HOW TO CHOOSE
後付けスマートロックスマートロックのテープは何回貼り直せるか|同梱品の欄で単位が3通りに割れる
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
後付けスマートロック5製品の同梱品の欄から、両面テープの数え方を並べ直した。貼る位置を決める前にやり直しがきくか知りたい人に向けて、単位が回分・枚・記載なしの3通りに割れること、初回に何枚使うかを書いた社が1つも無いこと、テープに載る重さが3.2倍開くことを公表値から示した。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
玄関の内側で、本体をつまみに当ててみる。少し斜めに見える気がする。ここで貼るか、もう5mm下げるか。裏紙を剥がす前に決めなければいけないのは、この一度きりです。
貼ってから気づいて剥がすと、次に貼るテープが要ります。箱に何枚入っているのか。
後付けスマートロック5製品を比較した記事では、購入者から両面テープの跡と脱落の指摘が出たところで、「貼り直しができるよう、予備のテープが同梱されている製品かどうかも確かめておくと安心です」と書いて止めました。確かめておくと安心です、で終わっていて、5製品ぶんを確かめていません。
この記事はそれだけをやります。同梱品の欄を5製品ぶん並べると、何回貼り直せるかが読み取れるのか。 2026年9月時点のメーカー公表値で数えます。実機は持っていないので、書けるのは公表値の突き合わせと計算で分かることと、購入者レビューに共通して現れた指摘だけです。
同梱品の欄を並べると、数え方の単位が3通りに割れる
| 製品 | 同梱品の欄の書き方 | 数えている単位 | 貼り直しに読める回数 |
|---|---|---|---|
| SESAME 5 | セサミ5用3Mテープ(3回分) | 回分 | 2回 |
| SADIOT LOCK 2 | LOCK用両面テープx2/マグネット用両面テープx2 | 用途別の枚数 | 1回(本体側) |
| SwitchBot ロック Pro | 予備両面テープx1/固定補強テープx1 | 枚 | 1回 |
| SwitchBot ロック Ultra | 予備用両面テープx1 | 枚 | 1回 |
| Aqara J200 | 枚数の記載なし | 記載なし | 数えられない |
部品の名前は5点ともほぼ同じで、「両面テープ」と書いてあります。ところが数えている単位が「回分」「枚」「記載なし」の3通りに割れます。 右端の回数は、こちらが同梱品の欄から読み取った値です。導き方を順に書きます。
「3回分」と書いた社は、同じ欄で電池も「1回分」と書いている
SESAME 5 の同梱品の欄は「セサミ5用3Mテープ(3回分)」で、5点で唯一、テープを回数で書いています。 そして同じ欄の次の行が「高性能高容量3.0V 1800mAhのCR123A 電池(2本。1回分)」。電池も回分で数えています。
2本入っていて1回分、というのは、1回の交換に2本使うという意味です。つまりこの社の「回分」は、1回の作業に要る量を指しています。だとすればテープの3回分は取り付け3回ぶんで、最初の1回を引くと、貼り直しに回せるのは2回。
「予備」という語だけが、初回ぶんが別にあることを示している
SwitchBot の2点は「予備両面テープx1」「予備用両面テープx1」。枚数は1枚ですが、「予備」と書いてあるので、初回に貼るぶんは別にあると読めます。 数えれば貼り直しは1回。ただし、その初回ぶんが本体に貼られた状態で届くのか、箱の別のところに入っているのかは書かれていません。
SADIOT LOCK 2 は「LOCK用両面テープx2/マグネット用両面テープx2」。用途で書き分けているのは5点でここだけです。 本体側が2枚なので、初回を引くと1回。マグネット用の2枚は別の場所に貼るものなので、本体の貼り直しには回せません。
この書き方からもう1つ読めることがあります。この製品はテープを2か所に使います。 本体と、オートロック用のマグネット。磁石を同梱している製品はほかにもありますが、その磁石を何で留めるのかが同梱品の欄から読めるのは、この1点だけでした。
