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ポータブル電源

ポータブル電源のポート数|合計Wを口数で割ると6口の製品が1口250Wで最小

mono-buzz 編集部

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この記事で分かること

公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。

ポータブル電源5製品のACとUSBの出力を、口数ではなく1口あたりのWで並べ直した。何をいくつ同時につなげるかを買う前に決めたい人に向けて、AC口数が最多の製品が1口あたりでは最小になり、USB-Cは3口より2口のほうが大きくなることを公表値の割り算から示す。

THE REASON BEHIND THE CHOICE

公表資料から、疑問を読み解く。

公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。

5製品のAC出力の合計Wを公表のAC口数で割った値を並べた棒グラフ。3口のJackery 1000 Newは1500Wで1口あたり500W、4口のPowerArQ S10 Proは1600Wで400W、5口のAnker C1000 Gen 2は1550Wで310W、6口のAnker C1000(旧)は1500Wで250W、EcoFlowはACの口数が公表されていないので割れない。合計は1500〜1600Wで約7%しか違わないのに1口あたりは2.0倍に開き、口数の多い順とちょうど逆さに並ぶことが読み取れる
目次

冷蔵庫、Wi-Fiルーター、スマホ2台、ノートPC、卓上のライト。停電した夜につなぐものを数えると、5つや6つにはなります。

商品ページを見ると「AC 6口」「10ポート搭載」と書いてある。口数は数えやすいので、多いほうを選んでおけば足りるだろう、と考えます。

けれど口数は「同時に挿せる数」であって、「同時に使えるW」ではありません。1000Wh級5製品のAC出力の合計は1500Wから1600Wに収まっていて、上と下でも約7%しか違わない。その同じくらいのWを、3口で分けるか6口で分けるかの違いだけです。

定格出力の「W」が製品ごとに何を指すかを並べた比較記事では、その合計Wが単ポートの値なのか全ポートの合計なのかが5製品で揃っていない、というところまで書きました。この記事は、その先の割り算だけを扱います。2026年9月時点のメーカー公表値だけを使っていて、実機は持っていません。

ACの口数を、5製品ぶん並べる

比較記事にはこの列がありません。まず公表値を、メーカーの表記のまま並べます。

製品ACの口数ACの出力(表記のまま)
Jackery 1000 New3口「3×AC出力:100V~50/60Hz,3ポート合計1500W」
Anker Solix C1000 Gen 25口「単ポート 1500W、合計最大 1550W」(取扱説明書)
Anker Solix C1000(旧)6口「AC出力:1500W」
EcoFlow DELTA 3 Plus記載なし「JP:100V〜純正弦波、各ポート 合計 1,500W」
PowerArQ S10 Pro4口「定格出力 1,600W」/「AC出力 100V × 4口」

ここで2つ引っかかります。EcoFlow はACの口数を公表していません。 あるのは「各ポート 合計 1,500W」の1行だけで、「各ポート」が何口なのかが無い。しかも「各ポート」と「合計」が同じ行に並んでいるので、1口あたりの話なのか全体の話なのかも決まりません。

そして合計だとはっきり書いているのは Jackery と Anker Gen 2 の2製品だけです。Anker C1000(旧)の1500Wも PowerArQ の1,600Wも、口数と同じ表に載ってはいますが、全口を足した値だとは書かれていない。

なお、内訳を足した数と各社が出している「出力ポート合計」の行は一致しました(10ポート・11ポート・10口)。総数の行そのものを持たないのは Jackery と EcoFlow の2製品です。

合計を口数で割ると、順位がそっくり逆さになる

割ってみます。すべて公表値どうしの割り算です。

製品ACの口数ACの合計W1口あたり
Jackery 1000 New3口1500W500W
PowerArQ S10 Pro4口1600W400W
Anker Solix C1000 Gen 25口1550W310W
Anker Solix C1000(旧)6口1500W250W
EcoFlow DELTA 3 Plus記載なし1500W計算できない

