HOW TO CHOOSE
電子レンジ17Lと20Lで置ける皿は変わるか|電子レンジの容量を底の広さに直す
この記事で分かること
公表値を読み解いて、選ぶ基準を整理。
単機能電子レンジ5製品の容量(17L・20L)を、容器を置ける底の広さに直して並べ直した。大きめの弁当や角皿が入るかを容量の数字で決めようとしている人に向けて、同じ17Lでもターンテーブル機とフラット機で約1.4倍開くことを、庫内寸法の公表値から計算した。
THE REASON BEHIND THE CHOICE
公表資料から、疑問を読み解く。
公開資料に基づく記事です。実機による検証は行っていません。
目次
よく温めるのは、コンビニの大きめの弁当か、作り置きを入れた角形の保存容器。商品ページを見比べると「17L」と「20L」があって、20Lのほうが大きな容器が入りそうに見えます。では17Lどうしなら、どれを選んでも同じなのか。
この記事が答える問いは1つです。容量(L)の数字で、置ける容器の大きさは比べられるのか。
答えを先に書くと、比べられません。同じ17Lの3製品で、容器を置ける底の広さは約594〜860cm²と1.4倍開きます。20Lと17Lの容量の差は約1.18倍なのに、底の広さでは最大で約1.7倍です。
数字は2026年9月時点のメーカー公表値です。実機は持っていないので、ここに書けるのは庫内寸法からの計算と、購入者のレビューに共通して出てきた声だけです。
容量と庫内寸法を並べる
単機能レンジ5製品の比較記事で扱った5製品の、容量の表記と庫内の幅・奥行です。高さは175〜185mmと差が小さいので、ここでは扱いません。
| 製品 | 容量(表記) | 庫内の幅×奥行 | 庫内の底 |
|---|---|---|---|
| アイリスオーヤマ PMG-T179 | 約17L | 315×280mm | ターンテーブル |
| 山善 YRM-HF171 | 約17L | 275×307mm | ターンテーブル |
| MAXZEN JM17AGZ01 | 17L | 記載なし | ターンテーブル |
| 東芝 ER-S17ZB | 17L | 273×315mm | フラット |
| ツインバード DR-E273B | 20L | 320×330mm | フラット |
容量を「JISの基準に基づいて算出した」と書いているのは、アイリスオーヤマと東芝の2社です。その算出方法の中身は、今回の資料には載っていません。山善の約17Lとツインバードの20Lは、取扱説明書の仕様表ではなく公式の商品ページにだけある数字です。
幅×奥行を掛けると、17Lの3製品の庫内の床は844〜882cm²で、差は約4%しかありません。床の広さだけなら、17Lどうしはほぼ同じです。 差が出るのは、そこにターンテーブルが乗るかどうかでした。
容器を置ける底の広さに直す
ターンテーブル機では、容器が回ります。回る容器の角が壁に当たらない範囲は、庫内の短い辺を直径とする円です(皿の径ではなく短い辺で決まる理由は、比較記事の基準3の図にあります)。フラット機は回らないので、幅×奥行の長方形がそのまま置ける範囲になります。
この2つを同じ単位(cm²)に載せ直しました。
| 製品 | 容器を置ける範囲 | 広さ | 1Lあたり |
|---|---|---|---|
| アイリスオーヤマ PMG-T179 | 直径280mmの円 | 約616cm² | 約36cm² |
| 山善 YRM-HF171 | 直径275mmの円 | 約594cm² | 約35cm² |
| MAXZEN JM17AGZ01 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 東芝 ER-S17ZB | 273×315mmの長方形 | 約860cm² | 約51cm² |
| ツインバード DR-E273B | 320×330mmの長方形 | 約1,056cm² | 約53cm² |
同じ17Lで、フラットの東芝は回転の2製品の約1.4倍
