HOW TO CHOOSE
デスクライトデスクライトのLED寿命は何年か|時間を年に直す条件を書いた社が、寿命を書いていない
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
デスクライト5製品のLED寿命と保証を、時間・年・割合の3つに直して並べ直した。切れたら球だけ替えられるのかを買う前に知りたい人に向けて、年に換算する条件が寿命を書かない社の説明書にしか無いことと、割合を出せるのが2製品だけであることを公表値から読み解いた。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
仕様表に「LED寿命|30000時間」と書かれている。別の製品には「光束維持時間は40000時間」とある。時間で書かれているのだから、1日何時間点けるかを決めて割れば年数が出るはずです。ところが、その割る相手が同じページのどこにもありません。
尽きたときに何を替えるのかも、製品ごとに答えが違います。球の型番まで書いている製品があり、「交換不可」と明記しながら時間を1文字も書いていない製品がある。
見るのは1つです。公表されている時間は、誰の時計で、どこまでの時計なのか。 2026年9月時点のメーカーの公表値で並べ直します。先に書くと、割り算に要る2つの数字が、別々の会社の紙に載っていました。
寿命の行は、3つの別の名前で書かれている
| 製品 | 寿命のメーカー表記 | 終わりの定義 | 書いてある場所 |
|---|---|---|---|
| サンワダイレクト 800-LED090 | LED寿命 30000時間 | 記載なし | 商品ページの仕様表の行 |
| 山田照明 Z-108NB | LEDモジュール寿命 40000/LEDモジュール光束維持時間 40,000h | 記載なし | 2つの公式ページで行の名前が違う |
| パナソニック SQ-LC570-W | 光束維持時間は40000時間(光束維持率70%) | 光束維持率70% | 商品ページの注記。仕様タブに寿命の行が無い |
| BenQ ScreenBar Halo | 記載なし | 記載なし | 仕様タブに寿命の行が無い |
| オーム電機 ODS-LDC6K-W | 記載なし | 記載なし | 商品ページにも取扱説明書にも行が無い |
行の名前が3通りあります。 「LED寿命」「LEDモジュール寿命」「光束維持時間」。最後の1つだけが、何をもって終わりとするか——光の量が最初の70%まで落ちること——を語で言っている。残る2つは、点かなくなるまでなのか、暗くなってきたところまでなのかを言っていません。山田照明にいたっては同じ40000を2つの公式ページで別の名前で書いていて、片方は単位そのものが付いていない。
年に直す条件は、寿命を書いていない社の説明書にある
時間を年に直すには、1年に何時間点けるかが要ります。その数字は、5製品の中に1つだけありました。 オーム電機の取扱説明書の「安全点検について」に「使用条件は周囲温度30℃、1日10時間点灯、年間3000時間点灯(JIS C8105-5解説による)。」とあります。
そしてこのオーム電機は、寿命を1文字も書いていません。 割る側の条件を持つ社が、割られる側の時間を持っていない。時間を書いている3社は、それを年に直す条件を書いていない。割り算に要る2つの数字が、別々の会社に分かれて置かれています。
- サンワダイレクト 800-LED090 … 30000 ÷ 3000 = 10.0年
- 山田照明 Z-108NB/パナソニック SQ-LC570-W … 40000 ÷ 3000 = 13.3年
この換算率には、もう1つ読める中身があります。3000 ÷ 10 = 300日。 1日10時間で年間3000時間ということは、365日のうち300日ぶんしか数えていない。 毎日欠かさず10時間なら1年は3650時間で、この条件の約1.2倍の速さで同じ時間に届きます。年数は、割る前から2割ぶん動いているということです。
ポータブル電源の寿命と保証を年に揃え直した記事では、「4,000回」と「1日1回」が同じページに並んでいて、割り算が1社の中で閉じていました。このカテゴリでは閉じていません。
保証の年数は、その時計のどのあたりで切れるのか
