様ページと特長ページの両方から書き出す — 同じモードに違う名前が付いていることがあります。数が合わなければ、どちらかのページにしかないモードです
  3. 1で決めた場面に当たるモードに、吐水量が付いているか確かめる — 付いていなければ、当たりの強さを事前に見積もる材料はありません
  4. %の注記を開いて、どのモードの値かを確かめる — 5製品の節水率の分母を並べた比較記事に、各社の注記を書いてある文字のまま並べてあります。「最大」と「トータル」は同じ意味ではありません
  5. 気泡数の測定条件に書かれたモード名を、1で決めた場面と突き合わせる — 別のモードなら、その数字は自分の使い方の話をしていません
  6. モードの数そのものでは決めない — 今回の3点では、モードがいちばん少ない製品がいちばん埋まっていました

まとめ

水流の切替えを持つ3製品のモードを足すと12。そのうち吐水量が付くのは7、節水率が8、気泡数が7で、業界団体の認証の欄まで名前が出るのは3でした。3項目がそろうモードは4つしかなく、その3つは同じ製品に集まっています。

モードが多いほうが確かめられることも多い、とはなっていません。 見るのはモードの数ではなく、自分が長く使う1つのモードに数字が付いているかどうかです。

ヘアドライヤーでも同じ数え方が成り立ちました。風量と風温の段を掛けた60通りのうち、温風温度が公表されているのは6通り。温度の分からない状態は、段の多い製品ほど増えます(2・5・5・11・14・17通り)。選べる状態を増やすほど、数字の付いていない状態も一緒に増えていました。

よくある質問

モードが多い機種を選べば、確かめられることも増えますか

今回の3製品では、そうなっていませんでした。3モードの製品は3モードすべてに吐水量・節水率・気泡数が付き、5モードの製品は4つのモードに吐水量と節水率が付きます。一方、4モードの製品は吐水量がどのモードにも付いていません。

モードの数は、切り替えられる水流の数であって、公表された数字の数ではありません。数え直すと、モードの数がいちばん少ない製品がいちばん埋まっていました。

自分が長く使うモードの吐水量は、どこを見れば分かりますか

仕様表に吐水量の行を持っているのは1点だけで、そこにはモードごとに条件付きの値が並びます。もう1点は、仕様表ではなく節水率の試験方法の中にモード別の流量が書かれています。この2点以外では、モード別の吐水量は公表されていません。

見る場所が仕様表とは限らない、というのがこのカテゴリの面倒なところです。特長ページの本文や、小さい注記の中にあります。

水流モードの切替えが無い製品は、選択肢から外したほうがいいですか

この数え方では分母が0になるだけで、良いとも悪いとも出ません。切替えを持たない2点のうち1点は、代わりに手元のON/OFFを2つ持っています。止水と、バブルの発生です。

ただしその製品では、公表の節水率がバブルONとOFFのどちらの状態の値なのかが書かれていません。測定条件そのものが公表されていないためです。モードが無くても、数字がどの状態のものかという問いは残ります。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

シャワーヘッドの比較を見る →

読み終えたあとに

  • 自分が長く使うモードに数字が付いているかまでは数えられても、その先で5製品の%を横に並べる段になると、社ごとに何と比べた値なのかが違っていて止まることがあります。

    シャワーヘッド5製品の比較

    どのモードの値かが決まったあとに残るのは、その%が何と比べた値かという分母のほうです。

    5製品の%を、何と比べた値かという分母から並べ直しています。

  • 長く使うモードに%が付いていた場合に、その%が1年でどれだけの水量になるのかは、モードを数えるだけでは出てこないままです。

    節水率を検針票の㎥に直す

    %を検針票と同じ単位に直すには、モード別の吐水量に加えて、そのモードを1日に何分使うかが要ります。

    %を㎥に直すのに要る4項目を、5製品ぶん並べています。

  • 公表値がどのモードの値かを確かめるという読み方が、シャワーヘッドだけの事情なのか、モードを持つ他の家電でも同じ形になるのかが気にかかることがあります。

    除湿機の運転音と静かなモード

    除湿機では、各社が最初に出す値と最も静かなモードの値で、4製品の順位が入れ替わります。

    7製品の運転音を、代表値と最も静かなモードの2点で並べ直しています。

自分がシャワーを長く出している場面を3つ書き出しておけば、どれにするかを決めるのが後日になっても同じところから続けられます。

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運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。