Aqara J200 は「付属の両面テープでしっかり固定できるため、ネジ留めや穴あけも一切不要です」とだけ書いています。製品ページ・取付確認ページ・取扱説明書のどれにも同梱品の一覧が見当たらず、テープが何枚入るのかは数えられません。
数えるための基準を、5点とも書いていない
ここまでの回数はすべて「初回に1回分(1枚)使う」と置いた場合の値です。では初回に何枚使うのか。書いている社が5点で0でした。
「予備」の語がある2点は、初回ぶんが別にあることだけは読めます。SESAME 5 の「3回分」には予備の語が無いので、3回のうち1回が初回なのか、3回とも貼り直しに使えるのかが決まりません。 どの製品も、1回ぶんの幅が残ったままになります。
ピラーの入口も、同じ形をしていました。99%・99.9%・99.99%と並ぶ対応率に、母数を書いた社が1つも無い。割合に母数が無いのと、枚数に「1回に使う量」が無いのは、同じことが別の欄で起きています。
貼る前に使う道具を入れているのは、5点で1点
- SwitchBot ロック Pro — 接着促進剤x1、クリーニングティッシュx1。両方入れているのはこの1点だけ
- SwitchBot ロック Ultra — どちらも無し(入るのは木目調化粧シートx3、サイズ目安カード&マークシートx1)
- SESAME 5 / SADIOT LOCK 2 — どちらも無し
- Aqara J200 — 同梱品の一覧が資料に無い
ピラーの最後で「貼る面を拭いてから貼る。付属の接着促進剤やクリーニングティッシュがある製品は、それを使う」と書きました。数えると、その『ある製品』は5点で1点です。 しかも同じ社の上位機には入っていません。
テープの性能は2点が書いているが、どちらも比べる相手が書かれていない
| 製品 | テープについての記載 | 本体重量(公表値) | 何gまで保持できるか |
|---|---|---|---|
| SwitchBot ロック Pro | 3Mの粘着テープV2.0/粘着効果が2倍に(粘着面積73.9%増加、粘着剤、固定補強テープ付属) | 450g(電池含む) | 記載なし |
| SwitchBot ロック Ultra | 粘着力が向上した3MのNANOテープ | 377g(電池込みか無記載) | 記載なし |
| SESAME 5 | 3Mテープ(付属品) | 140g(電池込み) | 記載なし |
| SADIOT LOCK 2 | 両面テープ(供給元の記載なし) | 約168g(本体のみ)/約202g(電池2本含む) | 記載なし |
| Aqara J200 | 付属の両面テープ(供給元の記載なし) | 記載なし | 記載なし |
何gまで保持できるかを書いた社は5点で0です。 書かれているのは相対値だけで、しかもそれを書いているのは同じ社の2点でした。
粘着面積73.9%増は、1.739倍にしかならない
SwitchBot ロック Pro の「粘着効果が2倍に(粘着面積73.9%増加、粘着剤、固定補強テープ付属)」は、5点でいちばん数字の細かい記述です。0.1%の桁まで書いてあるので、割ってみます。
面積が73.9%増えたということは 1.739倍。効果は 2倍。一致しません。 2 ÷ 1.739 = 約1.15なので、面積では説明が付かないぶんが15%ほど残ります。 同じ括弧に粘着剤と固定補強テープが並んでいるので、その2つのぶんとみられますが、そう書かれてはいません。
そして何に対しての2倍なのかも書かれていません。 この一文が置かれているのは、無印のロックとロックProを並べた比較表の「設置方法」の行で、左の列は「3Mテープで貼付け」。位置から推せば比較先は無印ロックのテープですが、文そのものには書かれていない。 母数の手がかりが、文の置かれている場所しかない状態です。
ロック Ultra の「粘着力が向上した3MのNANOテープ」には、数字が1つもありません。付いているのは「※2025年4月時点のSwitchBotラボによる実験結果」という注記だけで、何と比べて向上したのかは書かれていません。 残る3点はテープの性能に触れておらず、SADIOT LOCK 2 と Aqara J200 は供給元も書いていません。
テープに載る重さは3.2倍開く
支える側の数字が無いなら、載る側を見るしかありません。公表されている本体重量は、いちばん軽い SESAME 5 の140g(電池込み)から、いちばん重い SwitchBot ロック Pro の450g(電池含む)まで。3.2倍です。
