HOW TO CHOOSE

据置型宅配ボックス

宅配ボックスの本体重量と固定具|18kgと9kgの差を外皮1m²あたりで読み直す

mono-buzz 編集部

この記事をシェア

この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

据置型宅配ボックス4製品の本体重量と付属の固定具を、外寸から出した外皮1m²あたりの重量で並べ直した。玄関先に置いて持ち去られないか気になる人に向けて、重量の2.0倍差が外皮あたりでは1.4倍に縮むことと、付属ワイヤー2mが本体を一周すると27cmしか残らないことを公表値から示した。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

据置型宅配ボックス4製品のうち重量を公表している3製品について、本体重量の比と外皮1m²あたりの重量の比を、最も軽い9kgの製品を1.0として並べた棒グラフ。重量では18kgが2.0倍・15.8kgが1.8倍と開くのに、外皮1m²あたり(10.2・8.6・7.2 kg/m²)では1.4倍と1.2倍まで縮み、重量を公表していない1製品はどちらの比も引けない
目次

玄関先に宅配ボックスを置くと、中身より先に箱そのものが気になります。荷物は施錠されるとして、箱ごと持って行かれたらどうするのか。

据置型4製品を比べた記事では、この点を2文で済ませました。「本体重量も防犯に直結します。9kgなら大人1人で持ち去れる重さです」。書いたのはそこまでで、4製品の重量を横に並べてはいません。

並べます。ただし重量をそのまま比べると読み違えます。 以下は2026年9月時点で各社が公表していた値です。

重量と材質を公表しているのは、4製品中3つ

製品外寸(mm)本体重量材質の公表表記
① 1段式490 × 375 × 780記載なし記載なし
② 140L400 × 400 × 90018 kg亜鉛メッキ鋼板
③ HAZUKI410 × 360 × 100015.8 kg合金鋼 0.8mm + 防錆処理・パウダーコート
④ YouTen350 × 350 × 7209 kgステンレス

製品名は順に、① ポスト一体型 宅配ボックス 1段式、② ポスト一体型 宅配ボックス 140L 複数投函対応、③ PYKES PEAK 宅配ボックス HAZUKI、④ YouTen ステンレス 宅配ボックス ポスト一体型です。

外寸は4製品とも3辺そろっています。ところが重量は①だけが空欄で、材質も①だけが空欄。板厚まで書いているのは③だけです。比較記事に書いた「9〜18kg」という幅に、①は入っていません。 入れようがない。

18kgと9kgは2.0倍。外皮で割ると1.4倍に縮む

18kgと9kgを並べれば2.0倍の差に見えます。ただし②は 400 × 400 × 900mm、④は 350 × 350 × 720mm で、箱の大きさがそもそも違う。 大きい箱は板を張る面積が広いぶん重くなります。

そこで、外寸から箱の外皮の表面積を出して、本体重量をそれで割ります。直方体の6面の合計です。

製品本体重量外皮の表面積外皮1m²あたり
① 1段式記載なし1.72 m²計算できない
② 140L18 kg1.76 m²10.2 kg/m²
③ HAZUKI15.8 kg1.84 m²8.6 kg/m²
④ YouTen9 kg1.25 m²7.2 kg/m²

10.2 と 7.2 の差は 1.4倍。重量そのものでは2.0倍あった開きが、外皮あたりでは1.4倍まで縮みました。③にいたっては、②より軽いのに表面積は最大で、外皮あたりでは②と④の間に入ります。

つまり②が重い理由の多くは、板が厚いからではなく箱が大きいからです。高さは900mmと720mm、設置面積は400×400mmと350×350mm。ここを分けずに「18kgのほうが丈夫そう」と読むと、大きさの差を丈夫さと取り違えることになります。

外皮あたりの数字も、板厚そのものではない

板厚を公表しているのは③だけなので、③でだけ検算できます。

表面積 1.84m² に厚さ0.8mmの鋼板を張ると、鋼の密度をおよそ 7.85 g/cm³ として、板だけで約 11.5kg。公表されている本体重量は 15.8kg なので、**差は約 4.3kg、全体の約27%**です。扉の重なり、仕切り、脚、錠、蝶番。板の面積には現れない部分が、これだけ乗っているとみられます。

だから外皮1m²あたりの数字は、板厚の代わりにはなりません。扉や仕切りの多い製品ほど、板が薄くても数字は上がります。 読めるのは「重量の差のうち、どれだけが箱の大きさの差なのか」までです。

重量を公表しない①は、この列に載らない

①は本体重量が記載なしなので、割り算の相手がいません。ケーブルトレーのメーカー表記の耐荷重を本体重量で割った記事でも同じことが起きていました。重量の非公表は、それ自体は小さな欠落に見えて、ほかの数字を検証する足場を失わせます。

参考までに、他の3製品が収まった 7.2〜10.2 kg/m² を①の表面積 1.72m² に当てると 12〜18kg の幅に入る計算になりますが、これは公表値ではないうえ、幅が5kg以上ある。1人で持ち上がるかどうかを決めるには広すぎます。①については、重量の話ができません。

