HOW TO CHOOSE

据置型宅配ボックス

宅配ボックスのIP55と「防水構造」は同じ列に置けない|投函口の面積で読む

mono-buzz 編集部

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この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

据置型宅配ボックス4製品の防水表記を、等級・部位ごとの説明・語だけの3通りのまま並べ、施錠されない投函口の面積85〜121.5cm²を隣に置いた。雨ざらしの玄関先に置いていいか決めかねている人に向けて、等級の有無で優劣が付かない理由を公表値から読み解いた。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

4製品の投函口を、公表された幅×厚みの寸法どおり同じ縮尺で描いて横に並べた図。開口の面積は 8,500・9,000・10,800・12,150 mm² で最大でも1.43倍しか違わず、IP55を名乗る製品の口が薄いほうの辺25mmで最小、等級を名乗らない製品が45mmで最大。下段に4通りの防水表記を並べてある
目次

比較記事の最後に、「大雨の翌日に内部を開けて確認する」という手順を置きました。そう書いておきながら、防水の列そのものは使っていません。触れたのは②の解説で IP55 を装備の1つとして挙げた1行だけで、その等級が何を指すのかは書いていない。

玄関先に置く以上、雨は当たります。そこで4製品の「防水」の欄を読み直しました。先に結論を書くと、この4つは同じ列に置いて優劣を付けられません。 代わりに、4製品ともが持っている1つの穴を測ります。以下は2026年9月時点で各社が公表していた値です。

「防水」の欄は、4製品とも書き方が違う

製品防水の公表表記材質の公表表記
① 1段式屋根に防水素材、扉に防水溝記載なし
② 140LIP55亜鉛メッキ鋼板
③ HAZUKI防水・防塵構造合金鋼 0.8mm + 防錆処理・パウダーコート
④ YouTen防水・防塵構造、天板は傾斜設計ステンレス

製品名は順に、① ポスト一体型 宅配ボックス 1段式、② 同 140L 複数投函対応、③ PYKES PEAK 宅配ボックス HAZUKI、④ YouTen ステンレス 宅配ボックス ポスト一体型です。

等級で書いたものが1つ、部位を名指しした説明が1つ、「防水・防塵構造」の語だけが2つ。うち1つには天板の形が添えてあります。書き方の種類は3つで、文字列としては4製品とも違います。

等級を名乗るのは1つだけで、試験の条件は書かれていない

②の IP55 だけが等級です。1つ目の5は粉じんの侵入に対する保護、2つ目の5はあらゆる方向からの噴流水に対する保護を指します。

ただし②が公表しているのはこの記号だけで、どの状態で試験したのかは書かれていません。 投函口を含む形なのか、どの向きなのか。①③④の「防水構造」「防水素材」に至っては、何を満たせばそう名乗れるのかの基準が示されていない。比べる土俵が無いので、「IP55のほうが防水・防塵構造より上」とは書けません。

4製品とも、施錠されない口を1つずつ持っている

止まったままにしないために、別の数字を出します。投函口は郵便物を入れる穴で、荷物室の扉と違って施錠されません。雨返しや蓋が付いているかは4製品とも公表していないので、公表値の上では外に開いた口として扱うほかない。その大きさを、公表された幅と厚みの積で出します。

製品投函口の公表表記開口の面積薄いほうの辺
① 1段式投函口 300 × 30 mm9,000 mm²(90 cm²)30 mm
② 140Lメール便投函口 340 × 25 mm8,500 mm²(85 cm²)25 mm
③ HAZUKI上部投函口 最大 360 × 340 × 30 mm10,800 mm²(108 cm²)30 mm
④ YouTen上段投函口 270 × 45 mm12,150 mm²(121.5 cm²)45 mm

③だけは3辺で、しかも「最大」が付いています。これは口そのものではなく、通せる郵便物の大きさとして書かれた数字です。340mmは差し込む向きの長さで、外から見える面には現れない。同じ列に載せるには、幅と厚みの2辺を取り出すことになります。比較記事で「投函口が最大360×340mm」と書いたのは通せる郵便物の平面の大きさで、ここで並べているのは外に向いた口のほう。軸が違うだけで、数字の出どころは同じです。

薄いほうの辺は 25 / 30 / 30 / 45 mm。この4つを、9つの口を最小辺で並べて連続投函の可否を読み替えた記事では郵便用と荷物用の線引きに使いました。ここでは逆から見ます。差し込める郵便物の厚みであると同時に、外気に向いて開いている高さでもある。

面積は、最大でも1.43倍しか違わない

8,500 / 9,000 / 10,800 / 12,150 mm²。最大の④と最小の②で1.43倍、85〜121.5cm²の範囲に4製品とも収まります。

等級を名乗る②も、語だけの④も、外に開いた85cm²以上の口を持つ点では変わりません。 しかも口がいちばん小さいのは②のほうでした。書き方は4通りに割れているのに、口の大きさは1.43倍に収まっている。表記の差が大きく、実体の差が小さい列です。

外寸の幅×高さで割ると、投函口の占める割合は ① 2.4% / ② 2.4% / ③ 2.6% / ④ 4.8%。④だけが約2倍で、設置面積が最小の製品ゆえに同じくらいの口でも割合が大きくなります。「省スペース」と「口の割合が大きい」は同じ寸法から出てくる。 ただし投函口がどの面にあるかは公表されておらず、これは本体の大きさで正規化した数字であって、雨の当たる面に開いた割合ではありません。