| 製品 | 保証のメーカー表記 | 書いてある場所 |
|---|---|---|
| サンワダイレクト 800-LED090 | 購入日より6ヶ月 | 商品ページの仕様表の行(5製品で唯一) |
| パナソニック SQ-LC570-W | 本体1年/アダプタ本体3年 | 商品ページの「保証期間のお知らせ」。仕様タブに行が無い |
| オーム電機 ODS-LDC6K-W | 本体1年間(お買い上げの日から) | 取扱説明書に綴じ込まれた保証書。商品ページに記載なし |
| 山田照明 Z-108NB | 記載なし | 2つの公式ページのどちらにも行が無い |
| BenQ ScreenBar Halo | 記載なし | 仕様タブに保証の行が無い |
仕様表の行として保証を持っているのは1点だけです。1点は商品ページの別の場所、1点は箱を開けないと出てきません。記載なしの2点は、保証が無いという意味ではありません。
寿命があるのは3点、保証の年数があるのも3点。ただし顔ぶれが1点ずつずれていて、両方そろうのは2点だけです。
| 製品 | 保証の年数 | 年に直した寿命 | 保証が占める割合 |
|---|---|---|---|
| サンワダイレクト 800-LED090 | 0.5年 | 10.0年 | 5.0% |
| パナソニック SQ-LC570-W(本体) | 1年 | 13.3年 | 7.5% |
| パナソニック SQ-LC570-W(アダプタ) | 3年 | 13.3年 | 22.5% |
| 山田照明 Z-108NB | 記載なし | 13.3年 | 出せない |
| オーム電機 ODS-LDC6K-W | 1年 | 記載なし | 出せない |
| BenQ ScreenBar Halo | 記載なし | 記載なし | 出せない |
出せない3点は、欠けている側がそれぞれ違います。片方は保証だけ、片方は寿命だけ、最後の1点は両方ありません。
いちばん長い保証が付いているのは、光らない側だった
最も大きい割合は22.5%ですが、本体ではなくアダプタの行に付いています。パナソニックの一文は「LEDデスクスタンド本体の保証期間は1年です。アダプタ本体の保証期間は3年間です。」。光る側が1年で、電源側が3年。3倍です。 最も短い5.0%と比べれば4.5倍。
比較記事はこの一文を、机の上にアダプターが増えるかどうかの手がかりとして使いました。仕様タブが「AC100V」「コード1.7m付」としか書かないからです。年数として読み直すと、存在すら仕様表に書かれていない部品が、本体の3倍の年数で引き受けられていることになります。
開き方も逆です。寿命は30000と40000で1.33倍しか離れていないのに、保証は6ヶ月・1年・3年で6倍開く。揃っていないのは寿命の側ではなく、保証の側でした。
「光束維持率70%」を、いまの調光の段に置き直す
終わりの定義を書いているのはパナソニックだけです。40000時間は、光の量が最初の70%まで落ちるまでの時間、ということになります。この製品は器具光束も公表しているので、掛け算ができます。
- 855lm(文字くっきり光)× 70% = 598.5lm とみられる(もう1つの光色835lmなら584.5lm)
同じ製品の7段調光は各段の割合まで公表されていて、7段調光をルーメンに直した記事の値と突き合わせると、598.5lm は約65%の段(555.8lm)と約80%の段(684lm)のあいだに入ります。40000時間の終点でいちばん明るくした状態は、いまの調光でいう6段目より下。 ダイヤルを一段上げても届かない場所に、上限のほうが下りてくる。維持率という語が指しているのは、こういう状態です。時間の終わりは、点かなくなる日ではありません。
40000時間が来たとき、替えるのは球か、器具か
| 製品 | 光源の寿命 | 光源の交換 |
|---|---|---|
| 山田照明 Z-108NB | 40000(h) | E26 LED電球7.2W×1。適合ランプ No.255S/使用可能ランプ LDA7N-G/2 |
| オーム電機 ODS-LDC6K-W | 記載なし | チップ型LED(交換不可) |
| サンワダイレクト 800-LED090 | 30000時間 | 記載なし(LED 66粒とだけある) |
