HOW TO CHOOSE

空気清浄機

空気清浄機の「中」は最大風量の37%か67%か|真ん中の段を同じ社の風量で読み直す

mono-buzz 編集部

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この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

空気清浄機5製品の段ごとの風量と運転音を、同じ社の最大風量に対する割合で並べ直した。ふだん使う段の静かさで選びたい人に向けて、真ん中の段が最大の37%・50%・67%と割れる一方、いちばん静かな段は3社でそろうことを、公表値の割り算だけで示した。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

国内3社の段ごとの風量を0〜7.0m³/分の数直線に置き、各段の運転音を添えた図。最大の段は3社とも7.0m³/分で51〜55dB、いちばん静かな段も1.3・1.4・1.5m³/分(最大の19〜21%)で18〜21dBとそろうのに、真ん中の段だけがパナソニックの中2.6(37%・33dB)、ダイキンの標準3.5(50%・37dB)、シャープの中4.7(67%・45dB)と割れている。最大から真ん中へ下がる運転音はパナソニック−22dB、ダイキン−17dB、シャープ−6dB。ブルーエアは風量1.0〜4.8と運転音18-46dBの幅だけ、Levoitは風量が4.38の1つだけで、どちらも段ごとの点が置けない
目次

寝るときや、家にいるあいだずっと回しておくとき、使うのは「強」ではなく「中」や「標準」だと思います。ところが商品ページに大きく出ているのは、たいてい両端です。「18〜54dB」のような幅を見ても、ふだん使う段が何dBなのかは決まりません。

仕様表から段ごとの数字を拾うと、パナソニック F-PX70C の中は33dB、シャープ KI-TX70 の中は45dB。同じ「中」なのに12dB離れています。 5製品の畳数を規格の版と物差しで並べ直した比較記事は、この3つのdBを並べて「真ん中の段は社によって開きがある」と書いたところで止まりました。

では、その差は何の差なのか。 段の名前をいったん外して、真ん中の段が最大風量の何割に置かれた段なのかで読み直します。使うのは2026年9月時点のメーカー公表値だけで、実機で測った数字はありません。

段ごとの風量と運転音が同じ表にそろうのは、5点で3点

製品最大の段真ん中の段いちばん静かな段
パナソニック F-PX70C強 7.0m³/分・55dB中 2.6m³/分・33dB静音 1.3m³/分・20dB
ダイキン MCK706Aターボ 7.0m³/分・54dB標準 3.5m³/分・37dB(弱 2.2m³/分・27dB)しずか 1.4m³/分・18dB
シャープ KI-TX70(空気清浄)強 7.0m³/分・51dB中 4.7m³/分・45dB静音 1.5m³/分・20dB
シャープ KI-TX70(加湿空気清浄)強 6.3m³/分・48dB中 4.7m³/分・45dB静音 1.5m³/分・21dB
ブルーエア Blue Max 3250i記載なし(風量1.0〜4.8m³/分・運転音18-46dB の幅だけ)記載なし記載なし(18dB はナイトモード)
Levoit Core 300SIII 56dB(風量は4.38m³/分 の1つだけ)II 43dB / I 35dB(風量は記載なし)おやすみ 24dB

ブルーエアと Levoit は、割り算の材料がそろいません。 ブルーエアは風量も運転音も幅だけで、どのスピードが何m³/分なのかを書いていない。Levoit は取扱説明書に4段ぶんのdBがありますが、風量は4.38m³/分の1つだけです。ここから先は、国内3社の表の中だけで進めます。

真ん中の段は、最大風量の37%・50%・67%

同じ社の表の中で、真ん中の段の風量を最大の段の風量で割ります。

  • パナソニック F-PX70C … 2.6 ÷ 7.0 = 37%
  • ダイキン MCK706A … 3.5 ÷ 7.0 = 50%
  • シャープ KI-TX70 … 4.7 ÷ 7.0 = 67%(加湿空気清浄では 4.7 ÷ 6.3 = 75%)

最大風量はどれも7.0m³/分で同じです。 それなのに「中」「標準」と呼ばれる段は、最大の4割弱から7割近くまで割れている。同じ名前でも、置かれている場所が違う段だということです。