45mmは25mmの1.8倍。厚みのある封筒やカタログを入れる側から見れば有利に働く数字です。比較記事も投函口を郵便物の入れやすさの側からしか見ていません。同じ辺を外気に開いた高さとして読むと、列の向きが変わります。

濡れたという報告は、一般的な傾向としては書けない

購入者レビューから拾えた水まわりの指摘は3つ。②で強風時にポスト投函口から雨水がわずかに入る、④で脚がないため底面が濡れると乾きにくい、④で表面加工が溶剤に弱く脱脂するとまだらになる、というものです。

どれも単発の報告で、同じ内容が別の購入者から重ねて出てはいません。 個体差なのか設置環境の違いなのかを切り分ける材料が無く、「②は雨が入る製品」とは書けない。読めるのは、報告された経路が投函口だったという形だけです。

底面も同じです。④の脚が無いという報告も単発でした。公表の側で脚を持つことが読めるのは③だけ(組立の欄が「脚のみ取付」)で、①と②は記載なし。底面と地面の間が空いているかは、4製品のうち1つしか公表値から読めません。

もう1つ、公表値どうしの突き合わせがあります。①は「扉に防水溝」と部位を名指ししていますが、その扉の建て付けにばらつきがあるという指摘が複数の購入者から出ています。①は唯一の完全組立式で、扉の閉まり方が組み立てる側に委ねられる製品です。防水溝が効くかは扉の閉まり方に左右されるとみられますが、それで浸水したという報告は出ていません。言えるのは、①だけが防水の成否に組立の精度が関わる構成だ、というところまで。

材質は、入るかどうかではなく当たり続ける側の条件

ステンレス、亜鉛メッキ鋼板、合金鋼0.8mm+防錆処理・パウダーコート、記載なしの4通り。板厚まで書いているのは③だけです。素材の名前が1つも出てこないのは①だけです。材質の欄は記載なしで、防水表記も「屋根に防水素材」と素材名を伏せている。

④は「ステンレス」と公表していますが、表面には何らかの加工が載っているらしいことが購入者の報告から読めます。材質名だけでは、仕上げまでは分かりません。

では、何を見ればいいのか

防水の欄で優劣が付かない以上、代わりに使える手がかりを公表値の側から挙げます。

1. 投函口の幅と厚みを書き出す — 厚みは郵便物の厚みであり、外気に開いた高さでもあります。4製品では25〜45mm。大きく外れる口があれば、防水の表記より先にそこを見る。

2. 蓋・雨返し・パッキンの記載を探す — 4製品では見つかりませんでした。書いてある製品なら、そこは比較できます。等級の記号より具体的です。

3. 天板と屋根の形が書かれているか — ④の「天板は傾斜設計」、①の「屋根に防水素材」。水が乗り続けるか流れるかの手がかりになります。

4. 材質と板厚、そして脚 — 材質は濡れた後にどうなるかの側で、板厚まで公表しているのは③だけ。脚は跳ね返りと乾きやすさの条件で、公表の書き方から読めるのも③だけでした。

5. 等級は「あれば手がかり」程度に置く — 試験の条件が非公表である以上、有無で並べ替えない。②のIP55は、試験を通した形跡がある、という位置づけまでです。

買う前と、置くときにやること

  1. 候補の投函口の寸法から、幅×厚みの積を出す — 4製品では85〜121.5cm²に収まりました
  2. 商品ページで「蓋」「雨返し」「パッキン」の語を探す — 見つかれば比較材料が1つ増えます
  3. 設置する向きと、底面のかさ上げを決める — 風がよく当たる向きに投函口を向けない。庇の下に入れられるなら、口の大きさの差はさらに小さくなるとみられます
  4. 大雨の翌日に内部を開けて確認する — 公表値から浸水の有無を出せない以上、確かめる方法はこれだけです
  5. 開口や固定方法も含めて見直す — 4製品の防水表記・材質・開口・固定方法を横に並べた比較記事に、ほかの列と一緒に並べてあります

まとめ

防水の欄は等級・部位ごとの説明・語だけの3通りで書かれていて、同じ列に置けません。代わりに投函口を測ると、4製品とも85〜121.5cm²の施錠されない口を持ち、その差は1.43倍でした。等級を名乗る製品の口がいちばん小さい。表記の差より、実体の差のほうが小さい列です。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

据置型宅配ボックスの比較を見る →

読み終えたあとに

  • 防水の欄で優劣が付かないと分かったあと、では何の列で4製品を絞るのかが残ることがあります。開口寸法・固定方法・背面のすき間・本体重量は、この記事では扱っていません。

    据置型4製品を開口と固定方法で並べた比較

    防水は4製品を分ける軸になりませんでしたが、分かれる軸のほうは同じ4製品を公表値のまま並べた記事に置いてあります。

    防水と材質の隣に、開口寸法・固定方法・設置条件を同じ表に並べています。

  • 同じ25〜45mmの辺を、外気に開いた高さではなく郵便物が通る側から読むとどうなるか。1日に2便届く日があるなら、口の数のほうが先に効く場合もあります。

    口の数と最小辺で2便目を読み替える

    外気に開いた高さとして読んだ4つの辺は、郵便物が通る幅としても同じ数字で、そちらから読むと口の数の話になります。

    同じ投函口の寸法を、荷物が通る5つの口と一緒に並べ直しています。

候補の投函口の幅と厚みを書き出して面積を出すところまでは手元でできるので、この時点で1台に決めなくても構いません。

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運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。