口数の多い順は6→5→4→3口で、1口あたりの順はちょうどその逆さです。 4製品で1つの例外もなく入れ替わっている。合計の開きは約7%なのに、1口あたりでは250Wと500Wの2.0倍になる。増えているのは挿せる場所の数であって、取り出せるWではない、ということが割り算だけで出てきます。

「均等ではない」と自分で書いている製品がある

その Anker Gen 2 の2つの数字を引き算すると、割り算より強いことが出ます。

単ポートに1500Wまで挿せて、5口の合計上限が1550W。 つまり1口を上限まで使ったとき、残る4口に配れるのは50Wです。4で割れば1口あたり12.5W。1口あたり310Wという割り算の値とは、まるで違う世界の数字になります。

Anker C1000(旧)には、割り算がもう一段効く場所があります。取扱説明書に「AC出力(パススルー)最大 1200W」の行があり、充電しながら給電しているあいだは上限が下がる。6口で割ると、1口あたりは250Wから200Wへ下がります。 停電に備えてつないだまま置くなら、こちらが実際の割り算です。

USB-Cは、口数の順位とWの順位が逆になる

比較記事では Anker Gen 2 について「USB-Cを3口持つのは5製品でこの製品だけ」と書きました。そこで止めていて、その3口が何Wずつなのかは見ていません。 並べ直します。

製品USB-Cの口数各口の最大W足すと
Jackery 1000 New2口30W / 100W130W
Anker Solix C1000 Gen 23口15W / 100W / 100W215W
Anker Solix C1000(旧)2口30W / 100W130W
EcoFlow DELTA 3 Plus2口各140W280W(合計として公表)
PowerArQ S10 Pro2口100W / 100W200W

口数では3口が最多なのに、Wでは215Wで2番目です。 2口の EcoFlow が280Wで、こちらが最も大きい。口数で並べるか、Wで並べるかで順位が入れ替わります。

しかも Anker Gen 2 の3口のうち15Wの1口には、もう1つ条件が付いています。取扱説明書に「USB-A および USB-C1 の合計 最大 20W」という行がある。USB-A の最大は12W、USB-C1 の最大は15W。単純に足せば27Wですが、この2口が分け合えるのは20Wまでです。 USB-A を12Wいっぱいで使えば、USB-C1 に残るのは8W。この1口は、独立した1口として数えられません。

「上限が書いてある製品」と「足しただけの製品」を、同じ列に並べない

USB側の合計上限がどこまで公表されているかは、製品によってまるで違います。

製品USB側の合計上限の公表各口を足した値
Jackery 1000 New記載なしUSB-C 2口で130W。USB-A は口数が公表されていないので足せない
Anker Solix C1000 Gen 2USB-A+USB-C1の合計 最大20W(USB 4口のうち2口ぶんだけ)220W
Anker Solix C1000(旧)記載なし154W
EcoFlow DELTA 3 PlusUSB-A 合計72W / USB-C 合計280W352W(公表の合計どうしを足した値)
PowerArQ S10 Pro記載なし234W(+ワイヤレス充電 最大15W)

種類ごとの合計上限を書いているのは EcoFlow だけです。Anker Gen 2 の20Wは、USB 4口のうち2口ぶんを縛る枠で、USB全体の上限ではありません。残る3製品には記載そのものがない。

上限の無い製品では各口の最大を足すしかありませんが、足していいとはどこにも書かれていない。 154Wも234Wも、この記事が足した値です。EcoFlow の352Wも公表された2つの合計を足しただけ。上限として公表された値と、こちらが足した値を、同じ列には並べられません。

Jackery は足すこともできません。仕様表は「USB-A出力 最大18W」「USB-C1出力 最大30W」「USB-C2出力 最大100W」の3行で、USB-A が何口あるのかが書かれていない。

購入者は「同時につなげる」を長所として挙げている

レビューを横断すると、5製品のうち4製品で「複数の機器を同時に使える」という趣旨の書き込みが高評価側に並びます。口数の多さは、買った人にも長所として受け取られている。 EcoFlow では出力ポートの総数を自分で数えた書き込みも出てきます。メーカーの技術仕様にACの口数の行が無いので、数を出しているのが購入者の側だけという状態です。

