HOW TO CHOOSE
後付けスマートロック型番と形で名指しされた鍵|1枚に集めると、しずく型が2社で逆を向く
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
後付けスマートロック5製品が名指ししている型番と台座の形を1枚に集めた。自分の鍵の型番で付くかを決めたい人に向けて、2社以上に出てくる型番が3つしかないこと、同じしずく型が片方では対応する形、片方では取付できない形になっていることを公表値から示した。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
玄関の内側のつまみに、メーカー名と型番が書かれていることがあります。それが読めれば、あとは各社のページで探すだけ——のように見えます。実際、5製品のうち3点は、付かない鍵を型番で名指ししています。
ところが、その3点のページを並べて突き合わせると、同じ型番が同じ扱いになっていませんでした。 そして片方が「対応する形」として図に載せている台座の形を、もう片方は「取付できない形」として名指ししています。
後付けスマートロック5製品を比較した記事では、この名指しを製品ごとの解説の中に置いたままにしました。SADIOT の節に形状4種と型番6件、Aqara の節に非対応の形状と型番、SwitchBot ロック Pro の節に対応外の型番。3か所に「しずく型」と「型番」が出てくるのに、突き合わせていません。
この記事はそれだけをやります。名指しされたものを1枚に集めると、社をまたいで一致するのか。
対象は5製品の2026年9月時点のメーカー公表値です。実機は持っていないので、書けるのは公表値どうしの突き合わせで分かることと、購入者レビューに共通して現れた指摘だけです。
名指ししているのは3点。2点は1件も書いていない
| 製品 | 名指ししているもの | 件数 |
|---|---|---|
| Aqara J200 | 取付できない4形状の例(ASSA ABLOY/MIWA HP40/スガツネ工業カマ錠/MIWA HKD-0/ALPHA 10504)と、安全サムターン3型番(MIWA U1/MIWA B5/GOAL TMB) | 8 |
| SwitchBot ロック Pro | 対応外3型番(SHOWA 516/MIWA製 HK/MIWA製 HP40)、要確認1件(PATANTE)、3Dプリントの高さ補助パーツが必要な3件(MH/MX/LIXIL TOSTEM ジエスタ2用) | 7 |
| SADIOT LOCK 2 | 防犯サムターンの可否表6型番(MIWA B5/GOAL TME/シブタニ(Clavis)THX/Opnus TH-011/MIWA U1/GOAL TBM) | 6 |
| SESAME 5 | 記載なし | 0 |
| SwitchBot ロック Ultra | 記載なし | 0 |
延べ21件、同じ名前を1つに数え直すと18。そのうち2社以上に出てくるのは3つだけで、3社すべてに出てくる名前は0です。
置き場所も、3点とも製品ページではありません。SwitchBot ロック Pro は適合性ページ、SADIOT LOCK 2 は取付ページ、Aqara J200 は取付確認ページの STEP1。製品ページだけを見た読者には、この名指しは1件も届きません。
そして名指しが0件の2点は、サムターンを測る7項目でも当てられる条件が1つと0でした。型番でも mm でも判定材料が出てこないのは、この2点に重なっています。
2社に出てくる型番は3つ。扱いが一致するのは1つ
| 型番 | 一方の書き方 | もう一方の書き方 |
|---|---|---|
| MIWA HP40 | SwitchBot ロック Pro:対応外 | Aqara J200:取付できない(しずく型の例として) |
| MIWA U1 | SADIOT LOCK 2:防犯サムターンの可否表に掲載 | Aqara J200:専用3Dパーツで安全スイッチを無効化する必要。直接設置は非推奨 |
| MIWA B5 | SADIOT LOCK 2:防犯サムターンの可否表に掲載 | Aqara J200:同上 |
一致しているのは MIWA HP40 の1つだけです。 2点とも「付かない」側に置いていて、読者から見た結論が同じになる。
残る2つは、片方が表に載せ、片方が条件つきにしています。しかも SADIOT の表の見出しは「代表的な型番での対応可否は以下です」で、載っていること自体は可否のどちらでもありません。 そして手元にあるのは型番の並びと、その前書きだけです。表のセルが取れていないので、この記事からは MIWA U1 と MIWA B5 が SADIOT で可なのか不可なのかを書けません。
呼び名も揃っていません。同じ2型番を、SADIOT は「防犯サムターン」、Aqara は「安全サムターン」と呼びます。検索するときは両方の語で探さないと、片方しか出てきません。
GOAL の型番はもっと厄介です。SADIOT 側が「TBM型」、Aqara 側が「TMB」で、綴りが逆になっています。どちらかの誤記なのか別の型番なのかは公表資料からは決められないので、同じものとして数えていません。 もし同じなら、2社に出てくる型番は4つになります。
同じ「しずく型」が、2社で逆を向いている
- SADIOT LOCK 2 — 対応する台座の形として、正方形・丸形・楕円形・しずく型の4種を図で示す
- Aqara J200 — 取付できない形として、菱形(ASSA ABLOY など)・しずく型(MIWA HP40 など)・掘込カマ錠・円筒錠を名指し
