HOW TO CHOOSE

デスクライト

デスクライトの1ワットあたりのルーメン|公表された効率でも分子と分母が揃っていない

mono-buzz 編集部

この記事をシェア

この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

デスクライト5製品の明るさを消費電力で割り、1ワットあたりのルーメンを出した。明るさと消費電力を突き合わせて選びたい人に向けて、メーカー自身が公表した効率でも分子が器具光束と定格光束(LED)に分かれること、分母の条件が5製品で揃わないことをメーカーの公表値から読み解いた。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

山田照明 Z-108NB とパナソニック SQ-LC570-W が公表した固有エネルギー消費効率を割り算の形に開いて並べた図。左は定格光束(LED)624lmを消費電力(LED)7.2Wで割って86.6lm/W、右は器具光束855lmを消費電力9.4Wで割って90.9lm/W。差は4.3ポイントだが分子のラベルが「(LED)」と「器具」で違う。下段は5製品の消費電力を6.5W(最大)・7.2W(LED)・8W・9.4W・約15W(調光100%時)と並べ、端から端で2.3倍あるものの5つとも別の条件で書かれた数字であることを示している
目次

仕様表の消費電力の欄に、6.5Wと書かれた製品と、約15Wと書かれた製品が並ぶことがあります。どちらも机の上に置く器具で、2.3倍。小さいほうがいいに決まっている、と読みたくなるところですが、この2台は明るさが同じではありません。

では明るさで割ればいい、という話になります。1ワットあたり何ルーメン出ているのか。 実際、5製品のうち2社は、その割り算を自分でやって仕様表に書いています。「固有エネルギー消費効率」という行がそれです。

ここで見るのは1点だけです。メーカーが自分で書いたその数字は、同じ土俵に載っているのか。 2026年9月時点の公表値で並べ直します。先に書くと、同じラベルの下で、分子も分母も別のものを指していました。

消費電力の欄は、5製品とも別の条件で書かれている

まず分母のほうから見ます。消費電力の行は5製品ぜんぶにありますが、括弧の中身が5通りに割れています。

製品メーカー表記の消費電力数字に付いている条件
BenQ ScreenBar Halo6.5W(最大) — 行のラベルが「消費電力(最大)」
山田照明 Z-108NB7.2W(LED) — 行のラベルが「消費電力(LED)」
サンワダイレクト 800-LED0908W条件なし(取扱説明書の新しい版は約8.5W)
パナソニック SQ-LC570-W9.4W条件なし
オーム電機 ODS-LDC6K-W約15W(調光100%時)

端から端で 15 ÷ 6.5 = 2.3倍。ただし片方は上限として書かれた値、もう片方は調光を全開にしたときの値です。大小を比べる前に、比べているものが違う。 条件なしの2点は、最大なのか常用なのかも書かれていません。

1ワットあたりのルーメンは、4製品で出せる

分子のほうを足します。並べる順番は、数字の大小ではなくメーカーが自分で割っているかどうかにしました。

製品1ワットあたりのルーメン分子 ÷ 分母(メーカー表記のラベルのまま)
山田照明 Z-108NB86.6(メーカー公表)定格光束(LED) 624lm ÷ 消費電力(LED) 7.2W
パナソニック SQ-LC570-W90.9 / 88.8(メーカー公表)器具光束 855lm・835lm ÷ 消費電力 9.4W
サンワダイレクト 800-LED09023.8(この記事の割り算)光束 190lm ÷ 消費電力 8W
オーム電機 ODS-LDC6K-W80.0 / 83.3(この記事の割り算)全光束 約1200lm・約1250lm ÷ 消費電力 約15W(どちらも調光100%時)
BenQ ScreenBar Halo出せない分子にあたる行が無い ÷ 消費電力(最大)6.5W

分子のラベルにも注目してください。器具光束・定格光束(LED)・全光束・光束の4通りあって、そのうえ記載なしが1つ。 明るさを名乗る数字が揃わない話は照度・測定距離・全光束・JIS形の4列で5製品を並べ直した比較記事にありますが、効率の分子でも同じことが起きています。