| パナソニック SQ-LC570-W | 40000時間(光束維持率70%) | 記載なし |
| BenQ ScreenBar Halo | 記載なし | 記載なし |
両方書いてあるのは1点、両方書いていないのが1点、残る3点は片方だけ。 そして並びが噛み合っていません。交換できると書いた製品が時間を持ち、交換できないと明記した製品が時間を持っていない。
球を替えられる製品では、その40000時間が誰の時間なのかが効いてきます。山田照明の40000時間は、製品ページでは「[光源仕様]」の欄に光束624lm・消費電力7.2W・効率86.6lm/W と並んで置かれています。効率の分子と分母を開いた記事で見たとおり、その3つは仕様表で「(LED)」と断られた側の数字で、同じ欄にある40000時間も球側の値とみられます。だとすれば、球を替えた時点でこの時計は戻る。 器具のほうは、その先も続きます。
ただし「LEDモジュール」が交換できる球そのものを指すとは書かれていないので、断定はできません。 交換の可否だけを見た並びは、5製品の公表値を条件ごとに並べ直した比較記事にあります。
器具の時計を書いた社は、5製品で0
ここまでの時間は、すべて光源の時間です。器具そのものが何年もつかを書いた製品は1つもありません。
いちばん近いのは、またオーム電機の取扱説明書でした。年間3000時間と同じ「安全点検について」の欄に、6〜8年で内部の部品の劣化が進む、という趣旨の注意が並んでいます。光源の寿命を書いていない社が、器具の側の年数だけを書いている。 ただし13.3年と6〜8年は別の量です。片方は光が7割まで落ちるまでの時間、もう片方は器具の内部についての注意で、同じ物差しには載せられません。
購入者の指摘は、壊れたことよりも「書かれていないこと」に出ている
オーム電機では、交換できない光源への不安と、寿命についての情報が足りないという指摘が複数出ています。壊れたという報告ではなく、仕様表に書かれていないこと自体が不満として挙がっている。
山田照明では逆が起きています。光源を交換できないものと受け取って買い替えをためらったという声が出ている。この製品は交換球の型番まで公表しているので、書いてあるのに届いていない。
経年の指摘は器具の側に出ています。時間が経つとアームが下がる、樹脂の部品が劣化する、という内容が繰り返し挙がっている製品がある。どれも光源の時間とは別の場所の話です。なお、保証の長さから壊れやすさは読めません。
では、何を見ればいいのか
1. 時間の行を、行の名前ごと読む — 「光束維持時間」は、点かなくなるまでではなく暗くなるまでの時間です。
2. 維持率が書いてあるか — 書いてあるのは1点だけ。維持率のある時間だけが、終点の明るさを計算できます。
3. 年に直す条件が、そのページにあるか — どの商品ページにもありませんでした。
4. 光源の行に、交換の可否が書いてあるか — 書いていないのは3点。「書いていない」は「できない」ではありません。
5. 保証が、本体と付属品で分かれていないか — 長いほうの年数が、光を出す部分に付いているとは限りません。
仕様表の時間を、自分の年数に直す手順
- 時間の行を、行の名前と括弧ごと書き写す — 「40000時間」だけだと、維持率が付いていたかが後で分かりません
- 1日の点灯時間と、年に点ける日数を掛けて分母を作る — 今回の年間3000時間は1日10時間×300日ぶんでした
- 時間をその分母で割る — 30000時間なら10.0年、40000時間なら13.3年。分母を変えれば年数はそのまま動きます
- 維持率が書いてあれば、全光束に掛ける — 終点で何ルーメン残るかが出ます
- 光源の行で、球か、一体型か、記載なしかを分ける — 替えられるなら、買い直すのは器具ではなく球です
- 保証を3か所で探す — 仕様表の行、商品ページの注記、箱の中の保証書。今回はこの3か所に1点ずつ分かれていました
「40000時間」は、それだけでは年数になりません。年に直す条件は1社の説明書にしかなく、その社は寿命を書いていない。 終わりをどこで切ったかを書いているのも1社だけ、保証の割合を出せるのは2点だけでした。読むべきなのは時間の大きさではなく、その時間に条件が付いているかどうか。 2026年9月時点の公表値から読めるのは、ここまででした。