同じ表の消費電力の列も、同じ順に並びます。最大の段に対する真ん中の段の消費電力は、パナソニック 7.5 ÷ 57 = 約13%、ダイキン 20 ÷ 82 = 約24%、シャープ 32 ÷ 69 = 約46%。風量で割ったときと順番が入れ替わりません。

両端はそろっていて、割れているのは真ん中だけ

いちばん静かな段も、同じように割ってみます。

  • パナソニック 静音 1.3 ÷ 7.0 = 19%(20dB)
  • ダイキン しずか 1.4 ÷ 7.0 = 20%(18dB)
  • シャープ 静音 1.5 ÷ 7.0 = 21%(20dB)

3社とも、最大の2割前後に置いて18〜21dBです。 最大の段が7.0m³/分・51〜55dBでそろい、いちばん静かな段も風量と運転音の両方でそろう。段の並びが割れているのは、真ん中だけでした。

最大から真ん中へ下がるときのdBも、そのぶん違います。

  • パナソニック 55 → 33dB(−22dB)。風量は約1/2.7
  • ダイキン 54 → 37dB(−17dB)。風量は1/2
  • シャープ 51 → 45dB(−6dB)。風量は約1/1.5(加湿空気清浄では 48 → 45dB で−3dB)

最大からいちばん静かな段までの下がり幅は31〜36dBで3社とも近いのに、その途中にある真ん中の段が、パナソニックでは下寄り、シャープでは上寄りに置かれています。

名前ではなく風量で並べると、12dBの開きは見えなくなる

ダイキンは4段あるので、ほかの2社の真ん中の段を、風量の近い段のあいだに置けます。

  • パナソニックの中(2.6m³/分・33dB)… ダイキンの弱(2.2m³/分・27dB)と標準(3.5m³/分・37dB)のあいだの風量で、dBもあいだ
  • シャープの中(4.7m³/分・45dB)… ダイキンの標準(3.5m³/分・37dB)とターボ(7.0m³/分・54dB)のあいだの風量で、dBもあいだ

「中33dB」と「中45dB」は、同じ名前の段に別の風量を割り当てた結果と読めます。

そもそも「真ん中」が1つに決まらない

段の数も、そろっていません。パナソニックとシャープは3段(強/中/静音)、ダイキンは4段(ターボ/標準/弱/しずか)、Levoit も4段です。

4段の製品には、真ん中が2つあります。 ダイキンの弱(2.2m³/分・27dB)を真ん中と読めば最大の31%で、パナソニックの中(37%)より下になる。標準(50%)と弱(31%)は、同じ製品の中で19ポイント離れています。どちらを常用するかで、この製品の「ふだんの音」は27dBにも37dBにもなります。

風量の段を下げると清浄や脱臭の側がどうなるかを書いているのは、5点で1つだけでした。ダイキンの仕様一覧が「しずか」に付けている注記です ―「運転音を抑えた微風運転のため空気清浄、脱臭能力は低下します」。

購入者レビューの向きも、3社で違う

ブルーエアと Levoit のレビューは兄弟機と1つの一覧にまとまっていて、段の呼び方もそろわないので、ここでは国内3社に絞ります。

  • パナソニック … 強運転の音が大きい、強と中の音量差が大きすぎるという指摘が複数。一方で、弱と中は静かで寝ていても気にならないという声も出ています
  • シャープ … おやすみモード以外は音が大きい、風切り音が気になる運転モードがあるという指摘。静かだという評価は、おやすみモードに集まっています
  • ダイキン … 最大風量の音や、センサーが反応して風量が上がったときの音が大きいという指摘が繰り返し挙がる一方、通常の運転では静かだという評価があります

不満の向きが、真ん中の段の置き場所と同じ方向に並んでいます。 真ん中が最大の37%にあるパナソニックでは「強と中の差」が、67%にあるシャープでは「いちばん静かな段以外は大きい」が出ている。ただしレビューからは、書いた人がどの段で使っていたかも部屋の広さも分かりません。計算が体感を説明したことにはならず、向きが合っているというところまでです。

