HOW TO CHOOSE
据置型宅配ボックス宅配ボックスの設置スペース|外寸に扉ぶんを足すと床の奥行きは1.8倍前後
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
据置型宅配ボックス4製品の外寸と荷物室の開口を突き合わせ、扉が前方に振れるぶんの床を見積もった。玄関先の何を測ればいいのか決めかねている人に向けて、開口のどの辺が高さ方向かを外寸から特定し、必要な床の奥行きが外寸の1.8倍前後になることを示した。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
玄関ポーチの隅にメジャーを当てて、幅と奥行きを測る。商品ページの外寸と見比べて、これなら置ける、と判断する。
そこまでは合っています。足りないのは、そのあとです。据置型の宅配ボックスは、扉が前に開きます。 箱が収まるだけの床が空いていても、扉が振れるぶんの床が塞がっていれば、荷物は取り出せません。
据置型4製品を並べた比較記事の「この記事が向いていない人」に、「玄関前に幅35cm×奥行35cm以上の平坦なスペースが取れない人」と書きました。あれは最小の製品の外寸そのもので、扉が開くぶんは入っていません。
この記事で答えるのは1つです。玄関先の何を測って、カタログのどの数字と突き合わせればいいのか。 以下は2026年9月時点で各社が公表していた値です。
外寸だけを並べると、床に取られる面積は1.50倍まで開く
まず、扉を閉じた状態の数字から。
| 製品 | 外寸 幅×奥行×高さ(mm) | 床に取られる面積 |
|---|---|---|
| ① 1段式 | 490 × 375 × 780 | 0.184 m² |
| ② 140L | 400 × 400 × 900 | 0.160 m² |
| ③ HAZUKI | 410 × 360 × 1000 | 0.148 m² |
| ④ YouTen | 350 × 350 × 720 | 0.123 m² |
製品名は順に、① ポスト一体型 宅配ボックス 1段式、② ポスト一体型 宅配ボックス 140L 複数投函対応、③ PYKES PEAK 宅配ボックス HAZUKI、④ YouTen ステンレス 宅配ボックス ポスト一体型です。
最大の①と最小の④で、床に取られる面積は1.50倍の差。高さは720〜1000mmと280mm開きますが、足元の空きには効きません(インターホンや水栓の位置には効きます。後で戻ります)。
ここまでは外寸の欄を読めば出ます。問題は、この面積が扉を閉じたときのものだ、ということです。
開口の3辺のうち、どれが高さ方向かは外寸で決まる
荷物室の開口は4製品とも公表されています。ただし呼び名も、書いてある辺の数も揃っていません(口の呼び名の話は9つの口を最小辺で並べ直した記事にまとめました)。
そのうえ、どの辺が幅で、どの辺が高さなのかを、どの製品も書いていません。 360 × 310 × 536 と並んでいるだけです。
ただし、箱に開いた口である以上、外寸を超える辺はありえません。 ここから1辺だけは機械的に決まります。
| 製品 | 荷物室の開口(公表表記) | 高さ方向と決まる辺 | 残った辺 |
|---|---|---|---|
| ① 1段式 | 下扉内寸 360 × 310 × 536 | 536(外寸の490も375も超える) | 360 と 310 |
| ② 140L | 下部投函口 310 × 380 | 決まらない(どちらも400以下) | 310 と 380 のまま |
| ③ HAZUKI | 投函・取り出し口 317 × 340 × 460 | 460(外寸の410も360も超える) | 317 と 340 |
| ④ YouTen | 下段取り出し口 280 × 505 | 505(外寸の350を超える) | 280 |
面白いのは④です。辺を2つしか書いていない④が、いちばんはっきり決まります。 505mmが高さ方向なら、残った280mmは横方向にしかならない。3辺書いてある①と③は、残り2つのどちらが幅かが決まらないまま残ります。数字を多く公表するほど読み手が決められる、とは限らない。
②だけは1辺も決まりません。310も380も、外寸の400×400にどちらの向きでも収まってしまいます。
扉が振れるぶんは、残った辺から出る
扉は口をふさぐ板です。板の幅が口の横幅より狭いことはありません。 そして前に開く扉なら、90度まで開いたときに板は前方へ板の幅ぶん張り出します。
つまり、口の横方向の辺が、前方に要る空きの下限になります。
| 製品 | 外寸の奥行 | 前方に要る空き | 床の奥行き(外寸+前方) |
|---|---|---|---|
| ① 1段式 | 375 mm | 310〜360 mm | 685〜735 mm |
| ② 140L | 400 mm | 310 mm 以上 | 710 mm 以上 |
| ③ HAZUKI | 360 mm | 317〜340 mm | 677〜700 mm |
| ④ YouTen | 350 mm | 280 mm | 630 mm |
どれも、外寸の奥行きの1.8倍前後になります。「幅35cm×奥行35cm」で書いた④も、扉を開けて荷物を出す前提なら、奥行きは63cmで見ておくことになる。カタログの外寸だけで測ると、必要な床の奥行きは半分ほどしか見ていない。
