HOW TO CHOOSE
電動昇降デスク電動昇降デスクは何kgが届くのか|重量を天板の面積で割ると1.97倍に開く
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
電動昇降デスク6製品のうち、製品重量を公表しているのは4点だけ。搬入経路を先に確かめたい人へ、重量を天板の面積で割って22.4〜44.2kg/m²に並べ直し、梱包の公表が1点も揃っていないことと、公表値から出せる箱の下限を読み解いた。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
配送の案内に「大型商品」とだけ書かれていて、そこで手が止まる。幅140cmの天板と金属の脚が、何個口で、1箱あたり何kgで届くのか。玄関を通るのか。1人で部屋まで運べるのか。
6製品を並べると、製品重量を公表しているのは4点、梱包について何かを書いているのは2点で、その2点は書いている項目が違いました。比較記事は「搬入経路をまだ確かめていない人」を先に外して終えています。ここではその先を書きます。2026年9月時点のメーカー公表値です。
公表されているのは、重量が4点・梱包が2点
まず、そのままの表記で並べます。
| 製品 | 公表されている重量 | どこに書いてあるか | 梱包について書かれていること |
|---|---|---|---|
| FLEXISPOT E7H | 約34.9kg | 商品ページの仕様表 | 梱包サイズ 116cm×27.7cm×22cm(約39.3kg)。個口数は記載なし |
| アイリスオーヤマ DST-1200 | 31.8kg | 商品情報サイトの仕様表 | 梱包数2/ケース容量80.7L。箱の寸法は記載なし |
| 山善 AED-1460 | 幅140:30kg(幅120:27kg) | 公式通販のみ | 記載なし |
| FEZIBO 幅140×奥行70 | 22kg | 販売ページのみ | 記載なし |
| 山善 ELD-FS + T1400 | 記載なし | 脚のページにも天板のページにも kg が出てこない | 記載なし |
| FLEXISPOT E7セット | 記載なし | 商品ページにも公式ブログの比較表にも無い | 記載なし |
梱包に触れている2点は、書いている項目が噛み合っていません。 アイリスは箱の数と容量を書いて寸法を書かず、E7Hは1箱の寸法と重さを書いて個口数を書かない。何個口が、どの大きさで、合計何kgで届くかがそろっている製品は6点で0でした。
重量を天板の面積で割る
4点の重量を素のkgで並べると 22.0・30.0・31.8・34.9 で、最大と最小の比は1.59倍です。ただしこの4点は机の大きさがそろっていません。アイリスだけが幅120×奥行60で、残る3点は幅140。大きい机ほど重くなるのは当たり前なので、この並びからは机の大きさの差と作りの差を分けられません。
天板の面積で割ります。
| 製品 | 製品重量 | 天板の面積 | 1m²あたり |
|---|---|---|---|
| FEZIBO 幅140×奥行70 | 22.0kg | 0.98m² | 22.4kg |
| FLEXISPOT E7H | 34.9kg | 0.98m² | 35.6kg |
| 山善 AED-1460(幅140) | 30.0kg | 0.84m² | 35.7kg |
| アイリスオーヤマ DST-1200 | 31.8kg | 0.72m² | 44.2kg |
耐荷重や昇降範囲まで含めて6点を横に並べたものは6製品の公表値を並べ直した比較記事にあります。この記事は、そこから重量の1列だけを取り出しています。
35.6と35.7がほぼ一致します。 奥行もメーカーも違う2点が、面積あたりでは0.1しか離れない。一方で両端は22.4と44.2で、比は1.97倍になります。素のkgで見た1.59倍より開きました。
順番も入れ替わります。素のkgではアイリスの31.8kgがE7Hの34.9kgより軽い側にいますが、面積あたりでは逆転して、4点で最も重い側になります。そしてFEZIBOの22kgは、机が小さいから軽いのではありません。 天板の面積は6点で最も広い側にいて、同じ0.98m²のE7Hより1m²あたり13.2kg少ない。
なお、アイリスの天板の奥行は色で分かれていて、黒は596mmです。0.7152m²で割ると44.5kg/m²になりますが、色を変えても順番は動きません。
公表値を別の公表値で割って基準がそろっているかを見る形は、ケーブルトレーの耐荷重を本体重量で割った記事と同じです。あちらは11.8倍と12.0倍が一致して1点だけが外れました。こちらは35.6と35.7が一致して、その両側に1点ずつ外れています。
この割り算の癖は5%、開きは97%
割り算そのものが信用できるかは、公表値だけで検算できます。山善 AED-1460 だけが、同じ製品の幅違いで2つの重量を公表しているからです。幅120タイプが27kg、幅140タイプが30kg。奥行はどちらも60cmです。
27.0 ÷ 0.72m² = 37.5kg/m²、30.0 ÷ 0.84m² = 35.7kg/m²。同じ製品でも一致せず、5%動きます。 幅が20cm増えて重量が3kg増える計算なので、1cmあたり0.15kg。脚とモーターは幅が変わっても同じ重さのはずなので、面積が増えるほど1m²あたりの値は下がる、という癖がこの割り算にはあります。大きい机ほど小さめに出る。
それでも5%です。22.4と44.2の97%の開きは、この癖では説明がつきません。
そしてこの1cmあたり0.15kgで、重量を公表していない製品を埋めることはできません。 山善 ELD-FS + T1400 は幅140×奥行70で、AED-1460 の2つの値はどちらも奥行60のものです。奥行が10cm深い天板の重さを、幅方向の増分から出す根拠がない。埋められないことは、埋めずに置いておきます。
公表値どうしが噛み合わない箇所が2つある
