HOW TO CHOOSE
据置型宅配ボックス宅配ボックスの140Lと74Lは同じものを測っていない|外形の体積で並べ直す
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
据置型宅配ボックス4製品の外寸から外形の体積を計算し、メーカー表記の容量140L・74L・記載なし2件と突き合わせた。容量Lを手がかりに選ぼうとしている人に向けて、外形では上位3製品が4.3L差に収まること、荷物用の口の最小辺は13%しか違わないことを示す。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
商品ページに「大容量140L」と書かれた製品と、「74L」と書かれた製品が並んでいます。数字だけ見れば倍近い差です。ところが玄関に置いたときの専有面積は、どちらも40cm角前後。高さも900mmと1000mmで、10cmしか違いません。
置き場所の大きさがほとんど同じなのに、容量が倍違う。どちらかの数字が、別のものを測っています。
この記事が扱うのは「容量○○Lとは何の体積なのか」の1点だけです。あわせて、容量を公表していない製品をどう並べれば比べたことになるのかも出します。据置型4製品のうち、容量Lの欄が埋まっているのは2つだけでした。
以下は2026年9月時点で各社が公表していた値です。
メーカー表記の容量の列は、半分が空いている
| 製品 | メーカー表記の容量 | 外寸(mm) |
|---|---|---|
| ① 1段式 | 記載なし | 490 × 375 × 780 |
| ② 140L | 140 L | 400 × 400 × 900 |
| ③ HAZUKI | 74 L | 410 × 360 × 1000 |
| ④ YouTen | 記載なし | 350 × 350 × 720 |
製品名は順に、① ポスト一体型 宅配ボックス 1段式、② ポスト一体型 宅配ボックス 140L 複数投函対応、③ PYKES PEAK 宅配ボックス HAZUKI、④ YouTen ステンレス 宅配ボックス ポスト一体型です。
容量を書いているのは②と③だけ。この2つを比べれば140Lと74Lの一騎打ちに見えますが、そもそも列の半分が空いている表で順位を作っても、4製品を比べたことにはなりません。
逆の形もあります。家庭向けシュレッダーのダストボックスでは容量Lが7製品すべてに書かれていて、値は資料をまたいでも動きません。それでもその隣の欄を6項目で数え直した記事では、ゴミ袋のサイズを書いた社が7つに1つ、満杯かどうかを見る手段は0でした。列が埋まっていても、決めたいことはLの隣で空いていることがあります。
外寸を掛ければ、記載なしの2つも同じ土俵に乗る
外寸は4製品とも公表されています。3辺を掛ければ、箱の外形の体積が出る。1,000,000 mm³ が 1L です。
①なら 490 × 375 × 780 = 143,325,000 mm³ で、143.3 L。同じ計算を4つぶん並べます。
| 製品 | 外形の体積 | メーカー表記の容量 | メーカー表記 ÷ 外形 |
|---|---|---|---|
| ① 1段式 | 143.3 L | 記載なし | 比が取れない |
| ② 140L | 144.0 L | 140 L | 97% |
| ③ HAZUKI | 147.6 L | 74 L | 50% |
| ④ YouTen | 88.2 L | 記載なし | 比が取れない |
②の140Lは、外形の体積とほぼ一致します。板厚も仕切りもポスト部も引く前の数字だ、ということです。③の74Lはちょうど半分。外形ではない何かを測っている。
同じ「容量」の列に、外形の体積と、そうでない値が混ざっている。 140と74を並べて大小を言っても、比べたことにはなりません。
外形で見ると、上位3製品は4.3Lしか違わない
143.3 / 144.0 / 147.6。3製品の外形の体積は、いちばん大きいものといちばん小さいもので4.3L、率にして3%しか違いません。
メーカー表記の140Lと74Lにある1.9倍の差は、箱の大きさの差としては存在しません。 それどころか、メーカー表記が半分の③のほうが外形では大きい。147.6Lで4製品の最大です。
そのうえで、本当に小さい箱が1つあります。④の88.2Lで、①の約62%。設置面積も350×350mmで最小です。そして④は容量を公表していない。 容量Lの列だけを眺めていると、4製品でただ一つの実質的な大小の差が見えないまま終わります。
容量の代わりに見るのは、口の2辺
4製品の開口・固定方法・連続投函をまとめて並べた比較記事は、「容量Lではなく荷物室の開口サイズを見てください」と書きました。ここから先は、その開口の側を容量と突き合わせます。
| 製品 | 荷物用の口(公表表記・mm) | 最小辺 | 最長辺 |
|---|---|---|---|
| ① 1段式 | 下扉内寸 360 × 310 × 536 | 310 | 536 |
| ② 140L | 下部投函口 310 × 380 | 310 | 380 |