床の広さがほぼ同じなのに、回転の2製品は円に収まる範囲しか使えません。長方形の床に内接する円は、アイリスオーヤマで床の約70%、山善で約70%。残りの3割は、容器の角を置けない四隅です。
東芝は床の273×315mmをそのまま使えるので、約860cm²。アイリスオーヤマの約1.4倍、山善の約1.45倍になります。容量の表記は3製品とも17Lで、この差は容量の数字には出てきません。
20Lと17Lの差は、容量では約1.18倍、底では約1.7倍
20L÷17Lは約1.18倍。ところがツインバードの約1,056cm²は、アイリスオーヤマの約616cm²の約1.7倍、山善の約594cm²の約1.8倍です。
1Lあたりに直すと、回転の2製品は約35〜36cm²、フラットの2製品は約51〜53cm²と、きれいに2つに分かれます。容量が同じでも、回るか回らないかで、1Lが底の広さに換わる割合が約1.4〜1.5倍違うということです。
逆に、フラットどうしで比べると、ツインバードは東芝の約1.23倍。容量の差(約1.18倍)に近い値です。容量の数字どうしが底の広さの目安として働くのは、底の形式が揃っているときだけ、と読めます。
角皿の一辺に直すと
四角い容器で考えると、差はもっと分かりやすくなります。回る円に収まる正方形は、円の直径÷√2が一辺です。
- アイリスオーヤマ — 一辺約198mmの正方形まで
- 山善 — 一辺約194mmの正方形まで
- 東芝 — 短い辺の273mmまで。長方形なら273×315mmまで
- ツインバード — 320×330mmまで
同じ17Lで、角皿の一辺は約194mmと273mm。約8cmの違いです。 一辺20cmを超える角皿は、計算の上では回転の2製品では回らず、東芝なら置ける範囲に入ります。
購入者の「広い」は、同じ大きさを指していない
購入者のレビューを読むと、5製品すべてに「庫内が広い」という好意的な声がありました。 アイリスオーヤマではピザや弁当が入る、山善ではコンビニ弁当や大皿にも余裕がある、ツインバードでは大きな弁当の出し入れがしやすい、MAXZEN では17Lにしては入る、東芝ではコンパクトなのに多くの食器に対応する、という趣旨です。
上の計算と突き合わせると、この5つの「広い」は、底の広さで最大約1.7倍の幅を含んだ同じ言葉です。何と比べて広いのか(前の機種か、置き場所の外形か)はレビューから読み取れず、「広い」という声の多さでは、製品どうしの庫内の大小は決められません。
一方で、回転機には容器の大きさに関わる指摘も出ています。アイリスオーヤマで、大きい弁当だと丸皿が回らずに引っかかるという声、山善で、端に食器を置くと回転皿がずれるという声です。どちらも1件だけの報告で個体差の可能性もありますが、円の外側(四隅)に容器が掛かったときの話として、計算と向きが合っています。
では、何を見ればいいのか
- 容量(L)ではなく、庫内の幅と奥行 — 容量は、比べる製品の底の形式が揃っているときだけ目安になります
- ターンテーブルかフラットか — 回転機なら短い辺を直径とする円、フラット機なら幅×奥行が置ける範囲です
- 回転機なら、短い辺÷約1.41 — 回せる正方形の一辺になります。アイリスオーヤマ・山善で約19〜20cm
- 庫内寸法が無い製品は、容量からは推せない — MAXZEN はこの計算ができません
手持ちの容器から選ぶ手順
- よく温める容器の、いちばん大きいものの縦と横を測る — 弁当なら容器の外側、角皿なら縁まで
- 回転機を考えているなら、容器の対角線を出す — 縦²+横²の平方根です。これが庫内の短い辺を超えると回りません。短い辺の値と、皿の径との違いは比較記事の基準3にまとめました
- フラット機なら、縦と横をそのまま庫内の幅・奥行と比べる — 東芝は273×315mm、ツインバードは320×330mm
- 容量の数字は最後に見る — 同じ底の形式どうしを比べるときの補助に使う
- 庫内寸法が公表されていない製品は、届いたらまず容器を入れて回す — 計算で確かめる手段がないためです
容量の「17L」「20L」には、底の形も、皿が回るかどうかも入っていません。置ける容器の大きさを決めていたのは、その2つのほうでした。