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モバイルバッテリー

モバイルバッテリーの重さ|1Whあたり何gかで並べると、体積ほどには開かない

mono-buzz 編集部

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この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

モバイルバッテリー4製品の公表重量を公表Whで割り、1Whあたり何グラムかで並べ直した。約182gと約355gのどちらが重いのかを決めかねている人に向けて、体積あたりで1.35倍あった差が重さあたりでは1.03倍に縮むことと、重量の公表そのものが割れる製品があることを示した。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

3製品の体積あたりの容量と重さあたりの容量を、CIOを1.00とした比で2本ずつ並べた図。オウルテックは体積では0.74どまりなのに重さでは0.97でほぼ並び、エレコムは0.62と0.74。1Whあたりの重さはCIO4.59g、オウルテック4.73g、エレコム6.22gで、AnkerはWh非公表のため両方とも空欄、しかも公表重量が約260gと248gに割れている
目次

鞄に毎日入れるものだから、重さは効きます。4製品の公表重量は約182gから約355gまで、2倍近く開いている。この182gと355gは、そのまま比べていい数字でしょうか。

片方は37Wh級、もう片方は77Wh級です。持ち歩く電気の量が倍以上違うのに、重さだけを横に並べても、どちらが「重い」のかは決まりません。

そこで重さを Wh で割ります。1Whあたり何グラムか。 2026年9月時点のメーカー公表値と、その公表値どうしの割り算だけで進めます。実機は持っておらず、量りに載せた記録もありません。

「小さい」で開いた1.35倍が、「軽い」では1.03倍になる

4製品を並べた比較記事は、CIO の節で体積あたりの容量を計算しています。77.4Wh ÷ 193.4cm³ = 0.400Wh/cm³ で、4製品では最も多い。重さで割った計算は、そこには1つもありません。

同じ3製品を体積と重さの両方で割り、CIO を 1.00 とした比で並べるとこうなります。

製品体積あたり(CIO=1.00)重さあたり(CIO=1.00)
CIO SMARTCOBY TRIO 67W SS1.001.00
オウルテック OEC-LPB10024-BK0.740.97
エレコム DE-C66-10000WH0.620.74

順位は変わりません。逆転は1つも起きていない。 動いたのは差の大きさのほうです。体積では2位が1位の0.74どまりなのに、重さでは0.97でほぼ並ぶ。同じ体積に入っているエネルギーが最も多い、という比較記事の結論は、重さの側には効いていません。

1Whあたり何グラムか

割り算の中身です。公表の重量を、公表の Wh で割っただけ。

製品公表重量公表の Wh1Whあたり
CIO SMARTCOBY TRIO 67W SS約355g77.4Wh4.59g
オウルテック OEC-LPB10024-BK約182g38.5Wh4.73g
エレコム DE-C66-10000WH約230g37.0Wh6.22g
Anker A1388約260g(記載が割れる)記載なし計算できない

4.59 と 4.73 の差は3%です。 見た目には2倍近い355gと182gが、1Whあたりではここまで縮む。重いほうは重いなりに多く積んでいる、と読めます。

離れているのはエレコムです。1Whあたり1.63g、CIO より重い。 37.0Wh ぶんに直すと約60g。オウルテック1台(約182g)の3分の1にあたる重さが、同じエネルギーを持ち歩くために余分に鞄へ入る計算になります。 オウルテックの4.73g/Whでそろえた場合でも約55gです。

同じ製品で比べられる対照が1つだけある

CIO の同じシリーズには、容量も外寸も同じでセルがリチウムイオンの版があり、公表重量は約333g。半固体の SS 版は約355gで、+22g です。1Whあたりでは 4.30g から 4.59g へ、6.6% 増えています。

これは上の表に入れていない別の製品です。 同じ容量・同じ外寸で中身だけを替えた例が1つある、というところまでで、1例から電池の種類の話には広げられません。

Anker は、割られる側が3通りある

Anker A1388 は Wh も基準電圧も公表していないので、この割り算に入れません。比較記事の体積あたりでも同じ理由で空欄でした。ただしこの製品には、ほかの3製品に無い問題が重さの側にあります。割る前の重さそのものが、1つに決まらない。

  • 日本の商品ページ「約260g」
  • グローバルのサポートページ(同じ型番)「248g」
  • 購入者のレビュー本文には、そのどちらとも一致しない数字が出てくる

同じ製品の重さについて、読者がたどり着ける数字が3通りあります。 どれが正しいかは公表情報からは決められません。ここで約260gを採ったのは、比較記事と揃えるためです。

公式2ソースの差は12g。上で見た CIO の新旧はセルを丸ごと替えて+22gでした。中身を替えた差の半分以上が、同じ製品の公式ページどうしの食い違いで出ていることになります。