公表されている4件は、四捨五入ではなく切り捨てだった

公表値を検算すると、丸められた向きまで見えます。

  • 855 ÷ 9.4 = 90.957… → 公表は 90.9(四捨五入なら91.0)
  • 835 ÷ 9.4 = 88.829… → 公表は 88.8
  • 624 ÷ 7.2 = 86.666… → 公表は 86.6(四捨五入なら86.7)
  • 1057 ÷ 11.5 = 91.913… → 公表は 91.9(山田照明の別機種 Z-10G。今回の5点には入っていません)

4件とも、小数第2位以下を切り捨てた値と一致します。 うち2件は四捨五入なら別の数字になるので、偶然ではありません。分子と分母をそのまま割った結果が書かれている、と確かめられます。

その4.3ポイントは、同じものどうしの差ではない

ここが本題です。公表されている86.6と90.9を並べると差は4.3ポイントですが、割る前の2つが別のものを指しています。

山田照明 Z-108NB の仕様表は、明るさ・消費電力・効率の3行そろって「(LED)」が付きます。 「定格光束(LED)|624lm」「消費電力(LED)|7.2W」「固有エネルギー消費効率(LED)|86.6lm/W」。そして同じ表の別の行に「光源仕様|E26 LED電球(昼白色)7.2W×1」があり、同じ7.2Wが、挿さっている電球の定格として出てきます。 この製品は交換球の型番(適合ランプ No.255S/使用可能ランプ LDA7N-G/2)まで公表しているので、球は替えられる。替えれば分子も分母も動く側の数字とみられます。

パナソニック SQ-LC570-W のほうは、分子のラベルに「器具」が入っています。「器具光束|855 lm(文字くっきり光)」÷「消費電力|9.4 W」で、分母には条件が付いていません。

同じ「固有エネルギー消費効率」という行名の下で、片方は「(LED)」と断られた側の数字、もう片方は器具と書かれた側の数字。 山田照明が器具全体としての消費電力を書いているところは、同社の2つある公式ページのどちらにもありません。4.3ポイントを「こちらのほうが効率が良い」とは読めない、というのがここまでの結論です。

同じ1台の中でも、効率の数字は動く

そもそも1つの製品につき1つの数字、にもなっていません。

パナソニックは光色ごとに2つ書いています。文字くっきり光で90.9、パソコンくっきり光で88.8。切り替えるだけで2.1ポイント動く。 2社をまたいだ4.3ポイントの、およそ半分がこの1台の中にあります。分子の器具光束も855lmと835lmの2つで、同じ855lmを各段の割合に掛けて調光の下限を出した話は7段調光の各段をルーメンに直した記事にあります。あちらは掛け算、こちらは割り算です。

サンワダイレクト 800-LED090 は、公表値そのものが同社の資料の中で2組に割れています。商品ページの仕様表は190lm・8W、取扱説明書の新しい版は最大約230LM・約8.5W。この2組で割ると 23.8 と 27.1 になります。

  • 山田照明とパナソニックのあいだ … 90.9 ÷ 86.6 = 1.05 で、開きは約5%
  • サンワダイレクト1製品の中 … 27.1 ÷ 23.8 = 1.14 で、開きは約14%

社をまたいだ開きより、1つの型番の中で資料を持ち替えたときの開きのほうが、3倍近く大きい。 どの資料を開いたかで、効率の数字は先に動きます。

消費電力がいちばん小さい製品だけが、割り算のできない側にいる

BenQ ScreenBar Halo の6.5Wは、5製品で最も小さい数字です。ところが**「ルーメン」「lm」という語が、仕様タブにも商品ページにも1度も出てきません。** 割る相手そのものが無いので、この製品でだけ1ワットあたりのルーメンが出ない。比較記事が「他の4製品では出せる」と書いて止まったのは、この製品の節でした。

同社の後継2機種も同じ形です。消費電力(最大)は8.5Wと15Wと書かれていますが、公表されている明るさは中央照度、つまりルクス。ルクスは机の面の1点の値なので、ワットで割ってもルーメン毎ワットにはなりません。 世代が変わっても、分子が出てこない側にいます。

