HOW TO CHOOSE
デスク下ケーブルトレーケーブルトレーの耐荷重|2kgと20kgが同じ列に並ぶ理由を公表値から読む
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
デスク下ケーブルトレーのメーカー表記の耐荷重は2kgから20kgまで10倍の開きがある。何をどれだけ載せられるか知りたい人に向けて、本体重量で割ると揃う製品と揃わない製品に分かれることを示し、条件が公表されていない数字をどう扱うかをまとめた。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
電源タップ、ノートPCのACアダプター、モニターの電源、ルーター。デスク下のトレーに載せるものを数えると、5つや6つにはなります。
商品ページには「耐荷重20kg」と書いてある。20kgなら余裕だ、と思って積んでいくと、トレーがゆっくり沈んでくることがあります。
デスク下ケーブルトレーのメーカー表記の耐荷重は、製品によって2kgから20kgまで10倍の開きがあります。 そして、その数字がどういう条件のものかを、どの製品も書いていません。
メーカー表記の値を並べると10倍の開きがある
4製品を比較した記事で並べたメーカー表記の値です。
| 製品 | メーカー表記の耐荷重 | 表記 |
|---|---|---|
| サンワダイレクト 200-CT010BK | 2kg | 商品ページ「耐荷重」/ニュースリリース「総耐荷重」 |
| FLEXISPOT CMP027 | 3kg | 「耐荷重」 |
| IMILLET | 約20kg | 「耐荷重は約20㎏」 |
| エレコム EKCWCT01BK | 約20kg | 「耐荷重」 |
まず語が揃っていません。同じサンワダイレクトの同じ製品で、商品ページが「耐荷重」、ニュースリリースが「総耐荷重」と書き分けられています。「総」が付くなら全体の合計、付かないなら1点あたり、と読めそうですが、そう読んでよいという説明はどこにもありません。
本体重量で割ると、揃う製品と揃わない製品に分かれる
条件が書かれていないなら、公表されている別の数字と突き合わせるしかありません。本体重量で割ってみます。
| 製品 | 本体重量 | メーカー表記の耐荷重 | 自重の何倍 |
|---|---|---|---|
| サンワダイレクト 200-CT010BK | 約710g | 2kg | 2.8倍 |
| IMILLET | 1.7kg | 約20kg | 11.8倍 |
| エレコム EKCWCT01BK | 約1670g | 約20kg | 12.0倍 |
| FLEXISPOT CMP027 | 記載なし | 3kg | 計算できない |
IMILLET の11.8倍とエレコムの12.0倍が、ほぼ一致します。 この2製品は最大長・高さ・重量がいずれも近い(比較記事に並べました)ので、同じ考え方で耐荷重を出している可能性があります。
一方、200-CT010BK は2.8倍。同じクランプ式なのに、自重に対する比率が4倍以上違う。
ここから言えるのは、どちらが正しいかではありません。同じ条件で測った数字ではなさそうだ、ということです。200-CT010BK が保守的に書いているのか、他の2製品が別の測り方をしているのか、公表されている情報からは決められません。
本体重量を公表しない製品は、検算そのものができない
FLEXISPOT CMP027 は本体重量の記載がありません。そのため、この突き合わせができない。
耐荷重3kgという数字だけが残り、それが何を指すのかを確かめる手段がありません。重量の非公表は、それ自体では小さな欠落に見えますが、他の数字を検証する足場を失わせます。
同じ足場の失われ方は、別のカテゴリでも起きています。後付けスマートロック5製品では、両面テープが何gまで保持できるかを書いた社が1つもありませんでした。ケーブルトレーは支える側の数字はあって条件が書かれていない例ですが、あちらは支える側の数字そのものが無く、さらに1製品は本体重量の欄も無いので、載る側だけを並べる比較からも外れます。
レビューでは、メーカー表記に届く前にたわんだという報告が出ている
メーカー表記の20kgの製品について、購入者から次のような指摘が出ています。
- そこまで重いものを載せたつもりがないのに、自重を含めてたわんできた
- ノブを締め付けすぎたら、クランプのハンガー部の鉄材が曲がった(厚さ4mmあるが柔らかい)
別の製品でも、トレーが手前に傾斜することがあるという報告があります。
「20kgまで載る」と読んで積んでいくと、たわみのほうが先に来ることがある、ということです。メーカー表記の値が嘘だという話ではありません。静荷重で全体に均等にかけた場合の数字なのか、1点に集中させた場合なのかが書かれていないので、読者の側で使い方に翻訳できない。
デスク下のトレーに載るものは、均等ではありません。ACアダプターは重くて小さい。つまり1点に集中します。
では、何を見ればいいのか
耐荷重の数字が比較に使えないなら、代わりに見る材料が要ります。
1. 本体重量が公表されているか
公表されていれば、上の割り算ができます。同じカテゴリの他製品と比率を並べて、極端に外れていないかを見る。外れていたら、条件が違う可能性を疑う材料になります。
2. 「総耐荷重」か「耐荷重」か
語が違えば、指しているものが違う可能性があります。ただし各社が同じ定義で使っている保証はないので、これは弱い手がかりです。
3. 材質と構造
スチールのワイヤー、炭素鋼、メッシュ。荷重の受け方が変わります。FLEXISPOT の材質欄は「スチール・ナイロンメッシュ」と2つの素材が併記されていて、どの部分がどちらかは書かれていません。荷重を受けているのが枠の金属なのか面のメッシュなのかで、3kgの意味は変わります。
4. トレーの高さ
意外にここが効きます。高さのあるトレーは側面が深く、その分だけ形として強くなります。今回の4製品では11.7cmから19.3cmまで6cm以上の差がありました。ただし、この数字がかごの側面の深さなのか、クランプやブラケットを含めた全体の高さなのかは、4製品とも書いていません。外寸の高さと奥行きを製品ごとに並べ直した記事でも、ここは公表値からは決められないとして扱っています。
載せる前にやること
メーカー表記の値を上限として扱わない、というのが結論です。順番にやってください。
- 載せるものを量る — キッチンスケールで足ります。電源タップ、ACアダプター、ルーターを合わせて何gになるかを先に知っておく
- 重いものから順に載せて、そのつどたわみを見る — 数字ではなく、実際の沈み方で積む量を決める
- 重いものはクランプに近い側へ寄せる — 中央に置くと、たわみが最大になる位置に荷重をかけることになります
- ケーブルの張力も荷重のうちと考える — 硬いケーブルを引っ張った状態で固定すると、常に力がかかり続けます
- 1週間使ってから増し締めする — クランプ式もネジ止め式も、初期の緩みが出ることがあります
- たわみが戻らなくなったら減らす — 荷重を外しても形が戻らない場合、その量は超えています
まとめ
メーカー表記の耐荷重は、製品を横に並べて比べる用途には使えません。条件が書かれていないうえ、自重で割ると基準が揃っていないことが見えてきます。
買う前に見るなら、本体重量が公表されているかとトレーの高さのほうが、まだ手がかりになります。載せたあとは、数字ではなくたわみを見る。