固定具は、付属の有無より「どれだけ付くか」が揃っていない

重量が使いにくいなら、固定具のほうを見ることになります。

製品固定具の公表表記ワイヤーの長さアンカーの本数
① 1段式アンカーボルト + ワイヤー2m + 南京錠2 m記載なし
② 140Lアンカーボルト×4 + ワイヤー×1記載なし4本
③ HAZUKI別売(アンカー固定に対応)付属なし付属なし
④ YouTenアンカーボルト付属付属なし記載なし

ワイヤーの長さを公表しているのは①だけ、アンカーの本数を公表しているのは②だけ。 両方書いている製品はありません。付属するかどうかは4製品とも書いているのに、どれだけ付くかは揃っていない。

③はアンカーそのものが別売で、固定するなら別途手配が要ります。④は「アンカーボルト付属」とだけあり、本数が分かりません。

ワイヤー2mは、本体を一周すると27cm残る

長さが分かっている①で、2mが何に足りるかを見ます。

外寸 490 × 375mm の水平断面を一周すると 1.73m。ワイヤー2mから引くと、残りは 27cm です。

27cmでは、本体を一周させたうえで柱や手すりまで回し、端どうしを南京錠でつなぐ、という通し方は成り立ちにくい。本体に一周させるか、構造物へ回すか、どちらかに寄せることになります。 構造物が箱のすぐ隣にあるかどうかで、同じ2mの意味が変わる。

なお①がワイヤーをどこに通す設計なのかは公表されていないので、これは一周させる前提で見た数字です。②③④は長さの記載そのものが無く、この計算ができません。

購入者レビューが重量について言っていること

4製品のレビュー由来の指摘のうち、重量と固定に触れているものはごく限られます。そして盗難そのものの報告は、4製品を通して1つもありませんでした。

出ているのは、むしろ逆向きの指摘です。③について、本体が大きく重いため1人での設置が難しいという報告がありました。③は15.8kg、②は18kg。重さは持ち去りにくさの側に効く一方で、置くときには自分に返ってきます。 逆に④は9kgで最も軽く、そのぶん固定を前提に考えたほうがいい製品と読めます。

では、何を見ればいいのか

1. 本体重量が公表されているか

公表されていなければ、割り算も比較もできません。今回の4製品では①がその状態でした。

2. 外寸から表面積を出して、重量を割る

箱の大きさの差を落としてから比べられます。今回は 7.2〜10.2 kg/m² に収まりました。この範囲から大きく外れる製品があれば、構造か材質が違う可能性を疑う材料になります。

3. 板厚が公表されているか

4製品で③だけでした。材質欄が「ステンレス」「亜鉛メッキ鋼板」だけの場合、厚みは分かりません。

4. 固定具は「何が」ではなく「どれだけ」で見る

アンカーの本数、ワイヤーの長さ。両方まで書いている製品は今回ありませんでした。ワイヤーを回す相手が玄関の何cm先にあるかは、製品側ではなく自分の側で測る数字です。

置く前にやること

  1. 箱を置く位置と、ワイヤーを回せる構造物までの距離を測る — 柱、手すり、面格子、既存の門柱。本体を一周する1.73m相当を引いた残りで届くかを見る
  2. アンカーが打てる床かを確認する — コンクリート、タイル、土間。賃貸なら打ってよいかの確認が先です
  3. 打てないなら、ワイヤーの長さを自分で決める — 長さが公表されていない製品では、別途用意する前提で考えたほうが早い
  4. 重量が確認できない製品は、固定側を厚く見る — 重さで判断できないぶん、アンカーとワイヤーの両方を用意しておく
  5. 設置は2人でやる前提を置く — 15.8kgの製品では、1人での設置が難しいという報告がありました
  6. 比較表に戻る — 4製品の重量・材質・固定方法を公表値のまま並べた比較記事で、開口や連続投函と合わせて確認してください

まとめ

本体重量は、そのまま並べても丈夫さの比較になりません。18kgと9kgの2.0倍差は、外皮1m²あたりで見ると1.4倍まで縮む。差の多くは箱の大きさです。

重量を公表していない製品は、この計算に載らない。固定具のほうも、ワイヤーの長さを書いているのが1製品、アンカーの本数を書いているのが別の1製品で、両方書いた製品はありませんでした。比べられるのは、公表されている数字までです。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

据置型宅配ボックスの比較を見る →

読み終えたあとに

  • 重量では候補を絞りきれないと分かったあとに、開口や背面のすき間、施錠方式といった残りの条件をどこで見比べるかが決まらないことがあります。

    設置条件まで並べた据置型4製品の比較

    重量と固定具は4製品を分ける軸の1つで、開口や設置条件は同じ4製品を公表値のまま並べた記事のほうにあります。

    重量と材質、固定方法を、開口や設置条件と同じ表に並べてあります。

  • 重い製品ほど板が厚いのではなく箱が大きいのだと分かると、その大きさで何が受け取れるようになるのかが次に気になることがあります。

    宅配ボックスの2便目は入るのか

    箱の大きさの差は、外皮の面積と重量だけでなく、荷物が通る口の数と最小辺のほうにも出ます。

    同じ4製品の9つの口を、いちばん短い辺で並べ直しています。

候補の外寸から外皮の表面積を出して重量を割るところまでは手元でできるので、この時点で1台に決めなくても構いません。

この記事をシェア

運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。