明るさの列で起きたことが、消費電力の列でも起きている。 5製品ぜんぶが同じ条件で埋まる列は、ここにもありませんでした。

購入者の指摘は、電力そのものより給電側に出ている

BenQでは、モニターのUSBポートにつなぐと電力が足りず点滅する、PCのUSBでは反応しない、1.5A以上を出せる電源でないと点滅する、という報告が繰り返し出ています。6.5Wという数字が効いたのは、効率としてではなく給電元の余裕としてでした。 その読み方は給電元とアダプターで並べ直した比較記事の基準3にあります。

オーム電機では、電源アダプターの大きさについての指摘が出ています。約15Wを供給するのは付属の専用ACアダプターで、机か足元に1つ増える。消費電力の数字が小さいことと、アダプターが増えないことは別の話です。この5製品では、いちばん大きい15Wの製品にアダプターが付き、いちばん小さい6.5Wの製品はモニターやPCのUSBから取る前提で書かれています。

では、何を見ればいいのか

1. 効率の行を見つけたら、そのすぐ上下の2行を見る — 分子と分母がその表の中にあるかどうか。公表されている効率は、その2つを割っただけの数字です。

2. 分子のラベルを読む — 今回は器具光束・定格光束(LED)・全光束・光束の4通りに割れ、記載なしが1つありました。「器具」と「(LED)」は、含んでいる範囲が違う可能性があります。

3. 分母の括弧を読む — 最大・(LED)・調光100%時・条件なし。条件なしが最大値なのかどうかは、書かれていません。

4. 効率が無くても、分子と分母が揃っていれば自分で割れる — 5製品のうち2点はこれで出ました。ただし出した値を他社と並べるのは、同じ形の中までです。

買う前にやること

  1. 消費電力の行を、括弧ごと書き写す — 「6.5W」ではなく「消費電力(最大)6.5W」まで。条件を落とすと、並べたときに揃っているように見えてしまいます
  2. 明るさの行のラベルも書き写す — 器具光束か、定格光束(LED)か、全光束か、光束か。効率を比べていいかどうかは、ここで決まります
  3. 効率が書いてあれば、自分で割って検算する — 今回は4件とも切り捨てで一致しました。合わないなら、分子か分母が別の条件の値です
  4. 並べるのは同じ形の中まで。電気代の見当は付けない — 待機電力が5製品とも記載なしなので、年間の数字は作れません
  5. 明るさそのものは、効率とは別の列で見る — 明るさを名乗る4つの数字を並べ直した比較記事のほうに、その列があります

1ワットあたりのルーメンは、メーカーが自分で割って書いてくれている数少ない数字です。それでも、割る前の2つが何を指しているかが揃っていない。 効率の行があるかどうかより、その上下2行に何と書いてあるかのほうが、読むべき場所でした。2026年9月時点の公表値から言えるのは、ここまでです。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

デスクライトの比較を見る →

読み終えたあとに

  • 効率の列では候補を分けられないと分かったあと、では明るさの欄の何で絞るのか——照度とルーメンとJIS形が同じ「明るさ」の欄に並んでいるところで止まることがあります。

    明るさの数字を4つの列に分けた比較記事

    効率で順位が作れなくても、明るさの側は照度・測定距離・全光束・JIS形の4つに分けて読めます。ただしその4列も、5製品すべてが埋まるものは1つもありません。

    明るさを名乗る4つの数字を、照度・測定距離・全光束・JIS形の列に分けて並べています。

  • 消費電力が「最大」や「調光100%時」の条件で書かれていると分かったあと、では実際に使う明るさまで下げたときに何がどこまで落ちるのか、というところが残ることがあります。

    調光の下限を何分の1かに直した記事

    下げた先を数字にできるのは同じ5製品で2点、効率を公表しているのも2点で、両方に載るのはパナソニックの1点だけです。

    7段調光の各段を器具光束に掛けて、最も暗い段が何分の1まで落ちるかを出しています。

効率の行は、その上下2行のラベルを括弧ごと書き写しておけば、製品を決めるのが後日になっても同じ判定ができます。ここで1台に絞らなくても構いません。

この記事をシェア

運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。