同じ語が、片方では対応する形、片方では取付できない形になっています。 しかも Aqara がしずく型の例に挙げた MIWA HP40 は、SwitchBot ロック Pro も対応外に挙げている型番です。しずく型を「対応する形」の側に書いているのは、5製品で SADIOT だけ。
比較記事の基準2では、同じ90度が2社で逆の意味に使われていることを書きました。その形が、角度ではなく形状の側でも出てきます。 ただし違いが1つあります。90度は数字なので、両社が同じ角度を指していることは確かでした。形は名前です。両社の「しずく型」が同じ形を指しているかどうかは、公表資料からは決められません。
3社が同じ「3Dパーツ」を持ち、書いている中身が全部違う
型番が合わないときの逃げ道として、3点が3Dプリントのパーツを挙げています。ところが、そこに何を書くかが割れます。
| 製品 | 対象の型番 | 費用 | リスク |
|---|---|---|---|
| SwitchBot ロック Pro | MH/MX/LIXIL TOSTEM ジエスタ2用 | 記載なし | 記載なし |
| SESAME 5 | 記載なし(「別途特殊アダプターが必要な鍵の場合」とだけ) | 有料。同時注文でも別発送 | 記載なし |
| Aqara J200 | MIWA U1/MIWA B5/GOAL TMB | 記載なし | 緩みで安全スイッチが誤作動し、締め出しになるリスク。直接設置は非推奨 |
3つの欄をすべて埋めた社はありません。 対象の型番を書くのが2点、費用に触れるのが1点、リスクに触れるのが1点。「3Dパーツで対応できます」という同じ一文が、社によって指しているものが違うということです。費用が書かれていないことは無料という意味ではなく、リスクが書かれていないことは無いという意味でもありません。
防犯機能がどうなるかを書いているのは2社
- SADIOT LOCK 2 — 「防犯サムターンにSADIOT LOCKを取付けした場合、防犯サムターン特有の機能はご利用頂けなくなります」(取付ページ。取扱説明書にも同じ趣旨の記載)
- Aqara J200 — 安全サムターンには「専用3Dパーツで安全スイッチを無効化する必要があります」
残る3点は、この点に触れていません。 触れていないことは「消えない」という意味ではありません。書いていないだけです。
そしてここは、この記事が答えを出さない場所です。 防犯サムターンの機能を無効にしてよいかどうかは、住まいの契約や管理規約にも関わります。読者に代わって決めません。書けるのは、各社が何を書いているか、そして3点は何も書いていないこと、までです。
購入者は、メーカーが名指ししていない製品の型番を書いている
型番の名指しが0件の SwitchBot ロック Ultra について、購入者からは一部のドアロックの形状に対応していないという指摘が出ていて、そこには型番まで書かれています。ドアとサムターンの間にスペースがなくて取り付けられなかった、という報告も出ています。SwitchBot ロック Pro でも、取り付け位置にスペースが要ってドアに干渉する、という指摘があります。
メーカーが名指ししていない側の情報を、購入者のほうが埋めている形です。 ただし、そこに挙がっている綴りは「TMB」で、Aqara が安全サムターンとして書いている綴りと同じ、SADIOT の可否表の「TBM」とは逆です。上で書いたとおり、どちらかが誤記なのか別の型番なのかは決められないので、この記事では同じものとして扱っていません。
Aqara J200 は発売から日が浅く購入者の書き込みがまだ集まっていないため、この節には入れていません。
では、型番で判定できるのか
- 自分の型番が名指しに載っていれば、その1点については判定できます。 ただし SADIOT の可否表だけは、載っていること自体が可否を意味しません
- 載っていなければ、何も言えません。 「付く」でも「付かない」でもない。18の名前が日本で流通する鍵の何割にあたるかは、どのページにも書かれていません。比較記事で書いた対応率の母数が無いのと同じ形です
- 型番がどこに書いてあるかを案内している社は、手元の公表資料の中にはありませんでした。 型番を名指しする社はあっても、読者がそれを読み取る場所は書かれていない
次にやること
- 鍵のメーカー名と型番を控える。 読み取れる場所が無ければ、ここで止まります。その場合は最初から mm での判定に切り替えたほうが早い
- 3点の名指しページを、製品ページとは別に開く。 SwitchBot ロック Pro は適合性ページ、SADIOT LOCK 2 は取付ページ、Aqara J200 は取付確認ページ。製品ページには載っていません
- 2社以上に出てきたら、両方読む。 扱いは揃っていません。片方が「対応外」でも、もう片方が同じ結論とは限らない
- 防犯サムターンと安全サムターン、両方の語で探す。 同じ型番に社ごとの呼び名が付いています。そして機能がどうなるかは、3点が何も書いていません
- 名指しに無ければ、mm に戻る。 測った1つの数字が何社の条件に当たるかを先に見てから、各社が公表している適合条件に当ててください
- 形と型番が合っても、回転角度は別に確かめる。 同じ90度が2社で逆の意味に使われているので、ここは独立して効きます
型番で調べるのは、いちばん確からしい手に見えます。ただ5製品ぶんを1枚に集めてみると、名前が出てくること自体が珍しく、2社に出てきても扱いが揃うとは限りませんでした。 型番は判定の入口にはなりますが、出口にはなりません。