含むものが揃っていない値どうしの割り算に見えますが、「電池込み」とはっきり書いてある3点だけに絞っても同じでした。 450g(電池含む)、約202g(CR123A2本含んだ重さ)、140g(電池込み)。最大と最小の比は3.2倍のまま動きません。本体の重さの書き方は4通りに割れ、1点は欄そのものがありませんが、含むものが揃った3点に絞っても開きは変わらないということです。
そして相対値でテープの性能を書いている2点は、どちらも重い側の2点で、同じ社です。 450gと377g。数字が1つも無い側に、軽い3点が並びます。
購入者が言っていること
テープについての指摘は、レビューを読めた4製品のうち3点に出ています(Aqara J200 はレビューがまだ少ないため、ここには含めていません)。
- SwitchBot ロック Pro — 粘着テープを剥がすときにドアの塗装が剥げることがある。取り外したあとの再利用が難しい
- SADIOT LOCK 2 — 剥がしたあとに両面テープがドアに残る。本体が脱落しうる
- SESAME 5 — 金属部分のシールが剥がれる(本体を留めているテープを指すのかまでは分かりません)
テープの指摘が出ていないのは、ロック Ultra です。 重い順に並べると450g・377g・約202g・140gで、指摘が出ているのは1番目と3番目と4番目。重い順と、指摘の出た順は一致しません。 そして4製品のうち3点なので、5製品すべてで起きる、とも書けません。
同じ3点の高評価の側には、「工事不要」「賃貸でも使える」「貼るだけで導入できる」が並びます。貼るのが簡単だという評価と、剥がすと残るという指摘が、同じ製品の購入者の中で同居しています。 ロック Pro では、高評価に「引っ越しのときに取り外して持っていける」があり、低評価に「取り外し時の再利用が難しい」がある。外して持っていけることと、外したあとにもう一度貼れることは、別の話です。
公表資料の側にも、1か所だけテープの弱さに触れた記述がありました。SESAME 5 のページが、サムターンの蓄光パーツについて「テープではなく専用の蓄光樹脂パーツなので、手汗や爪で擦っても、カッターで削っても剥がれない」と書いています。同じページが、本体の取付方法には3Mテープを挙げている。 テープを剥がれうるものとして書いた記述は、5点の公表資料でここだけでした。
では、何を見ればいいのか
- 同梱品の欄の単位 — 「回分」なら取り付け何回ぶんかがそのまま読めます。「x1」「x2」は枚数なので、1回に何枚使うかが別に要ります
- 「予備」の語があるか — 初回ぶんが別にあることを示す、いまのところ唯一の手がかりです
- 用途で書き分けてあるか — ドアに貼る場所が1か所なのか2か所なのかが読めます
- 貼る前の道具が入っているか — 接着促進剤とクリーニングティッシュを両方入れているのは5点で1点でした
- 本体の重量が公表されているか — テープ側の数字が相対値しか無い以上、比べられるのは載せる側です。欄そのものが無い製品では、その比較もできません
次にやること
- 貼る位置を、裏紙を剥がす前に決める — 位置の前に、そもそも付くかどうかがあります。測った1つの数字が何社の条件に当たるかは項目ごとに割れていて、7項目を全部測っても判定できない製品が1点あります
- 箱を開けたら、同梱品の欄と中身を突き合わせる — テープが何枚あるか、初回ぶんが本体に貼られているかは、開ければ分かります。公表値から決まらなかったのはここです
- やり直しの1回を、どこで使うかを決めておく — 数えられた範囲では、貼り直しに回せるのは1回か2回でした。位置決めに使うのか、数か月後に剥がれたときのために残すのか
- 貼る面を拭く道具を、自分で用意するかどうかを決める — 同梱しているのは5点で1点です
- 賃貸なら、貼る前の状態を残しておく — 剥がし方を書いた資料が5点とも無いので、元がどうだったかを自分で持っておくしかありません
同梱品の欄は、仕様表よりずっと短い場所です。それでも5製品ぶん並べると、部品の名前が揃っているのに、数え方の単位だけが割れているのが見えます。何回貼り直せるかは、そこに1行「初回に何枚使うか」が足されるだけで決まる話でした。