箱のほうが、製品より重い
FLEXISPOT E7H は梱包を1つだけ公表しています。「116cm×27.7cm×22cm(約39.3KG)」。そして製品重量は「約34.9KG」。箱のほうが4.4kg重い。
梱包材のぶんだと読めば筋は通ります。ところが箱の長辺は116cmで、幅140cmの天板は入りません。 この39.3kgを「天板が入っていない1箱」と読むと、脚とフレームだけで製品全体より重いことになる。何個口で届くかが書かれていないので、どちらの読み方も公表値からは決められません。
読み方が決まらなくても、1つだけ決まることがあります。箱1つの重さとして公表されている唯一の数字は、約39.3kg。 4点の製品重量のうち最も重いのは34.9kgですから、このカテゴリで公表されている中でいちばん重いのは、製品ではなく箱ということになります。
箱の数はあるのに、箱の大きさが無い
アイリスオーヤマ DST-1200 は逆側です。「梱包数|2」「ケース容量|80.7 L」「ケース入数|1 台」が並び、箱の外寸だけがありません。 80.7Lが2箱の合計なのか1箱ぶんなのかも書かれていない。
それでも上限は出せます。天板が1箱に平らに入っているとすると、その箱の底面は少なくとも天板の1200×600mm=0.72m²あります。80.7L ÷ 0.72m² = 高さ約11cm。箱が天板より大きければ、この高さはさらに下がる。80.7Lが2箱の合計なら、もっと薄いことになります。どちらに読んでも、天板の箱は11cmより薄いとみられます。
ただし、玄関やドアを通るかどうかを決めるのは高さではなく長辺のほうです。そちらは公表されていません。
天板の外寸が、箱の長辺の下限になる
重量も梱包も書かれていない2点でも、1つだけ6点すべてで出せる数字があります。天板そのものの外寸です。
天板を分割しない限り、それが入る箱の長辺は天板の長辺以上になります。幅140cmの5点は140cm以上、幅120cmの1点は120cm以上。E7Hの梱包116cmはこの下限を下回っているので、天板は別の箱で来るか、分割されているかのどちらかです。
そして分割は実在します。FEZIBOには天板が複数枚の継ぎ合わせだという購入者の報告が繰り返し出ていて、1枚板を前提にしたこの下限は、その構成には当てはまりません。 天板が何枚で届くかを書いている社は、6点にありません。
報告は「運べたか」より「置いたあと動かせない」に寄っている
重さと組み立てについての報告は、6点すべてで出ています。 このカテゴリで最も横断している話題でした。中身は3つに分かれます。
- 運び入れる段 — エレベーターの無い物件で搬入が難しかった、戸建ての2階以上に置くなら重労働を覚悟することになった
- 組み立てる段 — 最後に本体をひっくり返す工程で複数人が要る、下穴の無い箇所があって錐や電動ドライバーを買い足した
- 置いたあとの段 — 模様替えができない、一度置くと動かせない、キャスターを先に買っておくべきだった、床が凹む
運び入れる段より、置いたあとの段の報告のほうが多く出ています。 重さが効いてくるのは玄関を通る一瞬ではなく、置いたあとずっと、というかたちでした。E7セットについては総重量が50kgを超えるという購入者の申告も出ていますが、この製品は重量が公表されていないので、突き合わせる先がありません。
公表されている側も見ておきます。組立時間を書いているのは3点で、約30-40分(山善 AED-1460)、約40分(FEZIBO)、約0.5〜1時間(FLEXISPOT E7・公式ブログ)。作業人数に触れているのは2社で、山善が「二人以上での搬入、組み立てをお願いいたします」、FEZIBOが「2人以上での作業」を推奨しています。必要な工具の中身まで書いているのは、アイリスの公式通販の「+ドライバー、メジャー」だけでした。FEZIBOは「必要工具:同梱」、山善は組み立ての注意文の中でプラスドライバーに触れるにとどまります。下穴の話は4製品で出ているのに、錐や電動ドライバーが要るかもしれないと書いた社はありません。
では、何を見ればいいのか
- 天板の外寸 — 6点すべてで公表されています。箱の長辺の下限になり、玄関とドアに当てられる唯一の数字です
- 重量が「どのページに」あるか — 山善 AED-1460 は公式通販にしかありません。商品情報サイトの仕様表はサイズ・材質・カラーの3行だけです
- 梱包について何を書いているか — 数か、寸法か。両方書いた社はありません
- 人数・時間・工具の記載 — 書いてある社は、重さと組み立てを注意すべきことだと自分で書いています
- 面積あたりに直す — サイズ帯の違う製品を並べるときだけ。5%の癖があることは織り込んで見ます
注文する前にやること
- 玄関・階段の踊り場・部屋のドアの幅を測る — 通す必要があるのは、天板の長辺以上の箱です。幅140cmの製品なら140cm以上
- 手伝ってもらえる日を先に決める — 6点すべてで、重さと組み立てについての報告が出ています。届いてから探すと、重い部材を床に置いたまま止まります
- 置く場所をあらかじめ決める — 動かせないという報告のほうが、運べなかったという報告より多く出ています
- キャスターや床のマットを同時に注文するか決める — あとから足すには、一度持ち上げることになります
- 重量が公表されていない製品を選ぶなら、そのことを織り込む — 公表されている4点は22.0〜34.9kg、面積あたり22.4〜44.2kg/m²でした。非公表の2点がこの範囲に入るという保証はありません
- 箱を開ける前に、部材を広げる床を空ける — 最後に本体をひっくり返す工程がある以上、机1台ぶんより広い床が要ります
重量の欄が空でも、天板の外寸だけは6点すべてに書いてあります。数字が並んでいないときは、割る相手か、下限を決められる相手を探すほうが早い。 面積で割れば作りの差が出て、天板の長辺を見れば通り道の下限が出ます。どちらも、届く前に分かることです。