上限のほうも押さえられます。扉は本体の前面に付く板なので、外寸の幅より広くはならない。 ①なら490mm、②なら400mm、③なら410mm、④なら350mmが上限です。床の奥行きに直すと、①が865mm、③が770mm、④が700mmまで。下限で1.8倍前後、上限まで見れば2.0〜2.3倍の範囲に入ります。
なお①だけは、公表されているのが口ではなく下扉の内寸です。扉の板は内寸より外側に付くので、上限側へ振れる余地は①がいちばん大きい。
公表の外寸が、置くのに要る空間の下限でしかないという形は、このカテゴリに限りません。ヘアドライヤーでも、付属のフードを付けると幅が45mmと51mm増え、折りたたむと逆に幅が18mm増える製品がありました。違うのは、あちらは同じ社が本体のみとフード付きの2組を書いているので引き算で確定することです。ここで出した1.8倍は、扉が振れる構造からの見積もりで、そこまでの確かさはありません。
「扉の開き」の列は、狭い玄関では容量より効く
比較表には「扉の開き」の列があります。公表表記は、右開きが2製品、両開き対応が2製品でした。
| 製品 | 扉の開き(公表表記) | 振れる側を選べるか |
|---|---|---|
| ① 1段式 | 右開き | 選べない |
| ② 140L | 両開き対応 | 選べる |
| ③ HAZUKI | 右開き | 選べない |
| ④ YouTen | 両開き対応 | 選べる |
両開き対応は、扉が振れる側を選べるということです。 右の前方に柱や壁が張り出している玄関なら、開く向きを反対へ振れる。右開きと書かれた①③では、その逃がし方ができません。
ここは注意が要ります。「右開き」がヒンジの側を指すのか、扉が開いていく向きを指すのかは公表されていない。確実に言えるのは、選べるかどうかだけです。
そのうえで見ると、前方の空きが最小の280mmで、しかも振れる側を選べるのは④。狭い場所ではこの2つが同時に効きます。逆に①は、床の面積も前方の空きも4製品で最大で、開く向きも固定。容量の列だけを見ていると、この順序は出てきません。
レビューが指しているのは、外寸に出ない側
購入者の指摘にも、外寸表に現れない空きの話が出ています。
②には、背面を壁に密着させると上部扉が干渉して開けられないという指摘があります。単発の報告で個体差や設置状況による可能性もありますが、届いてから気づくと置き場所ごと変えることになるので落とせません。扉は前だけにあるとは限らない、という例です。
④には、脚がないため底面が濡れると乾きにくいという指摘があります。これは空きではなく床の性質の話で、水はけと傾きを見る理由になる。設置の公表表記は③が「脚のみ取付」、④が「完成品」で、脚の有無そのものは仕様欄から読み取れません。面積の数字に、床から浮いているかどうかは出てきません。
比較記事の「レビューで多かった不満」では、対処として背面と側面に5cm程度の余裕を見ておくと書きました。前方はそこに入っていません。 前方に要るのは5cmではなく、280〜360mm。桁が違います。
では、玄関の何を測るのか
外寸と突き合わせる数字は、1つではありません。
1. 箱を置く面の幅と奥行き — 外寸の欄と直接くらべる場所
2. 前方の奥行き — 扉が振れるぶん。候補が決まっているなら開口の横方向の辺を足す。決まっていないなら、外寸の奥行きと同じだけ前方にも取っておく
3. 左右のどちら側に壁や柱があるか — 張り出している側が決まっているなら、両開き対応かどうかが効く
4. 扉の前に人が立つ場所 — 荷物を抱えて下がる余地。ここだけは公表値からは出せません
5. 上方と背面 — 上部に投函口を持つ製品は、前方だけでは足りない
6. 床の性質 — 水はけ、傾き、段差。脚の有無と合わせて見る
7. 高さ方向の干渉 — 本体高さは720〜1000mm。インターホン、水栓、窓の下枠、メーターと重ならないか
もう1つ、置いたあとではなく置くまでに要る場所があります。設置の公表表記は、① 要組立、② 組立不要、③ 脚のみ取付、④ 完成品とばらばら。①は部材を広げる場所が別に要ります。③には1人での設置が難しいという単発の報告もあり、玄関までの通路の幅と段差も測る対象です。
測ったあとにやること
- 幅・奥行き・前方の空きを、3つの数字として書き出す — 前方だけは別に書く。外寸と足した1つにすると、候補を替えたときに計算し直せません
- 床の奥行きが63cmに満たないなら、その時点で候補を絞る — 4製品で最小の④でもこの値です
- 右前方・左前方のどちらが塞がっているかを確かめる — 塞がっている側があるなら、扉の開きの列を先に見る
- 上部に投函口のある製品を候補に入れるなら、背面と上方も測る — 干渉の報告が出ているのはこの構造です
- 数字がそろったら比較表に戻る — 4製品の外寸・荷物室の開口・扉の開きを横に並べた比較記事で、容量や固定方法と合わせて確認してください
まとめ
カタログの外寸は、扉を閉じた状態の数字です。玄関先で測るべき奥行きは、そのおよそ2倍。
開口の3辺のうちどれが高さ方向かは、外寸に照らせば①③④で機械的に決まります。残った横方向の辺が、前方に要る空きの下限。①で310〜360mm、③で317〜340mm、④で280mm。②だけは、どちらの辺が横方向かが決まりません。
そして扉が振れる側を選べるかどうかは、「扉の開き」の列に書いてあります。狭い玄関では、容量よりこの列のほうが効きます。