| ③ HAZUKI | 下部投函・取り出し口 317 × 340 × 460 | 317 | 460 |
| ④ YouTen | 下段取り出し口 280 × 505 | 280 | 505 |
②は荷物用の口を2つ持っています。ここに取ったのは1便目が入る下部投函口です。もう一方の上部投函口 315 × 225 mm をどう扱うかは、9つの口をいちばん短い辺で並べ直した記事にあります。
最小辺は13%しか違わない
280 / 310 / 310 / 317。最大の317mmと最小の280mmで、差は13%です。メーカー表記の容量が1.9倍違っても、箱のいちばん短い辺がどこまで通るかは、ほとんど変わりません。
長辺と面では、順位が逆を向く
最長辺のほうは 536 / 380 / 460 / 505。メーカー表記の容量が最大の②が、4製品で最も短い。 ①とは1.4倍の開きがあります。
面で見るとどうなるか。ここで外寸と突き合わせると、公表された辺のどれが高さ方向なのかが決まります。①の536mmは外寸の幅490mmも奥行375mmも超えるので、高さ方向にしか取れません。③の460mm、④の505mmも同じです。②だけは310mmと380mmのどちらも外寸の400mmに収まってしまうので、どちらが高さかは決まりません。
そのうえで、口の2辺の積を取ります。
| 製品 | 公表2辺の積 | もとの寸法 |
|---|---|---|
| ② 140L | 117,800 mm² | 310 × 380 |
| ④ YouTen | 141,400 mm² | 280 × 505 |
| ③ HAZUKI | 145,820 mm² 以上 | 317 × 460(もう一方の組み合わせなら 156,400) |
| ① 1段式 | 166,160 mm² 以上 | 310 × 536(もう一方の組み合わせなら 192,960) |
①と③は3辺を公表しているので、面をなす2辺の組み合わせが2通りあります。どちらを取っても、②の 117,800 mm² を下回りません。メーカー表記の容量が最大の製品が、口の大きさでは4製品で最小ということです。外形が最も小さい④と比べても83%でした。
この記事で出てきたのは、開口と容量が逆を向いているという結果です。容量の列で上に来る製品が、口の列では下に来る。
購入者レビューは、容量Lの数字に触れていない
4製品のレビューから拾われている指摘のうち、荷物が入る・入らないに触れているものは1つだけでした。③について、120サイズの荷物が箱の形によっては入らなかった、という報告です。繰り返し挙がっている指摘ではないので、一般的な傾向としては読めません。
ただ、言い方のほうは気に留める価値があります。入らない理由が「大きさ」ではなく「形」で語られている。 同じ体積の荷物でも、辺の組み合わせが違えば口を通りません。上で見た最小辺と2辺の積が効いてくるのは、まさにここです。
容量Lの数字そのものを問題にした指摘は、4製品のどれにも出てきませんでした。
では、何を見ればいいのか
容量Lが書いてある製品にも、書いていない製品にも当てられる手がかりを4つ挙げます。
1. 外寸の3辺を掛けて、メーカー表記の容量と比べる
比が9割を超えるなら、その容量は外形の計算値です。荷物室の広さは、そこから板厚とポスト部を引いた残りになります。
2. 比が半分前後なら、荷物室側の値の可能性がある
ただし算出条件が書いていなければ、そこまでです。何をどれだけ引いた値かは分かりません。
3. 容量が記載なしでも、外寸があれば土俵は作れる
外形の体積は必ず出ます。容量Lを公表している製品と、同じ数直線に載せられる。今回、それで初めて④の小ささが見えました。
4. 最後に口の2辺を見る
最小辺と、2辺の積。購入判断を分けるのはこちらで、容量Lの順位とは一致しません。
買う前にやること
- よく届く箱を3つ選んで、3辺を測る — 短い順に並べておきます。ここが起点です
- いちばん短い辺を、口の最小辺と比べる — 今回の4製品なら 280〜317mm。これを超えている箱は、その口を通りません
- 残り2辺を、口の2辺と1つずつ突き合わせる — 積が足りていても、片方の辺が長すぎれば入りません。面積だけで判断しない
- 斜めに入れる前提で考えない — 奥行きを公表していない製品では、傾ける余地があるかどうかを公表値から判断できません
- 容量Lの列は最後に見る — 4製品の開口・固定方法・設置条件を横に並べた比較記事に戻り、口の寸法のほうから絞ってください
まとめ
メーカー表記の140Lと74Lは、同じものを測った数字ではありません。前者は外寸の積144Lとほぼ一致する外形の計算値で、後者は外形147.6Lのおよそ半分。算出条件はどちらも書かれていません。
外寸から並べ直すと、この2つと容量を公表していない①は 143.3 / 144.0 / 147.6 L と4.3L差に収まります。1.9倍の差は、箱の外形としては存在しない。実際に小さいのは、容量を公表していない④のほう(88.2L)でした。
荷物用の口で見ても、最小辺は13%しか違いません。2辺の積では、メーカー表記の容量が最大の②が4製品で最小でした。容量Lは、順位を作るための数字になっていません。