一方で低評価側には、EcoFlow で同時につなぐと使える電力が限られるという指摘、Anker Gen 2 で複数のポートを同時に使うと放熱の音が大きくなる・重い家電を同時に使うと減りが速いという指摘が挙がっています。挿せることと、挿したまま全部が動くことは違う。 上の割り算と同じことを、レビューは使い方の側から言っているように読めます。

では、何を見ればいいのか

口数だけでは決まらないとして、代わりに見る材料を挙げます。

  • 合計Wと口数の両方が公表されているか — 片方が無いと割り算そのものができません。ACの口数を出していない製品が1つあります
  • 「合計」と書いてあるか、単ポートの上限が別にあるか — 合計だと明記しているのは5製品で2つだけ。「単ポート1500W/合計最大1550W」のように分けている製品では、割り算より先にそちらを見たほうが早い
  • USBは口数ではなくWで数える — 100W級が何口あるか。15Wや12Wの口を1口として数えると、口数は増えても足せるWはほとんど増えません。2つの口が1つの枠を分け合う書き方をしている製品もあります
  • 充電しながら使うときの上限があるか — その値がある製品では、割り算の答えも下がります

つなぐものが決まっているなら、先にやること

順番にやってください。

  1. つなぐ機器の消費電力を書き出して足す — 合計が何Wかが決まらないと、口数もWも比べようがありません
  2. いちばん大きい1台を確かめる — 1台で1000Wを超えるものがあるなら、口数ではなく単ポートの上限の話になります
  3. USBは口数ではなくWで数え直す — 100W級が2口ほしいのか、スマホ用の小さい口が並んでいればいいのかで、選ぶ製品が変わります
  4. 充電しながら使うつもりなら、その条件を先に探す — 上限が下がる製品があります。5製品の公表値を並べ直した比較記事の基準3に、どの社がどこまで書いているかをまとめてあります
  5. 届いたら、実際につなぐ機器を全部挿してみる — 割り算では、均等に配れるかどうかまでは分かりません。挿してみるのがいちばん早い

まとめ

ACの合計Wは5製品で1500Wから1600Wに収まり、差は約7%しかありませんでした。それを口数で割ると、3口の500Wから6口の250Wまで2.0倍に開き、口数の多い順とちょうど逆さに並びます。 1製品はACの口数が公表されていないので、割ることもできない。USB-Cは3口の Anker Gen 2 が215Wで、2口の EcoFlow が280W。ここでも順位が入れ替わり、しかもその3口のうち1口は、USB-Aと20Wの枠を分け合っています。

口数は、同時に挿せる場所の数を教えてくれます。同時に取り出せるWのほうは、口数の列には書かれていません。

次のステップ

条件が分かったら、製品を比較。

各製品の対応条件と注意点を確認して、候補を絞りましょう。

ポータブル電源の比較を見る →

読み終えたあとに

  • 1口あたりのWで候補の見え方が変わったあと、口数以外の軸まで含めてどの1台にするかは決めきれないことがあります。

    定格1500Wの中身を並べた比較記事

    1口あたりのWは5製品を分ける軸の1つで、残りの軸は同じ5製品を公表値で並べ直した記事のほうにあります。

    定格1500Wが製品ごとに何を指しているかを、5製品ぶん並べています。

  • 停電に備えてつないだまま置くつもりなら、その置き場所の温度が公表の枠に入っているかが、口数とは別に残ることがあります。

    動作温度と充電温度を重ねた記事

    つないだまま置くのは充電しながら置くことでもあるので、公表の充電温度の枠に入っているかが効いてきます。

    給電できる帯と充電できる帯を分けて、5製品ぶん重ね直しています。

つなぐ機器を書き出して足すところまでは手元でできるので、この時点で1台に絞らなくても構いません。

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運営者

mono-buzz 編集部

メーカーの公開仕様と購入者レビューを読み込み、各社で書き方の揃わない数字を同じ条件に並べ直しています。実機は持たないため、使用感はレビューに共通する指摘として扱い、価格は目安を示し、最新の金額は販売先で確認していただく形にしています。