では、何を見ればいいのか

  1. 段ごとの風量の行が、運転音と同じ表にあるか — 5点で3点でした。無い製品では、ふだん使う段が全開のどのあたりなのかを読めません
  2. 真ん中の段を、その社の最大風量で割る — 段の名前は社ごとの呼び方で、割合とは結びついていません
  3. 最大と真ん中のdBを引き算する — 同じ社の表の中の引き算なので、測定条件が書かれていなくても成り立ちます
  4. いちばん静かな段だけで選ぶなら、3社の差は小さい — 1.3〜1.5m³/分・18〜21dBでそろいます。ただし風量も最大の2割前後です
  5. 加湿運転の列を別に見る — シャープは加湿空気清浄で強を6.3m³/分・48dBに下げ、中は4.7m³/分・45dBのまま。ダイキンは加湿しても4段とも同じ値です。加湿量のほうは段ごとの落ち方が緩く、シャープの中は強の80%、静音は28%で、同じ段の風量(75%・24%)より高い位置にあります(加湿の広さを加湿量で割り直した記事)

買う前にやること

  1. 仕様表で「風量」の行を探す — 商品ページに無ければ、取扱説明書の仕様表です。運転音の行のすぐ上か下に並んでいます
  2. 真ん中の段 ÷ 最大の段を計算する — 37%の機械と67%の機械では、同じ「中」でも別の運転です
  3. 最大とのdB差を引く — 22dB離れている製品と、6dBしか離れていない製品があります
  4. 段の数を数える — 4段の製品では、下から2番目と3番目のどちらを常用するかで割合が変わります
  5. その割合を部屋の広さに掛けない — 適用床面積は最大の段で運転したときの値です。シャープは「適用床面積は風量「強」で運転したときの面積です」、ダイキンは「(風量「ターボ」時)」と注記しています。畳数そのものの読み方は5製品の畳数を規格の版で並べ直した比較記事にあります

運転音のdBは、同じ条件で測られた保証のない数字です。それでも、同じ社の表の中でなら割り算も引き算もできました。「中」という名前は、それがその機械のどこに置かれた段なのかを教えてくれません。 最大風量で割った1つの数字を控えておくと、名前ではなく段の位置で見比べられます。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

空気清浄機の比較を見る →

読み終えたあとに

  • ふだん使う段を「最大の何%か」という1つの数字で持てても、その最大風量が何畳を想定した値なのか、音以外の軸(畳数の規格の版、フィルターの年数、壁から空ける距離)をどう読むかまでは、段の表からは出てきません。

    空気清浄機5製品の比較記事

    最大風量が3点とも7.0m³/分でそろっていても、その1台が何畳と書かれるかは規格の版で変わり、1台の中に別の物差しの広さが並んでいることもあります。

    5製品の畳数・フィルターの年数・壁からの距離を、公表値のまま並べ直しています。

  • 常用する段が最大の何%かを出したあと、その機械を置く部屋の側の数字を見ると、手元にあるのが畳数だけで、床の広さのまま持っていてよいのかで止まることがあります。

    畳数を部屋の容積に戻す記事

    畳数は床の広さの顔をしていますが、資料をたどると天井2.4mや2.5mで割って出した容積で、その天井高を書いている資料のほうが少ないです。

    同じ5製品の畳数を、天井の高さで部屋の容積に戻す手順をまとめています。

  • 仕様表の先頭に1つだけ出ている dB を見たとき、それがどの段の値で、どこで測った音なのかを確かめる手がかりが要ることがあります。同じ部屋で除湿機も回すなら、なおさら並べ方で迷います。

    除湿機のモード別 dB の読み方

    除湿機7製品では測定位置が「本体前方1m」と「本体の前後左右1mの平均」に分かれていて、各社が先に出す値と最も静かなモードのどちらで並べるかで、順位が入れ替わりました。

    モード別の dB と測定位置を7製品ぶん並べ、どの行どうしを横に並べるかを書いています。

ふだんどの段で回すかは、置いてみてから決め直せます。この時点で1台に絞らなくても構いません。

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運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。