そして、その12gが1Whあたり何gなのかも出せません。Wh が無いので割る先が無い。 割れているうえに、割れ幅の意味も出せない。メーカー表記の容量をどこまで書くかが4段に分かれるという比較記事の基準1が、そのまま効いてくるところです。

4製品すべてに「重い」が出ている

購入者のレビューを横断すると、重さへの言及が4製品すべての低評価側に現れます。 薄い外観とのギャップ(Anker)、毎日の持ち運びには気になる(CIO)、少し重い(エレコム)、そして4製品で最も軽いオウルテックにも、モバイルバッテリーとしては重めだという指摘があります。

182gにも「重い」が出る。ここがこのテーマの中心です。1Whあたりで並べても、この声は説明できません。

手がかりは書かれ方です。オウルテックの指摘は、比べる相手がほかのモバイルバッテリーではなくスマートフォンと同等の重さという形で書かれている。g/Wh は製品どうしを並べる物差しで、鞄に入れて重いかどうかは、スマートフォンと合わせた合計で決まるとみられます。

高評価側は逆向きで、4製品とも軽さ・薄さ・携帯性が上位に並びます。同じ重さが、買ってよかった理由にも不満の理由にもなっている。 いずれも購入者の報告で、この記事で持ち比べたものではありません。

では、何を見ればいいのか

  • 重さだけで並べず、Wh で割る — 37Wh級と77Wh級を横に置けば2倍近い差が出ます。今回の3製品は4.59〜6.22g/Wh で、5g/Wh 前後に収まるかどうかがひとつの目安になります
  • Wh が無ければ、この計算はできない — メーカー表記の mAh に自分で電圧を掛ける手はありますが、置く電圧で答えが動きます(同じ1台にある2つのWhの見分け方)
  • 重量の公表を2か所で確かめる — 商品ページとサポートページで割れている製品がありました。海外メーカーでは英語ページの側も見ておくと気づけます
  • 合計で考える — 「重い」は鞄の中の合計で決まります。手持ちの端末の重さを足してから判断してください

買う前にやること

  1. 候補の Wh と重量を両方とも控える — 片方でも欠けると割り算になりません。複数のページを持つメーカーでは、重量そのものが割れていることもあります
  2. g で Wh を割って、候補どうしを並べる — 差が3%なら、そこは選ぶ理由になりません。3割あれば効きます
  3. 手持ちのスマートフォンの重さを足す — 「モバイルバッテリーとしては重め」という指摘は、その合計の話とみられます
  4. 重さ以外の欄も同じ目で見る — 容量・出力・充電時間の公表の深さは製品ごとに違います。4製品の公表値を段で並べた比較記事に並べてあります

体積あたりで1.35倍あった差が、重さあたりでは1.03倍。順位は同じで、開き方だけが変わりました。 そして4製品でいちばん軽い製品にも「重い」という声が出ています。1Whあたりの数字は製品どうしを並べる物差しであって、鞄の中で重いかどうかを決める数字ではない。 4製品を並べて効いたのはそこでした。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

モバイルバッテリーの比較を見る →

読み終えたあとに

  • 1Whあたりの重さで見当が付いても、そこから1台に決める段では、鞄の隙間に入る厚さか、何W出せるか、付属品で足りるかといった重さ以外の欄が残ることがあります。

    重さ以外の欄も並べた4製品の比較

    4製品でいちばん薄いのは、重さでいちばん軽い製品ではなく、厚さ16mmの別の1台でした。鞄の隙間に入るかどうかは、重さとは別の欄に出ています。

    厚さや出力など、重さでは決まらない欄を同じ4製品で並べています。

  • 重いほうは重いなりに多く積んでいる、と読めたところで、その多いぶんが自分の機種だと何回ぶんになるのかは、1Whあたりの重さからは出てきません。

    自分の機種で見積もる充電回数

    同じ4製品では、製品を替えても回数は0.1回しか動かず、割る側のスマートフォンを1,800mAhから3,000mAhに替えると1.3回動きました。

    取り出せる量を手元の機種の容量で割ると、回数がどこまで動くかを並べています。

  • 「重い」は鞄の中の合計で決まる、というところまで来ると、次に重いのは鞄そのもの、ということがあります。

    スーツケース本体の重さの並べ直し

    スーツケース側にも自重を容量で割った例があり、ハード4点は自重1kgあたり10.3〜12.2Lに収まる一方、そちらでは順位が容量の書き方しだいで入れ替わりました。

    同じ割り算を、本体重量2.1〜3.3kgのスーツケース5製品でやっています。

どれも商品ページの公表値と、手元にあるものの重さだけで確かめられる範囲の話です。この時点で1台に決めきらなくても構いません。

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運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。